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私とITと公衆衛生学と:自身の興味とスキルが拡大し続けたMedteriaインターン

大学4年生の終わり頃からMedmainでインターンをしていた医学部生の6年の芳中です。
メドメイン株式会社でインターンをしてました。その中でもMedteriaというコミュニティの設計に関わっていました。

自身の興味とインターン

元々、ITやプログラミングに興味を持って個人で勉強して使ってみたり、大学の部活でのDxに取り組むなどしていました。会計の効率化やナレッジの集約、マニュアルの制定などにより、複数人の集団の環境が良くなるという実感はありましたが、部活などはトップダウンの組織であり、そもそも地方の医学部では、自分よりITやビジネスに詳しい人がほとんどいないような状況でした。
そのため、いつか自分がつけた技術をさらに高める場所に行き、将来はなにかしらそれを使える環境に身を置きたいと思っていました。
そんな中、大学4年生になりCovid-19の影響で外出制限がかかり、ほとんど外出することができなくなりました。
せっかくならと医学の勉強との両立で諦めていたことを一通り勉強して、ここから先は自分1人でどうしようもないだろうという感覚に陥りました。元々興味がありチラホラと取り組んでいたプログラミングやSocial Mediaを使用したマーケティングなど幅広く自分自身で勉強したり、試したりしていましたが、手段としてのそれらの知識は中々活かす場がない状態でした。
また、僕がやっていたことはやはり趣味の範疇を出ず、就活やその後なにかしら形のあるものとして残すことができないのではないかとも思っていました。インターンはこの点勤務経験として書くことができるので、病院での就活の際にも必要に応じて話すことができるのではないかと思いました。
これに加えて、元々地方からはアクセスの難しかった都心のインターンでも今ならフルリモート可なインターンも見つかるのでは…?とネットで検索を始めました。

Medmainでのインターンを決めた理由

インターンはある程度の条件を満たしていればどこでもよかったのですが、IT系でエンジニア以外の形で関わることのできるインターンを探していました。いくつか候補はあったのですが、最終的には元々身近な課題としてあった医学生の課題を解決できるようなサービスをしているMedteriaを運営しておりそこでインターンできることが決め手になりました。
学年の代表の方とも相談して導入決定を検討していたサービスで、弊学にMedteriaが導入されるという話が来た際に、私が感じていた課題をMedteriaチームが持っている課題が近いように感じられました。
また、将来的に課題を解決できるようなミニマムでのサービス運営や起業そのものにも興味があったため、スタートアップとしてある程度の立ち位置にあるMedmainは、それら全てを学ぶ場として非常に最適でした。

インターンに入ってすぐさま感じたギャップ

私は、個人としてある程度のITの知識を得て、そしてそれに付随するマーケティングやビジネスの知識をある程度つけていたつもりでした。このため、オンボーディングにおいてツールの使い方ついて説明されてもすぐに馴染むことができました。
しかし、どのように企画を検討してそれに向けて準備をしていくのかというマーケティングやビジネス面での知識は全く無く、勉強しつつ考え続ける日々が始まりました。
社内での予算を取るために、現状と実行する内容についての妥当性やどれほどの数字が予測されるかということを決めなければなりませんでしたが、そもそもそのような指標を立てたことがなかったため、かなり苦労しました。また、一方でその分野のプロやメンターが使っている言葉が使っている言葉を知らないことが多く、共通言語の獲得やフレームワークの確立に時間を要しました。

  • カスタマサービスとしてどのようなものが必要か?

  • 業務の効果をあげるために、Notionの改修が必要

  • データ分析をするための下地があった方がいい

などというような派生するような業務を検討することになり、インターン生の裁量に驚きつつも範囲が広がるほど知る必要があることが増え、知らないと気づくことが増えました。
一方説明する際には、自分自身で行っていた際には、散発的に技術を身につけていたことから、何となく必要そうでしたら試していましたし、根拠がある場合にも他人に説明をする必要がなかっため、数字を予測して根拠を持って説明するということがまるでできませんでした。
しかし、社内で許可を取るために説明していくうちに、徐々にどのような考え方をしてどのように提案・実行していけば良いのか分かるようになりました。
同時に、最初は、1つのタスクを行い、それが個人で完結するものが多かったのですが、次第に複数の業務をこなしたり、他の方々と協力することも増えていきました。

オーナーシップと裁量

最初は、インターン組織ができて日が浅かったこと、僕が所属していたチームの人数が少なかったこともあり、目についた仕事をこなしていました。このため、自身で完結するレベルのお仕事も多かったです。(1つずつ学べるように調整されていました)。
しかし、マーケティングの考え方を身につけ、ある程度慣れたことで、「〇〇という施策を行いたい!」と思った場合社員のような裁量をもたせてもらえるようになりました。
フルタイムで働いているわけではないので限られた時間の中で、効果の予測やコスト等を検討して、それを説明し許可を得つつ、会社の内外で多数の人と関わっていきました。インターン組織自体が少数精鋭であったことから各部署それぞれに直接説明等に伺うことも多かったです。
一方、プロダクトの方針や根幹の設計を決める際にもユーザーとしての意見を他のデザイン等の総合的な知識と組み合わせながら説明することで、自分のドメイン知識を活かしてお仕事をすることができました。

