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オンライン診療の問題点①

さいきん話題のオンライン診療の話。

コロナ禍で一気に需要が増え、対応している医療機関も増えましたね。
ちなみにここでお話するオンライン診療は「テレビ電話」機能を用いた診療と定義します。

このオンライン診療。診療報酬点数表に「オンライン診療料」という項目が新設されたのは2018年4月の診療報酬改定ですが、実はそれよりはるか昔の1997年に僻地や離島にいる、相当期間診療を続けてきた安定期の慢性疾患患者を対象として、対面診療を補完する形の診療として認められていました。オンライン診療が、医師法における「無診察治療」に当たらないことがきちんと示されたのですね。

その後、2003年にオンライン診療が可能な患者の具体例(在宅医療のうち、自己注射や在宅酸素等を行っている患者)が示され、2011年には適用地域の制約もなくなりました。

その後、医療分野におけるICTの活用を徹底していこうという国の方針のもと、満を持して「オンライン診療料」という項目が新設されました。

しかし、元々の経緯から「オンライン診療料」の算定には様々な制約があり、また点数もとても低いものでした。

○対象は慢性期の生活習慣病や在宅医療を行っている患者
○初診から6か月以上経過していること
○3か月に1回は対面診療が必要
○ひと月に1回しか算定できない
○同一月に対面診療を行った場合は算定できない
○緊急時に、概ね30分以内に自院で診察できる体制の整備
○1カ月あたりの再診料・オンライン診療料の算定回数に占めるオンライン診療料の割合が1割以下であること
○対象患者には診療計画を策定する必要がある
○1回の点数は70点(700円)

算定要件には明示されていませんが、基本的にはかかりつけ医機能を担う診療所が行うものという位置づけです。

2020年の診療報酬改定で、事前の対面診療期間が6か月→3か月に変更、対象患者に「慢性頭痛患者」が追加され、緊急時対応の30分ルールは撤廃されました。しかし、点数は消費税増税分のみ追加された71点(710円)のまま。

なかなか手間がかかるし、対象患者も限定的すぎる。その割に点数が低くて医療機関にはあまりメリットがないな~と思っていたところで、コロナがやってきたのです。


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