既存の概念を否定するなら、正しく否定することが必要だと思う〜“バタフライ・サーキット”と“カスタマー・ジャーニー”の話
なんかまた新しいフレームワークがマーケティング業界に舞い降りたみたいですね。
マーケッター必読!現代人が消費購買行動に至る8つの動機とバタフライ・サーキット
前半の“パルス消費”にもコメント入れたいとこですが、それは省略して、“バタフライ・サーキット”なるものについて。
正直、あまりこの“バタフライ・サーキット”という考え方に納得行かないのは、@
・“さぐる・かためる”事態が結局は比較・検討のプロセスの一様態なのであって、カスタマー・ジャーニーそのものを否定するものではないのでは?ということ。つまり、小から大を否定するのには無理がありすぎる。
・そもそもカスタマージャーニーって、企業が対象とするお客さんに合わせて作るものだから、全て同じではない(adaptive pathの作例を見たことあるのだろうか?)。
・トリガーからはじまらないものもある、っていうけど、外部的刺激や内部的要因であれ、なんらかのきっかけとなるものはあるはずであり、それを広告やらな広報活動やらで“コントロールしよう”というのが時代にそぐわないのであって、カスタマージャーニーそのものを否定する話ではない。
・また、カスタマージャーニーを“使えてる”人からすれば、ジャーニーの途中からのお客さんがいることはわかっていて(例えば既存顧客)活用している。
・そもそも、ここでいう、さぐる・かためるを描けてないカスタマージャーニーがあるとすると、それはそのカスタマージャーニーの描き方が正しくないということ。
ZMOTは素晴らしいフレームワークだと思いますが、今回のバタフライフレームは、小を大に語りすぎて、ちょっと筋がおかしくなってる気がします。
どのような消費行動が起きてるか?という、さぐる・かためるの過程だって、すでに知られていることで、ネット以前からある。しかし、ネットによってその過程がどうなったのか?のほうが重要なのに、そこが無い。
ネットの話だけに限ると、どうしても抜け落ちる話。
今回の発表は残念ながら、ほとんどインサイト(新しい洞察)が無いなあ。
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