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そう言えばPCRって何だろう?

コロナ、三密、ロックダウンそしてPCR
今年は聞き慣れない言葉をたくさん耳にしますね。

その中でもPCRは理系の研究をしてる人が使うニッチなワードでしたが、
「PCR検査が足りない」「PCR検査を受けさせて」など言葉だけが一人歩きしてる印象があります。

「PCRって何?」ってチコちゃんに聞かれても叱られないように、PCRについて楽しく学んでいきましょう

PCRって何?

PCRとはPolymerase Chain Reactionの略で、日本語に訳すとポリメラーゼ連鎖反応です。

ピンとこないと人もたくさんいると思いますが、簡単に言うと「遺伝子を増幅させる方法」のことです。

コロナウイルスのPCR検査では人の鼻の奥の粘膜から、ウイルスを採取します。その後、PCRの機械で、人には無いがウイルスだけが持っている特徴的な遺伝子を増やします。

ウイルスはとても小さい(約80-200nm)ので簡単には確認できません。そこでPCRを行い遺伝子(RNA)の増幅を行い、遺伝子を発見しやすくします。もしRNAが確認できたら陽性、確認できなかったら陰性となります。

偽陰性って何?

テレビで感染者の真陽性率は70%って言葉もよく聞きます。これは感染しているのにも関わらず、感染していないと診断される可能性が30%あると言う意味の裏返しです。これを偽陰性と言います。

ではどうして偽陰性が起こるのでしょか?
様々な原因が考えられますが、大きく分けて二つの理由が考えられます。

1 検体採取
医師などが、疑いのある患者の鼻の奥に綿棒なようなものを入れて粘膜を採取します。この際、感染してるにも関わらずウイルスが付着しなければウイルスを検知できません。

2 PCR検査
PCRは多くの研究者が実験の手法として用いる技術ですが、どんなに慎重に行っても技術的なミスまた試薬の感度によるミスが生じてしまいます。

あらゆる検査に100%はありません。
偽陰性も考慮に入れて医療行為は行われています。

PCRを考えた人は誰?

PCRの技術はウイルス検査のみならず、遺伝子組換など様々な実験に用いられており、科学の発展に必要不可欠な技術です。

これが無ければヒトはコロナウイルスと戦うことすらできていないかも知れません。

こんな凄い技術を考えたのはアメリカのキャリー・マリスという生化学者です。PCRの開発で1993年にノーベル化学賞を受賞しています。

PCRの発見は彼女とのドライブ中に思いついたとか、ノーベル賞が発表されたときはサーフィンをしていたなど数々の逸話を残している化学者でもあります。

ニューヨークタイムズはマリスの発明を生物学を「PCR以前」「PCR以後」という二つの時代にわける偉業であると称したそうです!

PCRについてお分かり頂けましたか?
PCRを取り巻く問題はまだまだ山積みですが、明日からニュースでの見方が少しだけ変わるかもしれませんね。

このnoteは医師監修のもと医療メディアMeduonが制作しています。

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