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もうすぐ来る2025年とその先の2040年

2025年問題って騒がれてましたけど、もう数年先ですね。
わたしの両親は1948年生まれなので、団塊の世代ど真ん中で、この問題、職業的にだけでなく当事者としても気になります。

急性期病院で働いていた時、親の突然の病気、特に脳血管疾患などで意識障害により判断能力を失った状況になった場合に、子ども世代が入院手続きや支払いをすることになる訳ですが、親の資産状況(年金額や預貯金、借金の有無など)を把握していないというケースが多くありました。そして、通帳や印鑑の保管場所がわからない、キャッシュカードはあっても暗証番号がわからなくてお金が引き出せないという事態も少なくありません。
皆さんとりあえず立て替えておけばよい、と考えると思うのですが、これが結構大変な事態になることがあるんです。
まず、今は個人情報保護の観点から本人でなければ基本銀行の窓口でお金はおろせません。
本人以外が手続きする場合は、必ず委任状が必要となります。しかも、この委任状は本人が記入しなければならず(本人の意識で委任したと証明するため)、そもそも本人に意思表示ができなければ委任状も作成ができないため、たとえ家族でもお金はおろせない、ということになります。

では、どうするか…成年後見制度を利用して後見人を申し立て、正式に後見人が選定されれば本人に変わり、金銭管理ができるようになります。
しかし、この成年後見制度非常に手続きに時間がかかる上、費用もかかります。
家族が後見人になることもありますし、弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門職が後見人になることもあります。これから、この成年後見制度の活用が必要なケースが増えていくと思いますが、本当に申し立てについての手続きが大変なのでその点もっと改善が進んでほしいな、と思います。

そして、最近増えているのがオンライン上で契約しているものは、契約書が紙で残されていないため、何に契約しているか家族が把握出来なくなってしまう、ということです。
スマホも個人認証できないと開けないですし、パスワードがわからないとログインできないので契約解除をしたくてもできません。

これ、わたし自身も何かあった時に非常に困るな、と思っています。
親の問題もそうですが、その先の2040年問題はわたし自身が当事者です。
独身、子なしの身分なのでこの先の未来「おひとり様」当事者になるわけです。わたしに万一のことがあれば、弟の家族に負担がかかることになりますので、出来るだけ迷惑がかからないように準備をしておかなければならないな、と思います。
元気に何事もなく生活できている時はいいですが、病気や事故は本当に思ってもみないタイミングでやってきます。
医療現場で働いていると明日は我が身だな、と思わずにいられませんでした。「人生会議」を厚労省がキャンペーンしましたが、意外と家族だからこそこういう問題避けがちだったりしますよね。

年末年始家族と過ごす方も多いと思います。
いま、病気のあるなしに関わらずそれぞれの人生の幕の閉じ方、準備の仕方など一度話し合ってみてもいいかもしれないですね。

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