駆け足で廻った金沢、京都。

29日 12月 2014
ブログ「イトシイモノ」より

今年の冬の寒さは半端なく、行く直前まで迷いに迷った金沢.京都一泊旅行。
出かける二日前からなんとなく風邪っぽかった私は、ヒートテック2枚重ねに貼るカイロという万全の態勢で金沢へ向かいました。

けれどそれが結果的には風邪を悪化させる原因に。
金沢も京都も外は冷たい風が吹き抜けるのに、一歩建物の中に入ると半袖一枚のスタッフがいる暖かさ。
あっという間に汗だくになり、展示室内では脱ぐにも脱げず。
濡れたシャツのまま、また寒い外への繰り返しで一気にこじらせてしまいました。

「トンネルを抜けるとそこは雪国だった。」
実際はトンネルを抜ける度に、雪は降ったり止んだり。

家を出て4時間。ついに金沢到着。
まず目指したのは「鈴木大拙館」。
なのに不案内なタクシーの運転手に兼六園前で下ろされてしまい、探し歩く事30分、半日しかないうちの30分!
これがこの日の怒り初め。

それでも住宅地に静かにたたずむ大拙館は美しく
雨も降りだしてしっとりとした風情。

館内は撮影禁止ですが、学芸員さんがさりげなく障子を閉めて
一番広い部屋の撮影を許可して下さいました。
私が惹きつけられたこの生け花。
何て美しい姿。
しかも水が花器ギリギリまで入っていた様子は建物を廻る池に合わせたかのようで。
しばし見入ってしまいました。

でも禅や仏教について数々の著書を持つ哲学者の美術館にふさわしくないおばさん達4人の騒ぐ声が何処へ行っても耳につき、この瞑想の部屋での高笑いについにキレた私。
一度は避難した廊下の椅子から立ち上がり、その部屋へ行きひと言。
「静かにして下さい。」
唖然とするおばさん達。
反対側には、本来なら座禅を組むべき畳に寝そべるお姉さんがいて、がばっと起き上ったかと思うと、にわか座禅を組む素振りを。

苦情は本当なら言いたくありません。
言う方もつらいのです。
でも場所をわきまえるという事はとても大切な事だと。
ようやく静かになった美術館を出るのと同時に今度は30人ほどの団体が。
とりあえずは良い時に行ったと思いました。
あのおばさん達の騒ぎ声さえなければ最高だったのに。残念。

金沢へ着いてまずした事は、前回行った時に偶然入った寿司屋さんに予約の電話をかけた事。
でも「お昼は12時からなので予約は必要ありません」と言われ
12時50分にたどり着けば、「今日の分はもうありません」と。
ここで2度目のキレ。だから~!電話したじゃないですか。(:_;)
応対に出た仲居さんに美味しい寿司屋の案内を乞い、教えていただいた近くのデパ地下の老舗のお寿司屋さんへ。
まぁ、美味しかったから良かったけれど。

それから夕方までは、21世紀美術館で建築の展覧会。
この日は一日雨で、数日前に降ったという雪が残る中、薄暗くなるまでいたのに、気が付けばプールの部屋さえ見て来られなかった。

いったんホテルに帰り、主人はもう一か所、芸術村での谷口吉生親子展を見に行き、私は荷物の整理とひと休み。

ホテルに泊まったら、寝る前のカクテルが一番の楽しみ。
その頃、家で留守番のみーは、まるで捨てられた猫のような顔で。

翌日はカラッと晴れ上がり、9時の電車で京都へ向かう。
目指すは同じく谷口吉生氏設計の平成知新館。

まずは腹ごしらえをと座ったカフェの目の前にそびえたつ旧館。
堂々としたレンガ造りの建物でした。

いざ平成知新館へ!

美しく端正なエントランス。

美しい建物を廻る水。

静かな長い廊下、、
でもここで私に許された時間は30分。
国宝の仏像も日本画も全然ゆっくり眺める時間なし。
駆け足で3階まで上がって降りるのが精一杯。
しかもここでもまた、メインの展示会場入り口のソファーに仰向けに寝そべるおばさん二人。
ここでブチ切れ3度目。
でもこれはさすがに学芸員さんに注意されて事なきを得ました。

京都駅から20分ほど電車に揺られ、宇治に到着。
ようやく改装工事の終わった平等院鳳凰堂。
10円玉の裏側の、良く見慣れた風景でしたが、実物はもっと美しく端正で堂々とした佇まいでした。

建物を一周するように歩き、心が晴れ晴れとして行きました。
内部の当時の様子を再現した部屋は極彩色にいろどられ、まさにこの世の極楽浄土。

京都はやはり宇都宮よりは暖かいのですね。
最後の紅葉が散り急いでいました。

参道にあるお茶屋で抹茶尽くしのひと休み。
あたふたしながら、京都駅へ舞い戻り。

夕方4時半に、Twitterではもう長いお付き合いの錦市場の木村さんと、そのお客様でお友達のなんなんさんと初めて逢うお約束にドキドキ!
ようやくお逢い出来て、嬉しくて、写真を撮るのを忘れました。( ;∀;)
お二人から様々なお土産を頂いて恐縮。
1時間と少しでしたが、美味しい珈琲を挟んでとめどないおしゃべりを。
お二人ともお忙しいのに、京都駅までお見送りしていただき、ステキな一日があっという間に終わってしまいました。
木村さん、なんなんさん。楽しい時間をありがとうございました。
今度は一人でゆっくりうかがいますね。

あれからもう1週間。
私の風邪はまだ抜けません。
でも今回の旅一番の収穫は、平成知新館のミュージアムショップで思いがけず人間国宝の染織家、志村ふくみさんの小裂の額に出逢えた事!
「ふくみかるた」と名付けられたものですが、額蔵されているのはここ平成知新館のミュージアムショップのみとか。
やっぱり嬉しくて、何度も見入ってしまいます。

それから21世紀美術館では、建築家の坂茂さんの奥様の坂雅子さんの「acrylic」の指輪をゲット。
四角い指輪ってどうなの?と思ってはめてみたら意外にもおさまりが良くて洒落た雰囲気。

いろいろ不満の多い旅ではありましたが、憧れのツイ友さんに出逢えた事と
この二つをゲット出来ただけで良しとしましょう。

最後に、木村さんからいただいたバッグを、空しどさんでゲットしたリネンワンピに合わせて。
これを着る来春を楽しみに。💚