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頭文字D、パチスロ化!…も

2020年秋、人気車漫画の頭文字Dがパチスロ化することとなり話題になりました。
しかしその内容に一部の頭文字Dはファンは失笑してしまいました。

なぜ彼らは失笑してしまったのか?

原作、アニメ、実写と全ての頭文字Dを見てきた私が解説したいと思います。

頭文字DなのにAT?

パチンコスロットは様々な機種が存在し、今回の頭文字DはA+AT型というタイプです。(私はパチンコをしないためATと言われても詳しくは知りません)
そのため「リアルボーナスがATで加速する」と売り文句には書かれています。

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しかし、車好きからしてみたらATといえば「オートマチック車」の略。頭文字Dの登場車種は「AT(オートマチック)」ではなくAE86トレノやRX7といった「MT(マニュアルミッション車)」しかありません。「頭文字D」で「AT」を売りにするとなると、パチンコを知らないファンからしてみたら混乱する要素でしかありません。頭文字DではATをバカにする発言があるためです。

オヤジの車はオートマ(AT)でFFで、おまけにエンジン、ディーゼルなんだぜ。最低だよ、車じゃないよ、あんなの。(武内イツキ)

まぁ、これは仕様なので仕方無いかもしれませんが…。

拓海が負ける

パチスロ作品によくありがちなこととして、作中では最強なキャラクターがパチスロだと負けまくるという現象があるそうで、過去の例であげると「パチンコ・北斗の拳」。主人公ケンシロウは原作では最強を誇ったものの、パチンコではラオウはおろか、カーネルにも負けるような弱いケンシロウになっているそうです。
今回の頭文字Dのパチ化で懸念されるのが「拓海が負ける」ということ。
今回のパチスロでは「絡んできた走り屋」「高橋啓介」「中里毅」「庄司慎吾」「高橋涼介」「碓氷のシルエイティ」「須藤京一」とバトルするようです。主人公の藤原拓海はこの登場キャラには例外を除くと全勝しています。
(追記21/06/15) これに加え原作1話でセガラリーを仕事前にやってましたが、これもミニゲームとして存在しているようで、これではイツキとバトルするようです。

(ちなみにその例外は須藤京一との最初のバトル。色々とあって赤城山に乗り込んだ拓海は京一のランエボにバトルを挑むものの、マシンがエンジンブローを起こしてしまい勝負は事実上京一の勝利となりました。)

しかし、パチスロはそう簡単に勝たないのが現実。原作では最強の「秋名のハチロク」が高橋兄弟はおろか、中里や慎吾にも負けるというのは原作ファンからしてみたら納得いくものではないでしょう。
もちろん絡んできた走り屋にも負けるらしく、「イツキがハチゴーをバカにされる」→「キレた拓海がハチゴーに乗って追いかける」→「結果的に負ける」という超絶ウルトラクソダサ拓海を見れることになります。

声優について

パチスロではフルボイスが採用されています。今回は2014年から2016年にかけて劇場上映された新劇場版の声優が起用されています。パチスロメーカーのサミーが新劇場版のスポンサーについていた所以でしょうか。
新劇場版はネットでは不評で多くのアンチが存在しています。興行収入も1作目が不明で2、3作が1億500万円程度であるため、3部作合計してもアニメ版劇場作の「頭文字D Third Stage」の5億2000万には残念ながら勝ってなさそうです。
(21/06/15追記) アメリカ版Wikipediaによれば1作目の興行収入は7300万円だそうです。ただし、ソースを見た感じだと信憑性は微妙なところではありますが…。もしこれが本当なら結果的にトータルで2億8000万円。サードステージのおおよそ半分くらいになります。


この新劇場版が不評な理由の一つが声。
1998年から2014年まで放送されたアニメ版では主人公拓海は「三木眞一郎」氏。高橋啓介は「関智一」氏。高橋涼介は「子安武人」氏が演じていました。一方の新劇場版では拓海は「宮野真守」氏、啓介は「中村悠一」氏、涼介は「小野大輔」氏が演じています。

