見出し画像

著名建築家ホテル①④ デュシタニ バンコク

ホテルの魅力としてホスピタリティと双璧を成す ”建築や内装デザインの美しさやユニークさ” ということでまとめている、泊まれる建築シリーズ。

昨日の記事で ”日本初上陸ブランドのニューオープンホテル” として取り上げたデュシットグループの本国タイにある旗艦ホテルを手がけたのは、日本人の著名著建築家です✨

Dusit Thani Bangkok(1970年開業/2024年リオープン予定)

タイ語で天国の街というデュシ・タニ。チュラロンコン大学のキャンパス真横の広い敷地に広がる、ホテルというよりリゾートな一帯。創業50年を目前にした2019年にホテルは解体され、大規模な改装工事で新装して来年お目見え予定。

広い敷地を生かしてデュシット・セントラルパークに生まれ代わり、次はホテルだけじゃなくオフィスタワーや分譲マンション、店舗を含む複合施設に。

新しいモダンなホテルが多数できる中、どこかホッとできる、昔ながらの重厚感あるホテルだった旧デュシタニ。初代オーナーはなんと女性で、東京のホテルオークラを訪れた際に感銘を受けたことでオークラのデザインチームにいた日本人建築家にデザインを依頼。何故か落ち着くホテルに感じられるのは、日本人が手がけているからなのかも。

敷地内にある自然をできるだけ残す形でデザインされていて、プールの周りもテラスもちょっとした森のよう。ホテルに対して敷地が広大だから、まるで市街にパッと現れたリゾートみたい。土地に対してもったいない造りといえば言えなくもないから、土地の有効活用も再開発のテーマなのかも。いち利用者としては残念な気がするけど、仕方のないことですね。

ロビーにつながる中庭には何層にも連なった滝モチーフがあったり、その中庭を取り囲むファサード屋根のデザインがオークラを彷彿とさせたりするのも、ホテルオークラの建築部長だった柴田洋三さんが主導したからこそ。ちなみに、以前、記事にしたことがあるオークラ アムステルダムのデザインも同じ設計事務所。

バンコクらしくタイ紋様をふんだんに取り入れていたり、タイらしい鮮やかな色使いが見られたり、三角形の外観はワットアルン寺院を模していたりと、デュシタニならではの意匠もたくさん散見される美しい気品あるホテルだったのに・・😢

東京のオークラ改装時も賛否両論が騒がれましたが、バンコクのデュシタニも同様。建築界においては尊いものすぎて、タイにあるどこぞの大学で建築の仔細なところまでアーカイブ保存しているとか。

いつでも行けると思っていると、なくなってしまうことも多いホテルたち。お別れは寂しいですが、来年お目見えの新生デュシタニに期待したいと思います✨


・トップの写真は公式サイトのものを利用しています

新たな視点がもてたり、世界が広がったり、楽しい気持ちになりますように・・✨