報告:3/12「東京空襲犠牲者の名前を公開し、体験を継承するつどい2022」

 3/12(土)、浅草公会堂第1集会室で、「東京空襲犠牲者の名前を公開し、体験を継承するつどい2022」を開催しました。
 東京空襲犠牲者遺族会会長・榎本喜久治さんより「はじめの言葉」があり、続いて、山本唯人さんから「2021年度の活動報告と展示の紹介」が説明されました。


 メイン講演は、毎日新聞記者・青島顕さんによる、「シベリア抑留死亡者名簿はなぜ公開できたのか」です。
 シベリア抑留死亡者名簿を作成した村山常雄の足跡と動機を紹介し、村山による厚生省名簿入手の経緯、2001年の情報公開法施行、2005年の個人情報保護法施行によって、戦争中の死亡者名簿の公開が困難になっている状況が語られました。
 同時に、厚生労働省による名簿公開が、情報公開法第7条「公益上の理由による裁量的開示」を根拠にしていること、その前提に村山名簿の公開の実績があるとの指摘は、東京空襲名簿の公開についても、光を投げかけるものでした。
*当日青島顕さんが講演の手元用メモとして作成した資料を、講演者の承諾を得て公開します。

 今年は「名前の展示2022―東京空襲犠牲者の公開名簿」と「[関連展示]報告書の書き込み、遺族の声」を展示しました。
 「名前の展示2022」では、新公開する13遺族・犠牲者39人の名前を従来の名簿に加えて、105遺族会員・犠牲者320人の名前を、A0用紙・5枚に印字して会場の壁面に貼り出しました。
 関連展示では、新公開する13遺族全員の「東京空襲犠牲者報告書」と、電話でお話を聞けた4遺族の聞き取り記録を、パーテーション2枚に貼りだして見てもらいました。
 見た方からは「展示の趣旨がはっきりしており、分かりやすかった」「一人ひとりのかけがえのない人生があったことをかみしめたい」などの反応がありました。

 後半では、新公開した犠牲者39人のお名前をスタッフが読み上げ、そのあと、今年公開した遺族が1人、昨年以前に公開した遺族3人が、その場で思いを語りました。
 この時、発言はありませんでしたが、前半までは、新公開した遺族が家族3人で来場していました。
 フロアからの質問のあと、和・ピースリング代表の有馬保彦さんより「おわりの言葉」を述べて閉会しました。
 密接を避けるため、随時参加者を入れ替えながら、全体では49人が参加しました。
 3/13東京新聞、3/14NHK首都圏ネットワークで、報道がありました。

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展示準備。「名前の展示2022」の飾りをつくる。

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会場風景。

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「名前の展示2022—東京空襲犠牲者の公開名簿」(全体)

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「名前の展示2022—東京空襲犠牲者の公開名簿」(部分)。新公開した名前にリボンをつける。

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「[関連展示]報告書の書き込み、遺族の声」(全体)

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「[関連展示]報告書の書き込み、遺族の声」(部分)。白い紙は「東京空襲犠牲者報告書」とその書き起こし。クリーム色の紙は2021年11月と2022年1月に実施した電話による遺族への聞き取りメモとその書き起こし。

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毎日新聞記者・青島顕さんの講演

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展示の見学風景

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スタッフによる新公開の名前の読み上げ

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名前公開遺族の発言

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YearBook/年報2020-2021の発行。
郵送販売の申込等は以下を参照。
https://note.com/meetingnames/n/n47dbd6eb4ad5

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