個人レベルのITと企業でのIT

他方、上記の業務を効果的に行うためには、諸々の技術が必要となりました。個人レベルで必要のないものの代表的な例としてデータの分析があります。企画を立てて終わりでは無く、そのデータを振り返し、次に活かしデータを根拠とするために自身で表計算ソフトで関数を組んだり、コードを書いたりし、必要がある場合には分析のためのクエリをSQLで書いていました。
SQLはプログラミング言語とは異なり、データの手続言語であり取得はそれほど困難でなく他のインターンでは、インターン生が書いている場合もあると先輩インターンから聞いて挑戦しました。
他者と共に働いているため、メンテナンスや使い勝手の良さ、実装までの時間などを考慮しつづ仕事やチームに合わせたものを作ることで、業務が上手くいったときには非常に嬉しかったです。
また、開発側のデバックにも参加することで多方向からプロダクトを見る経験ができました。バグという見える現象が起きていても実際に何が起きているかは状況ごとに異なります。
デバック経験を通してエンジニアがどのようにトラブルシューティングを行うか知ることができました。

愉快な仲間たち

インターンをした最大のメリットのうち1つは、これです。狭いコミュニティで生きる医学生にとって様々なバックグラウンドの人と知り合い、共に活動することはあまりありません。
起業を考えて、海外へ行く人。元々海外で医学生として活躍していた人、ベンチャーキャピタルの世界で活躍したいと思っている人、その他優秀でやる気の溢れる後輩達に揉まれ、築き上げられながら過ごしました。
この期間の間に自分の大学の後輩ともチラホラとお話しする機会があったのですが、面白いことをやっている人と繋がり、刺激を受けられるのは非常に貴重な経験となりました。

メドテリアインターンで付けた能力と医学生

一般企業のインターンでは、自分が将来希望する職業のインターンを申し込んで、学生のうちから技術を磨いたり、そもそもその企業に就職するための足掛かりにしたりすることが多いのですが、医学生は…と聞かれると何ともイメージが湧きづらいものです。
学部4-6年には病院実習があり、そのうち大学のカリキュラムや希望などにより、外部の病院で実習のできるプログラムがあります。
場合によってはこの実習が初期研修をするための就活に結びつくこともあり、インターンに相当します。賛否両論あれど、座学としての医学知識と実臨床での医学知識や技術等の擦り合わせを行うことができます。
こうなってくると、企業のインターンというのは将来起業を考えている人、エンジニアとして技術を磨きたい人以外にあまりメリットがないようにも思えてきます。
また、医学生の日常生活レベルで成果が見えにくいのも事実です。同級生からも理解が得られにくく、忙しい医学生活の中で謎の集団に所属して謎のことをしている意識高い人という目で見られるかもしれません。
しかしながら、実はこのような場で身につけた知識や技術は他の場面で使用する機会というのはかなりあります。
例えば、大学で何かの取りまとめをしたり、実習でのマネジメント方法、自分の将来のキャリアと社会情勢の検討方法、将来臨床医をするなら病院側や上長との交渉術等々…医学部で中々得られにくいスキルが多々学べた気がします。
医学部6年として最も実感したスキルは、初期研修の病院就活におけるマーケティング目線、自分という商品を相手に見てもらうための戦術の立て方です。
自分が求めている病院はどういうところなのか?
競合にはどのような人がおり、何が重視されるのか?(実際に今までどのような人が採用されているのか)。ペルソナ像としてどのような人が採用に当たるのか?エントリーシートは病院へ提出する個人的なマーケティングのツールとして用い、面接で話す場合には、どのような道筋で話すのか?
一方、自分の魅力は何で、どのように売り込んでいけば自分を知ってもらい、相手の望んでいる像を満たすことができるのか?
上記のことを考えつつ就活を行なっていました。順に市場分析、マーケティング、営業のスキルが役に立ったと思います。

スタートアップインターンと私のキャリア形成

医学生という決して大きくはないマーケットに対しての活動でしたが、それでも、新しいビジネスモデルを手探りで作りながら、自分の手で作り上げていく楽しさを味わうことができました。また、私自身におけるキャリアに対する解像度もかなり上がり、元々公衆衛生学領域に興味を持っていたこともあり、社会における医療の問題を、今後いずれかの立場から解決できるようなものを作りたいと思っています。
興味を持った世界にまずは足を踏み入れてみて、そこで見聞きしたものを元にさらに興味を広げ、とりあえず両足を突っ込んでみるという生き方をしていたこともあり、コンサルの世界や海外留学に興味を持つようになりました。
今後は、自身のキャリア形成やその出口、過程を検討しつつ、様々なことに挑戦してみたいと思います。

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