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【考察】MFゴーストのアニメはアニメ版と新劇場版のどちらの続編になる…?

2022年1月、頭文字Dの公式な続編漫画である「MFゴースト」のアニメ化が2023年に始まると発表されました。

そこで誰しもが気になるのが、ユーロビートや声優はどうなるのかということでしょう。その辺も含めてさまざまな考察をしていこうと思います。

MFゴーストとは

202X年(頭文字Dの世界からおおよそ15年後説もあり)に日本の公道を舞台に繰り広げられるモータースポーツ「MFG」に参戦する若きイギリス人「カナタ・リヴィントン(片桐夏向)」がトヨタ86を駆り高級スポーツカーを倒していくという、言わば現代版頭文字D。この作品には多くの頭文字Dのキャラが登場します。
現時点ではトヨタ86の改造に大きく関わっているスパイラルの奥山広也、高橋啓介、史浩(上祐史浩)、中村賢太、松本修一のレッドサンズメンバー、池谷、イツキ、健二の秋名スピードスターズのメンバーは姿ありで登場し、高橋涼介、秋山渉、小柏カイ、池田竜次が声のみ登場しています。

頭文字Dという作品について

頭文字Dには二つ(正確には三つ)の映像シリーズが存在しています。一つは1998年にスタートし、2014年に完結したアニメ版。もう一つは2014年から16年にかけて3部作が公開された新劇場版です。
1998年にスタートしたアニメ版(通称ファーストステージ)は、セル画アニメでありながら、車の動きは3DCGを活用。これに加えスーパーユーロビートやキャストの熱演もあり、深夜アニメでありながら大人気作となりました。夜間帯でありながら視聴率は驚異の数値を叩き出し、20話では視聴率4.5%、14話では占拠率46.6%を叩き出しました。つまり、夜テレビをつけている家庭のおおよそ2軒に1軒が頭文字Dという計算です。そして平均視聴率3.5%。とてつもない異例な数字とも言えます。

参考
 https://twitter.com/KanadeRinsan/status/1227108360618532864

その後もシリーズは続き、1999年にセカンドステージ、2001年にサードステージ、2004年にフォースステージ、2012年にフィフスステージが放送され、2014年のファイナルステージをもってアニメ版は終了。2013年に終了した原作の最終回まで全てアニメ化しての円満終了で、メインキャストは誰ひとりとして欠けることなく走り抜けた16年でした。


一方の新劇場版(以下新劇)は2013年の頭文字D最終回にて発表された「誰も見たことがない頭文字D」として高橋涼介戦までをベースに3部作として作成された映画。この映画はアニメ版のスタッフを一新。声優も16年間続けたキャストから若手にチェンジ、BGMもスーパーユーロビートを廃止、車のCGや挙動もアニメ版と大幅に変化しました。

頭文字D新劇場版のファンからの評価は低い  

新劇は大不評に終わりました。興行収入は3部作合わせてもアニメ版劇場作のサードステージにすら勝つことができていないようです(パチスロ頭文字Dの記事を参照)。
 https://note.com/meeke5/n/ndaa45d412b22


この映画はユーロビートがないのもそうですが、評価を大いに下げたのは声優交代。アニメ版の最終回であるファイナルステージ第4話の放送は2014年6月、この映画の公開は2014年8月23日(というかキャスト交代発表は5/14でありファイナル放送直前)。この間わずか2ヶ月。ファーストのリメイクならば16年ぶりとなりますが、そのファーストの続編がついこないだまで放送していた事から、このキャスト交代には批判が殺到。
リメイク作品で声が変わるのはよくあることですが、わずか2ヵ月という短いスパンで変えたことが一番の原因でしょうか。過去にドラえもんがキャストの高齢化で変えたことはあったものの、アニメのキャストは40代が中心であることや、ファイナルでもファーストより声は変わってはいるものの、昔と変わらない演技をしていたことから声優を変える必要性を一切感じませんでした。
またこのキャスト変更の理由は今もなお公式から一切声明がありません。変更理由については関智一氏がラジオで触れた程度です(詳しくはパチスロ頭文字Dの記事を参照)。最近アニメ化された閃光のハサウェイですら変更すると声明を出していたのに…。

