マッチングアプリで出会った男性のこと①

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2人目の男性は、ニックネームが花に関係するものだった。
プロフィールの写真数枚の中に、自分の写真は無かったけれど、
花や、花畑や、山の写真の風景がのどかで、
「こんな景色を写真に収めようと思うのだから、きっと優しい人なんだろうな…」と思った。
あちらから「いいね」をくれたので、こちらも「いいね」をしてマッチングが成立した。
その直後にリアクションは無く、次の日に「いいねありがとうございます」
というメッセージが届いた。

在住している県は同じだったので、どの辺りに住んでいるのか聞いてみると、50km以上離れた市だった。
でも、私の住んでいる市の近辺は、なんだか狭くて、
ちょっと話をすると知り合いに繋がってしまうので、
それくらい距離があった方がいいかもしれないと思った。

なぜそのニックネームにしたのか聞いてみると
「花が好きだから」とのことだった。
花が好きなんて、素敵な男性ではないか。
年は7歳下。
私もプロフィールに自分の写真は載せていないので、
マッチング後に送ってみた。
「俺も送ってよさそうな写真探してみるよ」との返事だった。
自撮りをするようなタイプではないんだな…
探さなきゃ簡単に出てこないくらい…

後日送られてきた写真は、個性的な髪形をした、
目が大きくて綺麗な顔立ちをした写真だった。
「かっこいいかも…」

やりとりは、長く続かない。
それどころか、初日以降は、1日に1回しか返事が来ない。
前日の私の質問の答えが届き、私がまた質問する、1ターン。
それが毎日。
そんなに忙しい仕事なんだろうか?
「小売りの仕事だから平日が休み」
と、プロフィールに書かれていた。
でも、私が、「〇〇が好き」などというと、
それについて検索するらしく、
次の日に感想などが送られてきていたので、
「ちゃんと私に興味を持ってくれているようだし、きっと真面目な人なんだろうな…」と思った。

私は、1人目のM君の、
メッセージのやりとりで出来たイメージと実物が大きく違うショックの経験から、長くやりとりをしてイメージができてしまう前に会いたいと思うようになり、その彼にそのように伝えた。

M君に最初に提案して断られたK珈琲で平日の昼間に会うことにした。
彼の住む市と私の住む市の中間地点辺りにある。
M君と最初に会おうとしたのも、まさにその場所だった。
モーニング終了の11時までに入店すると、注文した飲み物にトーストがついてくる。
11時前に入店出来るように、10時45分に待ち合わせた。
私の方が早く着き待っていると、
「少し遅れます」とのメッセージ。
「11時過ぎちゃうと、食べ物が別料金になっちゃうんだけどな…」

なんとか、11時になる前に、それらしき人が乗った車が駐車場に入ってきた。
軽のワンボックスタイプの車だった。
綺麗な車ではなかったし、なんだかいろいろとお道具が積んであった。
下りてきた男性は、背が低めで、太っているというほどではないけれど、
少し肉付きが良くて、お腹が出ていた。
え?この人もジャージ?
マッチングアプリで会う人は、最初に会うときはみんなジャージなのか?
近くまで来て良く見ると、ジャージではなかったけれど、
部屋着のようなヨレッとした服。
パンツは迷彩柄で、個性的…
写真で見るよりも目がクリクリしていて、ビー玉のようだ。
顔はかっこいいが、とても日に焼けていて、
写真のイメージとはまた違っていた。

K珈琲には来たことがないのか、飲み物に付いてきたトーストを見て
「この値段でこんなの食べられるの?安い!」
と、驚いていた。
珈琲が高いから、よく考えるとそう安くはないのだけれど、
独り身で外食が多いと、そう感じるものなのかな…

他にマッチングした人に会ったのかを聞いてみると、
私が初めてだとのこと。
マッチングしてずっとやりとりしている人はいるけれど、
会おうということにならず、
相手はただの暇つぶしなのかもしれない、と、言っていた。
「会いもしないから話すこともなくなってきちゃったんだけど」

1日1ターンなのは、なぜなのか聞いてみた。
「1日1回しか返事しないって決めているんですか?」
あ~言われてみれば…と、意識したりわざとそうしているわけでは無い様子。
これが男ってもんなのかな。

仕事は、園芸店で植物や肥料などを売っているとのことだった。
お客さんにうまく説明したり勧めたりするための勉強のために
畑を借りて、花や野菜や木を植えて、育てているとのこと。
休みの日は、畑で1日過ごしてしまうことが多いと言っていた。
休憩したり昼寝が出来るように、自分でミシンを使い、テントを作ったらしい。
そこでゆっくりするだけで癒されると…
そのまま朝まで寝てしまうこともあるとのことだった。

毎日ではないけれど、作った野菜で自炊もし、
平日は仕事が早く終わると、運転代行の仕事もしているとのこと。

最初からその仕事だったのか聞いてみると、
ロボットに興味があり、高専へ進学後、
大学へも進んでそちらでは建築の勉強。
住宅会社に就職し営業をやっていたけれど、会社がなくなり、
今の仕事をしている。
今の仕事が気に入っている様子。
だいぶ最初の仕事とは畑違いだけれど、
好きな仕事に出会えたのなら、それでいいでしょう。
趣味も楽しくやっているようだし。

でも、休みの日にそんなに1日中畑仕事をしていたら、付き合うことになってもデートする暇なんてなくない?
私も畑を手伝えばいいのかしら…?
たまにはいいけど、毎週は嫌だな…

父母は健在で、結婚して家を出た弟と、独身で実家暮らしの妹がいるとのこと。
家族との関係も聞いてみると、疎遠でもなければベタベタでもない。
とても理想的。
プロフィールにも書いてあったけれど、
結婚経験も無く、結婚願望もなく、
今はパートナーが欲しいだけ、らしい。
私も特に再婚したい!とか思っているわけではないから、
ちょうど良い。

話もはずんで、あっという間に時間が過ぎ、
彼が美容室の予約をしているとのことだったので、お別れをした。

後からメッセージのやりとりで、「話しやすかった」と言ってくれ、
「また会いましょう」ということにはなった。
でも、なんとなく、こちらからお誘いする気持ちにはなれなかった。
日にちを決めるやりとりにも1日1ターンで時間がかかったし、
ちょっと面倒に感じた。
いついつどこで、と、あちらから具体的に提案された日に、
自分の都合が良かったら、会ってもいいや、って感じかな…

作っている花の写真を送ってほしいと頼んだので、後日約束通り送ってきてくれた。
なかなか本格的な畑で、本当にいろいろな種類の野菜や花を作っていた。
これは確かに、休みの日にお手入れで1日かかりそう…

やりとりはまた1日1ターンになった。
私もなんだか、質問することもなくなった。
自分の派遣の仕事の話などすると、
「仕事探すの大変そう。俺みたいに代行とかやった方が稼げるのに」
と言っていた。
代行なんて、絶対にやりたくない仕事だ。
運転中や移動中はまぁいいとして、
待機中に誰かと狭い空間にずっと一緒にいなければならないことを想像しただけで、ゾッとする。
そうは言わなかったけれど、私には合わなそうだと、別の言葉で伝えた。
他にもいくつか、何かについて
「俺ならこうするな」
というようなことを言ってきたので、
自分の考えはこうだ、という意見を言ってみたら、
メッセージがこなくなった。
面倒くさい女だな…と思われてしまったのだろう。
ブロックはされないけれど、一切メッセージがこない。
でも、全く残念には思わなかった。


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