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マイプロから生じる問いを語り合う

とある音声SNSで野崎さんと坂本がおしゃべりをしてみました。メモを書きおこすのは禁止のサービスなので、書き起こしではない内容でふりかえります。
CHLという研修をはじめて8年。何ができて、何が残されたのか、をしゃべる中で、次にやっておきたいな、と思えることを見つけることができました、という話です。またまた長文でごめんなさい。

10年で1,000人を全国に。

画像1▲伝説の第1期生と講師役の皆さん―ここから始まったCHL

当初、10年で1,000人卒業、という目標を掲げて研修は始まりました。自治体に1人ずつ、地域の健康を変えるサーバントリーダーがいたら何かが起こりそうだな、と。地元の仲間といっしょに何かを動かす突破力を強化できる研修を設計しました。

10年で1,000人ということは、毎年100人。1プログラム最大20人の設計で、どんなに自前で頑張っても全国4都市で毎年開講するところが限界。だから、自律分散的に広がるような仕かけを組み込んでいました。受講生が翌年の講師にまわるサイクルをつくることで、修了生があちこちでCHLを開講できないか、という挑戦でした。「自律分散」がカギでした。受講生にとって、修了後に講師研修を受講し、研修の裏側を理解することでよりCHLの3つの視点を強化できること、教える?(CHLでは教えない講師を要請していましたが)ことで学び続けること、翌年の受講生にとって、教えてくれない少し心もとない講師とともに議論と学びを深める体験が、地域でのチーム作りに類似した状況でのリーダーシップの発揮の仕方を試す場になること、など、社会教育の観点からメリットも多くありました。

で、先日野崎さんと坂本が「何をやり残したかな」とおしゃべりしていて出てきたのは、研修の拡がりを作りきれなかったね、ということでした。8年で311人。1年目に東京で、2年目以降開催地を増やし、コンスタントに4都市(札幌・東京・大阪・福岡9で開講してきたわけですが、定員を超える応募を確保できず、また年によっては最小開講人数に到達せず、開講を見送った都市もありました。追加的に仙台校も準備して募集しましたが、開講に至らず。g-schoolというスマホの学校(月額1,650円のサブスク型の学び場、現在はサービス終了)をつくり、そこからの誘導も、と思いましたが、なかなかg-schoolもうまく軌道に乗せられず。。。

けど、狙いと設計はいまも有効な気がする

まちにでていく医療者がもつべき3つの視点(批判的思考、複眼的視角、メタ視点)とそのための研修設計(学びのテーマやケース教材、協同学習という手法)は、時代が変わった現代でも有用な気がするね、との認識も確認しました。今日明日役に立つ学びは、ネットやあちこちに存在するから、意欲のある人が個人学習すればいい。CHLは視点と発想を変えることに重きを置くのだ。それによって不確実で見通しの立たない「地域」という彩り豊かな集団の中でも、力と知恵をあわせて前進することができるはず。と考えてCHLの設計は始まったわけです。

学びほぐし、OSのアップデート、医療者にコミュニティ要素をインストールする感覚はいまももって研修に取り組んでいます。修了生の一部には、

その新しいOSをコロナ禍で改めて実感した。
物の見方が変わったり、複雑になって戸惑うこともあるが、それも必要な変革プロセスなんだと、いまは思えています。

という声も少なからず聞こえます。野崎さんも、「迷子になる人いますよね。一歩を踏み出せなくなる人もいますよね(汗)。」と。

同僚、親子、夫婦受講の次は、兄弟受講か?!

受講者も300人をこえるといろいろなことが起こります。全国の10法人くらいは、毎年CHLに受講者を派遣してくれています。法人幹部になるにはCHLを必要としているところも。気づくと、あの受講生どうしがいま同じ法人で活躍している、みたいな転職を誘発していることも、多々あります(一緒に仕事しようよ!となっている模様)。

親子(ともに医療専門職)で受講した人もいるんです。期をずらして夫婦で受講した人もいます(これって何か夫婦関係に影響を及ぼしているのかな?)。そして9年目になって、兄弟で受講、というパターンも出現!そうそう、2020年にはCHL受講生どうしが結婚するなんておめでたいことも起こりました。人のつながり、ですね。