と…声優についての不満点を述べてきましたが、新劇はそれ以前の問題が山積み。声優が違う!ユーロビートがない!と叩いてるのはにわかだと思っています。  


私も新劇のアンチの一人です。アニメ版を長年見てきましたし、思い入れのある作品なのでキャスト交代は「あり得ない」の気持ちが強かった。キャスト交代の時点で見に行くのを断念し、レジェンド2の映画PVでさらにショックを受け、レジェンド3の腐女子向け付録でこの作品は二度と見ないと心に誓いました。 

↑腐女子向け付録


しかし、見ずに批判するより見て批判してやろうと思い、2019年に新劇を一通り目を通しました。 

個人的な感想としてはこれはこれであり。ただ、原作やアニメ版は別物かなかったものとして考えるべき。頭を空っぽにして見るべきだと。言い換えれば頭文字Dを知らない人にはオススメできる作品。つまり入門作として見るならちょうどいいかなと思いました。現に、映画批評では70点を獲得しているのでね…。
ただ、原作ファンやアニメ版のファンにはオススメしにくい点が多くあります。原作とおおきく異なる点が多いことや、バトル中に拓海が叫び出す、199X年とは思えない登場車種、援助交際シーンカットのヒロイン、それどころか法に触れる発言や行為はマイルドになっている…と色々と規制されていることや誰得要素しかないからです。挙げるとキリがありません。
特に拓海は原作やアニメの雰囲気とは真逆の熱血漢にされていたこと、帰り道の紙コップに水が入っていたこと、キンコンが鳴らなかったこと、裸ポスターは言いたくはありませんがクソです。
 

なぜか啓介とのバトルに紙コップと水が入っている。原作読んでたら絶対に間違えない、というか間違えちゃいけない

ですが、アニメ版とは違うってことを明白にするのためにやっていると考えることもできます。ユーロビートがないこと、キャスト変更したことが新劇の強みであるのです。私もこれはこれで面白かったですし、これの続きも見てみたいですから、スタッフは作り上げた映画に誇りを持って欲しかったです。

もっともっと言いたいことはありますが、こちらのサイトに言いたいことの7割は書いてあるので、ぜひ見てみて下さい。

 https://trend-tracer.com/initiald/

しかし公式自らが認めてしまった

ですが2020年、作品のスタッフからも声優交代は不評だったと記事にされました。 

「しかし、14年に公開された三部作の新劇場版では、キャストが総入れ替えに。主人公の藤原拓海役は三木眞一郎から宮野真守に、また人気キャラクターの高橋兄弟は、兄・涼介役が子安武人から小野大輔に、弟・啓介役が関智一から中村悠一に変更されました。ベテラン声優からイケメン声優に入れ替わったのは、女性ファンを取り込もうとした狙いが見え見えなだけに、ファンの間で物議を醸したんです」(同)

この露骨な交代劇は、ファンはもちろん、「スタッフサイドからも評判が悪かった」(同)ようで、結果として「失敗」に終わってしまっている。

「女性ウケを意識したあからさまなキャスティングは、『頭文字D』の人気を支えている男性ファンはもちろん、女性ファンからも総スカンを食らい、人気声優を揃えたものの、興行的には振るいませんでした。なお、オリジナルキャストの三木は、現在も作中で拓海が所有する“ハチロク”ことAE86型トヨタ・スプリンタートレノに乗っているほどの、大の車好きとして知られています。しかし、三木から役を引き継いだ宮野は映画出演当時、自動車運転免許を持っていなかったため、『車好き』で『イニD愛』が強い三木と比較されてしまうという残念な形となりました」

https://www.excite.co.jp/news/article/Cyzowoman_280655/?p=2

さらに2021年より新劇をベースに稼働したパチスロ版では当たり前のようにユーロビート(それどころかアニメ版の主題歌を使う、さらに新劇で描かれなかったエピソードではアニメ版の名台詞を丸々パクる)を使用。

