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嘘つき訪問販売

 おはようございます。最近ちょっと不思議に思うことがあったので、その気持ちをnoteにまとめてみました。
 それもこれもこのお話は今年に入ってから二度目のことだったので、玄関のドアを開けてしまった時になんとなく嫌な予感はしていました。
 背の高い30代くらいの男性、服装はカジュアルで足元はスニーカー、手にバインダーを抱えていました。そのバインダーを見た瞬間、不信感が更に募りました。
 「ネット回線工事のため、周辺に住まわれている皆様にはご迷惑をお掛けしますが…」
(目が死んでる)
 そう思いました。いえ、心と言うべきかもしれません。
 ロボットのように目の前に並べられた言葉をただつぶやいているように見えました。
「工事の影響で通信速度が遅くなることがあります。ーーー周辺の通信回線の状況を調べていて…ちなみに(ルーターは)何を使われていますか?」
 私が答えずに黙っていると苛ついた様子で、
 「〇〇(大手携帯会社)ですかね?」と問われたので、
 「違います」と言うと、ここぞとばかりに契約の話を勧めてきました。
 「すみませんが、あなたはどちら様ですか?」と私が聞くと(ここまで名乗らない)、
「〇〇(大手電力会社)です」と平気で嘘をつく。
 ここまでの話で、前に一度経験した訪問販売の文句と一緒だった事に気づき、
 「社員証見せていただけますか」というと、
 「ありません」とキッパリ。呆れてしまいました。
 その後、「うちは入りません」と半ば強制的にドアを閉めると男性は黙って帰っていきました。
 
 たぶん彼は自分が嘘をついているという自覚はないのだと思います。務めた先の会社のマニュアル通りに話しているだけだと思います。
 そして、そのマニュアルが詐欺のような文面だったとしても、それに対して疑問を持つこともないのだと思います(それが仕事だと思っている)。怖い世の中だと思いませんか?
 彼の仕事は例えお金のためだったとしても、なにか重要なものをお金と引き替えに会社から奪われているような気がしてなりません。
 契約内容もお得だということや無料だということだけを謳った言葉はより一層怪しさが増していくばかりでした。彼らは言葉を操り、お客様のためと言いながら巧みに自分のために(お金のために)人を騙していくのです。
 このお話は分かりやすい例で、世の中にはもっと複雑な方法で人を騙す人がいます。本人がこの人には騙されてもいいと思っているならまだしも、こういう出来事はあってはならないことだと思います。販売のプロなら尚更です。詐欺のプロではないのなら、誤解を招く表現は出来るだけ避けていただきたいと思います。
 人の心はほんの少し油断するだけで、その隙に入ってくるものは無限です。例えそれがあなたとあなたの家族のためだったとしても、人を騙して得たお金などなんの価値もありません。

 「世の中が少しでも良くなるように」など大それたことを思ったりはしませんが、どうかあの会社に勤める人が、自分の仕事に疑問を持ち、考え行動したうえで誇りを持ち、得たお金で家族や友達と美味しいものを食べたり、自分の趣味に使ったり、社会に寄付できたりする世の中になりますようにとだけは抱えたバインダー(マニュアル)を投げ飛ばしてやりたい気持ちをグッとこらえながら、
 「二度と来るなよ!このやろう!」
 と思ったのはホントのお話です。
 


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