この新劇キャストは2014年のアニメ版最後のシリーズとなる「ファイナルステージ」の放送数週間前に公示されました。当時は新劇もアニメ版のキャストが続投すると誰しもが思っていただけにこの声優降板にはガッカリしたファンもかなり多かったと思います。
それどころか、文太や秋名スピードスターズのメンバー、ナイトキッズ、インパクトブルーも全て声が変わるという事態。2014年の時点でアニメ版のレギュラーキャストはバリバリの全員現役声優でした。ファイナルステージでは頭文字Dの登場人物が全員登場し、舘智幸以外の声優は過去に演じた人物が起用されていただけに、この意味不明なキャスト総取っ替えには不満が出るのは当たり前といっても過言ではないでしょう。

ちなみに啓介役の関氏は後年ラジオにて「ドラマCDとアニメでキャストが違うことがあるが理由はなぜか」という質問に対して「一からやり直したかったから、個人的には仕方無い」と答えており、その代表例に頭文字Dを挙げています。

なお今回のパチスロでは、新劇場版に登場しなかった須藤京一が声ありで登場します。アニメ版では田中正彦氏が演じていますが、このパチスロでは誰が誰が演じているのかは現時点では不明です(ネット上では安元洋貴氏ではないかと言われていますが)。

(21/06/15 追記)

アニメ版シルエイティ編の最後にて真子が「もうサンダルなんて履かない」というセリフがありますが、これはアニメオリジナル。原作の同じシーンは「女としての魅力がないってこと…?」と発しています。しかし、パチスロ版ではどういうわけかアニメ版のセリフが採用されています。新劇場版の声なのにアニメ版のオリジナルセリフを使われるとか個人的にはショックです。新劇とアニメの世界は別。新劇基準なら原作のセリフでやってほしかった…。

BGMについて

新劇場版が不評な理由は声だけではありません。アニメ版ではBGMに「スーパーユーロビート(SEB)」をBGMとして採用しました。これが大当たりで、3DCGの車による白熱のバトルを熱く演出してくれました。が、全てを一新した新劇場版はBGMにSEBではなくロックを採用。これによりユーロビートに乗せた白熱のバトルシーンもグランツーリスモのリプレイのようななにかが足りない感じになってしまいました。
「声は変わってもよかったけどSEBは残してほしかった」というファンの声も多数ありました。

今回のパチスロでは新劇のロックではなくアニメ版のSEBを採用。「SPACE BOY」をはじめ、アニメ版EDであるmoveの「Rage your dream」も収録されています。

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SEB収録には頭文字Dのファンも喜びの声も聞こえました…が、やはりSEBといえばアニメ版であるため、三木眞一郎氏らアニメのキャストでやってほしいという声もありました。やはりアニメ版と新劇は別もの。今回はアニメ版BGMなのに声が新劇という状況、ドラえもんで例えるならわさびドラなのにBGMはのぶ代ドラのようなもんです。不満が出るのもしょうがないですね。

2020年末にカービデオ雑誌のHot-Versionがyoutubeにパチスロ頭文字Dの特別映像を公開。拓海vsインパクトブルーとのバトルの場面に「Wings of fire」の日本語版がBGMに流されていました。この曲は頭文字Dのアニメ版にてインパクトブルー(真子&沙雪)の声優である根谷美智子氏とかかずゆみ氏がキャラソンとして歌った曲です。今回は根谷・かかず両氏ではなく、新劇声優で再録しているようです。旧アニメのキャラソンを新声優が歌い直すって前例あるんだろうか…?

拓海の性格

新劇を見ていて驚かされるのが、拓海の性格が違うという所です。原作ではボーっとした感じの性格であり、アニメ版では三木眞一郎氏が上手くその拓海を演じていました。
しかし新劇での拓海は宮野真守氏の熱すぎる演技もあり、熱血漢が強調されているのがあまりにも残念でした。作中でやたらと叫びまくるんです。慎吾とのバトルにて「テメェみたいなカスにはぜってー負けねぇからな」という台詞は静かにキレるアニメと大声で怒鳴っている新劇で真逆になっていたのがとても印象的でした。
このパチスロでも「一確だぜ!」と熱い宮野氏の拓海が観ることが出来ます。新劇知らない人が見たら拓海のキャラの違いに驚くのではないのでしょうか?