新劇をベースにしておいてアニメ版の名台詞「もうサンダルなんてはかない」を丸パクり、言わばアニメ版のいいとこを横取りしてる感じしかしない…

そして2022年1月に発売される新劇のバトルダイジェストDVDではバトルシーンにユーロビートを使用しました。公式からユーロビート不採用は間違いだったと言ってるようなものです。本当にショックでした。

アニメ版のファンぶちギレ案件が多発

2020年以降はアニメ版のファンが度々キレる案件が多く起きました。

・新装版コメント帯


2020年より頭文字D新装版が全24巻、1ヵ月に3巻づつ発売されました。1巻から6巻までは新劇の声優(宮野真守、中村悠一、小野大輔、白石稔、内田真礼、諏訪部順一)によるコメントが帯に載せられました。これらは公式twitterにも公示され、ネットニュースにもなりました。これについてアニメ版のファンは「三木眞一郎や関智一のコメントを載せて欲しい」「新劇のキャストに聞くならアニメのキャストもいずれ聞くだろう」との声(中にはこいつらに聞くなと批判的なものもあった)がありましたが、結果を言うとアニメ版のキャストのコメントが帯に載ることはありませんでした。7-21巻は全てMFゴースト関連の帯。最終の22-24は土屋圭市、織戸学、谷口信輝の頭文字Dに関わり深いドライバーがコメントを寄せたものの、頭文字D公式は一切無視。この3人よりも声優のコメントが大事なんでしょうか? 

無視されたレーシングドライバーのコメント

・総集編がボイスなしで炎上 


2021年3月、頭文字Dの5thとファイナルの総集編である「バトルステージ3」が発売されました。2014年に終結したアニメ版から7年の月日を経ての発売であり、発売告知当初はアニメ版のファンは大喜び。誰しもが三木眞一郎の拓海の声が聴けると思っていたでしょう。しかし現実は甘くはなかった…。バトル中はキャラクターが一切喋らない。車のエンジン音、スキール音、ユーロビートはあるのにただ無言でバトルをする。そうです。キャラクターボイスは全て削除していたのです。
これまでバトルステージは2作品存在しますが、それぞれキャラクターは喋っていました。しかし、今作にはそれがない。しかも、キャラクターボイス未収録は通販サイトや公式は一切掲示されておらず、パッケージの裏に小さく記されているだけ。この詐欺じみた発売には数多くの頭文字Dファンがブチギレし、通販サイトでのこの商品の評価は総じて低くなっています。

消費者の手元に届くまで知らされなかった声は無いという表記、パッケ裏に小さく書かれていた…


声削除の理由は明かされておらず、新劇への忖度とも言われましたが、これに関しては完全なる大人の事情ってやつだと思われます。なお、2022年には新劇の総集編が発売されますが、こちらはボイス収録を事前告知しています。

個人的にこの2つは酷すぎます。アニメ版がどれほどの作品ファンを作ったのか分かってない…。

どっちの世界を採用する?

