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否定する前にちょっと知ってほしい話

新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) COVID-19 Contact-Confirming Applicationというものが公開されましたね。

リンクを貼ると、そのアプリにフィーチャーされるのであえて貼りません。今回フィーチャーしたいのは、そのアプリの開発にまつわる、我々技術者よりのIT業界の中の話だ。

国がやるからって藪から棒に叩いて、全てが悪いと判断する思考停止な人たちは、教育とか語らないでほしいと思うくらいに、割とイラッとしてます。

わたし自身、全くこのアプリの開発には関わっておりませんが、このアプリ開発に関わった人々と仲良かったり、少なからず知ってたりするので、彼らの良心とか熱意とか志とか、それを汚す行為を許さん。と思って書いている。

そういう大切な動機を知らずに、消費することしか知らない思考停止な世の中にあえて言いたい。

わたしも含めたエンジニアと呼ばれる技術系の人たちは、日々、誰のために役に立てるか?ということがベースで、何らか世の中の進化や社会的意義に対して役割を全うするために、技術力を磨き、かかわる。

※ちょっと盛りすぎた。爆笑

技術系の会社ってのはたくさんあって、自分たちの技術力をどうにか高め、それをどのように還元するかを考えてビジョンを立ててミッションを遂行し、コミットしていく。

この循環ってのは、この業界の素晴らしいことだと思っていて、わたしがみんな(特に子供たちや学生さん)に、エンジニアになって欲しいなと思うのは、そういう世界に関わってほしいからだ。

技術ありきではなく、社会的な意義や目的があって、そこに技術を使うのだ。

明らかにクリエイティブな行動。どんな人たちが使うのか?何人くらいの人たち使うのか?など、たくさんたくさん想定して、たくさんのデータを処理するための培ってきた知識や最新技術力を、「ボランティア」で、開発に関わる文化がある。

それを「OSS文化」という。

OSSとは、オープンソースソフトウェア(Open source softwareの頭文字をとった略語)だ。

みなさんが既にお使いのシステムやアプリでは、割と普通に使われている。とにかく世界中のたくさんの一般の人たちがその恩恵にあやかってる。

OSSわかんない人はググってくださいね。すぐ出てきますんで。

自分が開発して便利だったソースコード(プログラム)をエンジニアや企業が自ら公開し「好きに改変したり使っていいよー」と、いう文化で、OSのLinuxや開発言語のRubyなども、その文化の中に存在するものたちだ。

これらは、世界中のエンジニアたちが日々、バグを修正したり、良くしようと、仕事の合間に。仕事じゃないんだよ?ボランティアで毎日どんどん更新されている。

そんなOSSを使ったシステムなんか、世界中に死ぬほどあるし、AIという世界でも、Tensor Flowという技術が公開されており、それがたくさんの人たちによって使われてるのが現状だ。

全てが、世界中のエンジニアたちの良心によって進化させられてる。これは、我々の業界の大切な文化だと思う。

言葉が通じなくても、使う技術は一緒。その技術を自分だけのものにするのではなく、OSSとして公開されてきたからこそ、人類のテクノロジーの進化はこれだけ早いと言っても過言ではなかろう。

そんな文化の中で生まれた「COCOA」だ。

それをなんだかんだと、消費「だけ」して、「無料」のものを、「自由」に使うだけ使って、文句だけ言うなんてのは、思考停止も甚だしい。

プログラミング教育や論理的思考なんかより、わたしはこのOSS文化が好きで、この文化こそ子供たちに知ってほしいと思っている。

論理的思考力なんか、そんな中で身につけてくものなんだ。

このアプリには、日本人や厚生労働省だけではなく、GoogleやAppleがコロナと上手に付き合うために、技術力を無償で提供。それらを開発してる有志たちは、Microsoftに勤務してたり、MVPという称号を与えられた優秀なエンジニアたちが関わっている。

OSSという文化のおかげで、企業という壁や人種なんかは超えてるのだ。この文化こそが、我々技術者集団の支えとなっている。

ちょっと調べればわかること。

この業界はもともとそういう文化だからこそ、人種や性別関係なく、わたしも生かされてきたし育てられてきた。

さて、アプリだけど、ただただ、技術にフォーカス当たったり、出どころにフォーカス当たったりしやすいけど、政治がどうとかより、この世の中で、どう豊かな暮らしを担保していけるのか?少しは考えようよ。

関係者のみなさん、本当にお疲れ様でした。こんな人たちと仕事がしたい。こんな仕事の仕方がしたい。こんな人たちが育つ環境に貢献したい。

だからわたしはこの業界に身を置いてると言っても過言ではない。

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