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まちをつくる、ということ 〜 自分の住む通りから

ずっと気になっていたことがありました。

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この通り、私が住んでいる通りのすぐ近くにあるのですが、三角や四角の旗のガーランドがどんどん増えていっているのです。
ジョギングでよく通るこの場所。
写真のような青空の日は特に、ひらひら揺れるガーランドを見てうきうきします。

初めて見たときには3〜4ヶ所だったと思うのですが、
イベントがあるのかな?楽しそうだな ☺︎
と思いながら眺めていたら、いつの間にかどんどん増えるので、何か意味があるのか、もしかして政治的なメッセージでも込められているのかと、だんだん気になってきました。


そして先日。

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ガーランドの端が結び付けられているこの手作りベンチにお兄さんが座っていたので、少し勇気を出して声をかけてみました。

「この通りに住んでいる方ですか?ガーランドがどうしてどんどん増えていっているのか気になっているんですけど。」

すると、

「そう。ここは数年前から工事が多いから、この通りの雰囲気をよくしようとみんなでガーランドをつけているんだ」

と、とてもこころよく教えてくれました。

えぇーわぁーー素敵ーーー!!!

私が声をかけたこの若いお兄さんは、肌の色が濃く、ドイツ語の話し方からしても、ドイツ人ではなさそう。
この通りでは、こども連れの家族や、若者たち、ベランダから外を眺めているドイツ人らしきおじいさんやおばあさんもよく見かけます。そして、英語やドイツ語だけではなく、スペイン語やイタリア語やロシア語らしき言葉もよく耳にします。
年齢層も文化の背景も違ういろいろな人が一緒になって、自分の住む通りを明るく楽しくしようとしている!

とっても感動してしまいました。

ガーランドの端をベランダの柵などに結びつけて、下に降ろして、通りの向こう側に持って行って、反対側のベランダにもう片方の端を結びつけて。
そうやって少しずつ増やしていっているそうです。

みんなでわいわいしながらガーランドをつけているところも見てみたいなぁ。


そして先日、お散歩中に他の通りでもガーランドをたくさん見かけました。
ここも、住民のみんなで楽しい通りにしようと協力し合っているのでしょうか。

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遊具のデザインの仕事を始めてから、遊具単体だけではなく、公園全体のプランをするようになり、そうすると公園だけではなく、まち全体が気になってきました。
建築家、ランドスケープアーキテクト、行政の都市計画課など、まちづくりにはいろいろな専門家さんたちが関わっていると思いますが、住民のひとりひとりができることもきっとたくさんありますよね。

学校も公園も閉鎖されていたロックダウン中には、世界のたくさんの通りで「みちあそび/プレイストリート」が行われました。
ベルリンでも、住民が事前に役所に届けを出し、一定の時間帯に道路を通行止めにし、こどもたちが自由に遊べる場所と時間が設けられるような動きが多く見られました。地域によっては役所がそういった活動を斡旋するところもあり、暗いことが多かった中でのとても喜ばしいニュースでした。

大きな街に住んでいると、自分にできることなんて何もないかのようにも思えてしまいますが、私も自分にできることを小さなことから始めてみようと思います。

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