そんな修了生たちは、一応、Facebook「CHL修了生グループ」でつながってはいます。同窓会も時折、こちら主導で設定したこともありました。修了生たちが、自主的にお互いの病院を訪問してみるとか、講師として呼び合ってみるとか、地域同窓会、マイプロ進捗報告会をやってみるとか、まち散歩をしてみよう、とか精力的に楽しんでいます。2020年もいくつかの同期会がオンラインで開催されていました。けど、修了生たちなら、もっともっとこのつながりを使いこなしてもらえるのかも、とも感じています。

画像2▲まちさんぽの一風景(尼崎、名張、明石、久留米、近江八幡で開催)

一方、同窓生が同窓の絆でつながり「内輪」っぽくなるのも嫌いなんです、私たち。むしろ同窓生に相談できるから、安心して外につながりを作り、外で鍛えられてこれる、みたいな外向き志向を続けてほしいな、と願っています。だから同窓生が「つるむ」ことを、企画者側から呼びかけてこなかったのも事実です。これ、少し反省しています。こちらの意図を伝えたうえで、何か企画をみんなで考えてきてもよかったなと。おもえば、まちさんぽなど、CHL修了生以外のひととつながりにいく意図が修了生にもばっちりあって、すんごくそれを楽しんでいたな、と写真をみて思い起こします。

2020年は、毎月10日に修了生がマイプロを報告しあう場もつくってみたんですけど、なんだか運営を抱え込んでしまい、年を明けてから止めちゃっています(これまた反省!←けど、8期の修了生がマイプロ相談会を定期的にやろうと言ってくれているので、それに乗っかろう!とかずうずうしいことを考えています)。

マイプロから生じる問いを考える会!

野崎さんとおしゃべりする中で、修了生のひとりからアイデアをいただきました。それやろう!ってことに。

CHLでは、学びを実践に反映し、実践から生じた気づきを学びに取り込むサイクルを受講中に推奨しています。それがマイプロ、という仕組みです。受講を機に地元で取り組んでみたいマイプロジェクトを設定して、お互いにコメントしあって磨いていく過程を研修に組み込んでいます(第9期からマイプロは任意設定になりました)。

オンラインの時代、地域をこえて同じようなマイプロの悩みを相談しあえる場があったもいいんじゃないか、とか、マイプロのタイプによって修了生がt集ってもいいのではないか、それを可視化して公開してもいいのでは?とか話がでたんですけど、マイプロから生じた問いを、修了生だけでなく、みんなで語り合う会を設定してみては?のアイデアに飛びつきました。修了生が主体ではあるものの、CHLにかかわっていない人も入れる公開のオンラインカタリバをつくる感じです。そもそも居場所って誰が何のために必要なの?みたいな、一度は悩む問いってありますものね。それ2021年にやっていこう、って思っています。告知するならきっとFacebookページTwitterだと思うので、いまのうちにいいね!かフォローしておいてください(宣伝か!)。

画像3▲CHL修了生のマイプロのタイプ(円が大きいほど取り組んだ修了生が多い、というイメージ図)

CHLプラス?リアルケースを教材化してみよう!

過去に2人だけ、ご自身の体験をケース教材にしてみた修了生がいるんです。2例目は、8期の理学療法士で、自分が置かれている状況を客観視してケースにしたんです(CHLのケース教材はここからご覧になれますよ)。

ケース教材にする、って自分の状況を言語化すること、相談することでもあるし、客観視するいい学びの体験だ、と思っています。いまあるCHLの教材は著作権フリーなので、どうぞどうぞ皆さん使ってくださいませ、って思っていますし、使ってくれる人が増えることで、10年で1,000人という目標に近づけるのかもしれませんけど、今回は、ケース教材を増やすことに意味を再確認しました。CHLが2022年度に終了しても、ケース教材が豊かにあると、そのあとの学び続けにも役に立てそうだな、とも考えました。

CHLの放課後的に、CHLプラス、と仮に言ってみましょう。修了生のケース・ライティングを支援しながら、それをもとにみんなで議論する場をつくって習慣化できるといいな、って野崎さんも坂本も思いました。このアイデアも修了生からおしゃべりの間にいただいたもので、感謝感謝です。

夏までの間に修了生を対象に?(いや受講者を限定しなくてもいいか)ケース・ライティングの研修を開催してみて、そこから執筆してくれた人のケースをもとに、1-3月のCHLが少しお休み時期に議論をしてみたらいいかな、と。これもワクワク企画です。

という、1回目のおしゃべりの企画でした。

2021年4月4日までは、CHL-Ⅸ(第9期)の参加メンバー募集中ですよ(*'ω'*)