偽車

この頭文字Dのパチスロで一番の失笑を買ったのが登場車種がニセモノということです。AE86もFDRX7もシルエイティもです。パチスロだけにパチモンです。
まぁ、パチンコという18禁の大人の遊びに自動車メーカーが使用許可は簡単には下りないでしょうからこればっかりはしょうがないですね。

トノレ AEパチロク(仮称)

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パッと見そんなに変わってないかもしれませんが、ライトが丸型でサイドのウィンカーライトの位置も変。

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テールは大きく変わっており、ナンバープレートの位置が下に移動しました。新規映像?当たり前だ!
(21/06/15追記)ちなみに、インパクトブルー以降の映像は全て新規のようですが、それ以前の映像は一部新劇を使い回しているようです。ただ、実車の登場シーンは全て偽車に刷りかわっており、ほぼ8割が新規映像のようです。

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前の姿はサバンナRX7、後ろの姿はピアッツァ、ラングレー、サバンナRX7などとも言われています。ちなみにパチスロでは「ハチロク」って台詞があるんだとか…?ええんかこれで…。
(21/06/15追記)偽車であるため、車の名前は一切出てこず、一部の名セリフには訂正が加えられてるようです。例をあげると「曲がる!曲がってくれ!俺のハチロク!」が「曲がる!曲がってくれ!」になっています。

(21/07/30 追記)…と書きましたが、ハチロク、ハチゴー、エボスリーなど本物の車の名称は使っているようです。どこからどうみてもニセ車なのに…。

ちなみにtwitterではこのパチロクを実車として再現する猛者も現れています。
https://twitter.com/yawarakame1/status/1343874065350586368

R✕7 FD(仮称)

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あれ?似てる?

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と思いましたが、微妙に違う。でもマシなほうかもしれません。

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テールはFD特有の繋がってるテールランプが繋がっていません。

R✕7 FC(仮称)

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やたらと昭和感が増しましたね。前の姿はサバンナRX7やユーノスロードスター似ています。後ろ姿は90年代のFR車を感じます。

ツノレ工イティ(仮称)

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180SXとS13のニコイチ車というより、プジョー406に似ていると称されています。

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ちなみに原作では貼られていない「IMPACT BLUE」というステッカーが貼られています。インパクトブルーは通り名であってチーム名じゃありません。製作陣は原作読んだのか?これじゃ拓海の86に「秋名のハチロク」ってステッカー貼ってるようなもんだぞ?

ヨG6ツビック(仮称)

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似せる気無し。これがシビックとか一目じゃわかりません。
これには試打した青山真将樹氏も苦言を呈しています。

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ラソサー工ボリューションⅢ(仮称)

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なんというか、インプレッサ感を感じるランエボになっちゃいました。
ちなみに原作で拓海と須藤京一とのバトルは涼介→シルエイティ→ケンタ→清次→京一(敗北)→渉→京一という順番であるため、このバトルは敗北した赤城山でのバトルかな…?と思っていましたが…。

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背景の紅葉からしていろは坂でのバトルのようです。飛びすぎぃ!

…というか、このパチスロでは「ブラインドアタック」「藤原ゾーン」「白い羽」が出てくる時点でこんなのへったくれもないです。京一とバトルしたら次でいきなり信司とバトルしてもなんの違和感もないでしょう。てかいろはナンバーはいくらなんでもダサイな…。

Rョ2 G丁-R(仮称)

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なんというか…惜しい。

レビソ AEパチゴー(仮称)

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あれ、違和感なくね?と思ったら後ろがパチロクと一緒。まぁトレノとレビンは兄弟車だから仕方無いか…。ちなみに、池谷のシルビアや健二の180SXのニセモノも登場してきますが、現在画像探し中です。ツノレ工イティと似ているそうですが、180SXに関しては丸目ライトで気持ち悪い顔をしているそうです…。

最後に

これはこのパチスロに対するネガキャンではありません。
私はパチンコはやりませんが、このパチスロの必勝法動画を出していた嵐さんのプレイ動画をみていると意外と楽しそうに見えました。やりこんでたら声や偽車も気にならないかと思います。twitter等を見ていると、気になっている人や打ちたいという人も多く見受けられるため、頭文字Dのパチスロはヒットすると私は予想します。

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