雨の京都、高台寺で。
4年振りの友達との京都旅行。
2日目の高台寺からの帰り道の石段で、目の前を行く外国人のご夫妻(多分40代半ば、奥さんが少しふくよかな方でした)の奥さんが、いきなり足を滑らせて転んでしまった。
一歩前を歩いていたご主人が、まるで映画のワンシーンのように驚いた顔で振り向きながら、傘を投げ捨てて奥さんの方に駆け寄った。
泣きながら強く打ったらしい腕と、腰も押さえて泣く奥さん。
とにかく私達は側溝に落ちた傘をそれぞれに拾って側に置くも、そんなに広くない石段の半分以上を占領している二人、上からはどんどん人が下りて来るので、声をかける事も出来ずに下りて来てしまったけれど、、あの後どうなっただろうと、旅の間何度も頭を過った。
土砂降りの雨の中で座り込んで寄り添う二人。
冷たい雨に打たれて身体も冷えてしまっただろう。
戻って何かしてあげれば良かった、するべきだったと、二年坂、三年坂を歩きながら後悔した。
一緒に歩き出した友達がふと、「もし自分の旦那さんなら、良く見て歩かないらだよ。と咎める言葉が先に出たろうな。」と。
私も同じ事を思っていたので、二人して笑って緊張の糸が解れた。
どうか無事に旅が続けられていますように。
あの映画のワンシーンのような場面。一生忘れないと思う。