11/5・6 遺族会コールセンターの報告―アンケート対象者26人(確定)

 11/5(金)・6(土)、空襲遺族会の事務所にコールセンターを設け、会員のご遺族に電話かけを行ないました。
 遺族会では、会員の承諾を得て、空襲犠牲者報告書に記載された犠牲者のお名前を公開する活動を進めています。
 会員のご遺族には、事前に名前公開のアンケートと趣旨説明の通知を送ってあります。そのみなさまに、もう一度、電話で趣旨を説明し、お返事をお願いすることがこの日の目的です。
 お返事自体は、間違いを避けるために、必ず葉書でいただきます。
 アンケート発送時点の対象者は、旧本所区・深川区・浅草区在住の25人でしたが、電話かけを進めるなかで1名増えて、最終的に対象者は26人になりました。

名前公開のアンケート対象者(11/6時点)
(犠牲者報告書ファイル名・人数)
本所区第2巻 10人
深川区第1巻 11人
深川区第2巻 4人
台東区(浅草区・下谷区) 1人
合計 26人

電話かけの結果は以下になりました。(11/6時点)
本人または家族に通じた(手紙待ち) 12人
現在の電話番号不明 2人
連絡の途中 12人(通じたが中断1人・かかるが出ない4人・通知再送など7人)
合計 26人

 このうち、何人から回答はがきが返って来るかが、当面の焦点です。
 おそらく、11月中には来年の公開人数が集計できるだろうと思っています。

 今年は、電話かけの活動に、ボランティアを募集しました。
 初日に2人の方が参加してくださり、有意義な経験ができました。
 電話をかける手元には、提出された犠牲者報告書。
 電話の向こうには、その報告書を書いたご本人や、高齢でご本人が亡くなっている場合、その配偶者やお子さんの声があります。
 はじめはぎこちなく、しかし少しずつ、名前について会話するうちに、確かにその文字が、単なる文字であることをやめて、よみがえってくる瞬間があります。
 例えば、自身は戦地に出征して。
 復員すると、深川で家族4人を亡くしていたYさん。
 そのYさんも7年前に亡くなり、そのYさんの悲しみを聞きとっていた娘さんの声を通して、確かにそのYさんと、深川で生活を共にしたご家族の存在が、こちらに伝わってきます。

 こうして、ひとりの名前を、たくさんの時間をかけて公開する意味を、わたしたち自身、また十分、分かっているとは言えません。
 2022年の「名前の展示」は、3月12日に決まりました。
 その日に向けて。
 名前を展示し、掘り起こした声を集めて、「東京空襲」を問いかけていきます。
 もうしばらく、この会話にお付き合いいただければ幸いです。

画像1

11月5・6日とも。2チームに分かれて電話かけをしました。

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電話で聞きとった内容を「聞き取りメモ記入用紙」に記入します。
このメモと返送されたアンケート葉書が、遺族の反応を把握する原資料になります。(写真一部加工)

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