私の前世探究記【第七話】
前回のあらすじ:
今世でQ太郎を悩ませる腕の痛みは、前世から引き継いだものらしい。
その真相の一部に辿り着いたQ太郎は、次なる探究を進めようとしていた。
【2022年12月〜2023年1月】
体調を崩す日が多くなる。
利き腕が不自由なことにより、仕事が思うようにできず悩み、そのストレスが体調不良となったようだ。
【2023年2月10日】
某mixiにて、Bさんがチェコの写真をいくつかアップしていた。
その中に、彼女には珍しく、風景や町並みではない「宝石」の写真があった。
それはボヘミアンガーネットという宝石で、昔からあるチェコの名産品なのだとか。
黒みを帯び、ややくすんだ赤色をしている。
初めて見る宝石だったが、それを見ているととても懐かしい気持ちになった。
「なんとなく懐かしい気分になりますね」
とQ太郎がコメントする。
それに続いて、博識な誰かがこんなコメントをした。
「かつてボヘミア王国の時代、この宝石は止血のお守りとして、特に貴族の間で流行したようです。剣の柄に埋め込んだりして使用されていました」
とのこと!
すぐさまBさんにメッセージを送ると、彼女もそのコメントの流れに驚いていた様子。
Bさんは既にQ太郎の前世の話を知っていたので、「Q太郎さんの前世のアレシュが、昔自分が使っていた宝石を思い出して懐かしいって感じているのだわ!」と理解したようだ。
ボヘミアンガーネット。
実物を見に行ってみたいな、と思う。
【2023年2月27日】
Q太郎の誕生日。43歳になった。
先日のボヘミアンガーネットの件を受けて、実際にチェコに行ってみたいという気持ちが芽生えてきた。
しかしチェコのどこへ行けば良いんだ?
霊視のL先生なんかは「プラハに行けば良いんじゃない?」と言ってくれている。
占いのR先生にも相談してみようか。
【2023年3月】
占いのR先生を訪ねて相談したところ、歯切れの悪い回答だった。
そういう時は、だいたい「答えは自分で見つけた方が面白いわよ」というパターンが多い。
占いで答えを出してしまうのは「映画のネタバレ」をするようなもので、占いに頼らずとも得られる答えの場合は、自分で見つける方が楽しくなるよ、というのがR先生の方針のようである。
チェコのどの町に行けば良いのかについての答えも、自ずと分かるということだろう。
R先生は言う。
「頭にJのつく町が怪しいですね」
やっぱり視えてんじゃん(笑)
【2023年3月】
とりあえず、チェコ旅行をどんなコースにするのかを考えるために、旅行代理店に行って相談してみた。
そこで往復のチケット代の見積もりやツアープランなどをいくつか紹介してもらった。
プラハだけでもかなりの観光名所があるので、確かにプラハだけにとどまるのもアリか。
しかし、アレシュのゆかりの地にも行ってみたいし、ロキツァナの出身地のピルゼンにも行ってみたい。
双方は真逆の位置にあるから、一度の旅行(日程は3日ほど)で廻るのは難しいとのことだったし、そもそもツアーのコースから外れるそうだ。
【2023年3月14日】
大変な事が起こった!
母が転んで足を骨折してしまったのだ。
大腿骨の骨折なので、大きな手術になるとのこと。
【2023年4月】
母の手術は無事に終わり、退院後は自宅で療養することになった。
チェコ旅行は5月の連休に、と思っていたが、母の怪我は全治3ヶ月とのこと。
母の介護が必要になるため、Q太郎はチェコ旅行を断念することにした。
「ところで、母の足の怪我は3ヶ月で治るとの診断だが、私の右腕は前世から数えると全治何年かかっとんねん!」
と、不自由な右腕をさすりながらQ太郎は思うのであった。
これはもう、全治600年の怪我と言って良い(笑)。
旅行を断念した一方で、この前世探究の経緯を本にして出版しようという気持ちが固まってきた。
「出版企画書」というものを初めて作成したQ太郎は、持ち込み企画を募集している出版社へ投稿してみるのだった。
結果や如何に!
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