さて本題です。頭文字Dの公式な続編として描かれているMFゴーストはどちらの作品がベースになるのかということです。PVを見る限りだとナンバープレートや車の描きかたからして、アニメ版の製作陣ではない模様。新劇の世界線で製作される可能性が高いようです。
ですが、新劇の世界線を採用するといくつか問題がでてきます。新劇は「高橋涼介まで」しか描かれていません。これは物語の1/10程度。小柏、秋山渉、池田、奥山とのバトルは新劇としては映像化されておらず、ただの拓海や啓介とバトルしたことがあるらしいオッサンでしかないわけです。
また、新劇基準になると声優交代は確実に行われ、新劇に登場しないこの4人も新しいキャストになります。しかし、新劇でのバトルシーンは無く、拓海とバトルしたという前提で新声優は演じざるを得なくなります。何というか、それだとキャラの重みを感じません。ちなみに、この4人のアニメ版の声優は小柏が神奈延年、秋山が松本保典、池田が中井和哉、奥山が阪口周平で今もなお現役で活動しています。

頭文字DとMFゴーストに登場したキャラの担当声優一覧
高橋啓介 (関智一→中村悠一)
高橋涼介 (子安武人→小野大輔)
史浩 (細井治→福田賢二)
中村賢太 (岡野浩介→成家義哉)
池谷浩一郎 (矢尾一樹→土田大)
健二 (高木渉→勝杏里)
武内樹 (岩田光央→白石稔)
・新劇未登場
小柏カイ (神奈延年)
秋山渉 (松本保典)
池田竜次 (中井和哉)
奥山広也 (阪口周平)
松本修一 (西凜太朗)

現時点ではキャストについてはどうなるかは分かりませんがアニメ版声優の起用を期待する声が多くあります。何せ、頭文字Dのキャラが加齢した状態で登場する上に、2023年はアニメ版から25年の節目の年であるので、適役であるのは間違いないでしょう。というか、新劇自体がアニメ版からの若返りのためにキャスト変更したのにそのオッサンの姿も若返りしたキャストとなると本末転倒な気がします…。ちなみに、頭文字D THE ARCADE(AC)のMFゴーストコラボPVではアニメ版ナレーションと史浩役であり、ACでもナレーションの細井治さんが勤めています。

また、考えられる世界線としては新劇の世界でもアニメ版の世界線でもない第三の世界線、原作の世界線の可能性も存在します。ACの世界はナンバーこそは新劇ですが原作の世界をメインにしているからです。もしそうなるならば、頭文字Dから続投するキャラの声がアニメ版でも問題はないのではないでしょうか?

また、ユーロビートが採用されるかどうかですが、パチスロや新劇ダイジェストがユーロビートなので心配はいらないと思います。

個人的に思ったこと

・ANEST IWTA

よく見るとアネスト岩田がIWTAになってます。ただのミスでしょうか?

・86のワイパー
よく見るとワイパーが左ハンドル仕様になっています。というか、同じようなミスが新劇PVでもあったんだよなぁ…。

・自動車エンブレム

PVには北原のアルファロメオ、赤羽のフェラーリが登場しましたが、エンブレムが別のものとなっています。これは自動車メーカーから許可が降りなかった可能性が…?ちなみに86のトヨタマークは本物です。
過去に頭文字Dファーストステージでは本物のマークが使えずに「TORENO」になっていたり、ホンダのマークはただの四角になっていたりしたことはありましたが、セカンド以降は全て実在するものとなりました。(ただし、TOYODA、HONDE という看板は登場した)

・ウェッジリンクとのCG比較

アニメ版最終局面のCGを担当したウェッジリンクは、実車が走っているかのような動きでしたが、新劇では原作の感じを尊重し、しげの先生の書く線や粉が多く多用されていました。今作のPVではその線や粉が見受けられます。

・VARTの存在
2019年より、頭文字Dのアニメ版音響の三間雅文と三木眞一郎らによって声優レーシングチームのVARTが結成されました。そのマシンのスポンサーのなかに、頭文字DとMFゴーストが含まれています。であるため、VARTのメンバーが今作に関わってくる可能性は高い…はず。  

2023年どうなるか

私もMFゴーストは読んでいる人間なので、アニメ化は楽しみにしています。あの頭文字Dの続編ですから、失敗は許されないでしょうし、製作陣には期待はしています。
あのアニメ版から25年の節目の年です。きっとアニメ版のキャストが再び演じてもらえることを期待しています。

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