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密になれない時代の密なマナビバ

病いの根っこにアプローチすべく、まちにでていく医療者のための連続研修「CHL(コミュニティ・ヘルスケア・リーダーシップ)学科」の9年目第9期参加メンバーを募集中です。締め切りは2021年4月4日(日)19:00です。募集要項はここからご覧くださいね!第9期(CHL-Ⅸ)もフルオンラインで提供しますので、参加のしやすさを享受してください!

ここでは、募集にあたり開催したオンライン説明会の1回目のログを記しておきます。自分たちで説明していて補足したこと、質問いただいたことで説明が必要なことを書きますね。CHL-Ⅸに関心を持っていただけていれば、さらっとお目通しください。なお、2回目説明会もやります!3月27日(日)21:30-22:30です。詳細はここからご確認くださいませ

学びほぐしなんだった!

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CHL-Ⅸの説明をしていて、代表理事の野崎さん(小児科医)が補足説明をしました。確かにそうだったな、と。CHLは「学びほぐしの場」でした。そうそう、最初かっらそうしよう、と設計をしていながら、最近は説明から省いていた大事な言葉。明日あさってに役立つ知識や技術を教えても、アクションできる未来志向のリーダーは育成できない!発想や視点を変える、専門家として偏りがちな思考習慣をほぐして、臨床家にコミュニティ要素をインストールするのだ!って研修だったのです。だから修了生も「OSをアップデートされた感じ」と感想を言ってくれる人がいるんですよね!そうそう!

臨床だけで解決できないことが増えてきた中で、病いの背景にある生きづらさを理解したり、職場や学校、地域で病いを生みだす構造をとらえ、解決策を考えるための、視点と発想を、仲間とともに考える学び場なんです。

MBAと比較されることも、案外あるんです

実際に、MBA(グロー〇〇とか)受けてからCHL、CHL受講してからMBA、という人も確かに一部いるんですよね。過去311人が8年間に修了していますが、10人くらいいるんです。その学び続ける姿勢は敬服します!ほんとすごい!

けど、一応、どう違うの?と聞かれることがあったな、と野崎さんの補足の説明を聞いて思い起こし記します。なんで聞かれるかって、CHLの学びの10の要素が経営学っぽい並びだからですね。day 1から場のマネジメント/合意形成、チームマネジメント/意思決定、ビジョン構想/デザイン思考、協創戦略/システム思考、組織デザイン、組織変革/リーダーシップ、と並んでいるからですね。事前課題図書も、基礎理解を整える意味で教科書的経営本が混じっていることも理由です。

けど、野崎さんは「医療を軸にしたソーシャルワークを考える視点を重視している点で、競争優位を確保する経営学の発想とは異なる」と線を引いています。正解がひとつでない世界の中で、みんなで悩み、みんなで考え、前に一歩を進めるための思考を、協同学習という社会教育のアプローチをもとに深めていくのがCHL。経営学とか社会学とかでいわれていることも念頭におきつつも、過去の延長に未来がなく、教科書の現実と地元の現実には距離があるから、教科書や理論を批判的に活用するように展開するのもCHLですね。

コミュニティ・デザイン?と言われるとそっち系、ですけど、その方法論を学ぶ、という立場でないことは同じ観点から言えます。

理論的な基盤をあえて持たないカオス?なマナビバを通して、この不確実で見通しのたたない時代を突破する思考法を獲得するの。と考えています。

密なマナビバ、どこまで沼ってる?

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説明会前後でよく聞かれたのが、実際にどの程度の負荷なのか?です。そう、沼の底がみえない感じですよね。およそ9カ月にわたり5週間ずつ会っている研修の「間」がみえないですよね。説明します。

必修なのは、各Dayとその前のスモール・グループ・ディスカッション(SGD)です。各Dayはあらかじめ決まった平日夜90分。その1週間前にあるSGDは指定されたチームメンバー3-4人で集まり、Dayのケース設問を深めるための60分(なお各Dayが終了後すぐに次のDayのSGD日程調整を調整さんで毎回呼びかけて日程を確定します)。

あとは任意参加です。どれも録画であとで確認できます。各Dayの終了後1週間前後で平日夜90分のオフィスアワー(ホームルーム)があります。直近のDayの学びを振り返る受講生どうしのおしゃべり場です。奇数Day(Day 1, 3, 5)のあと2週間程度ではマイプロ相談会をします。マイプロの相談したい人が相談できる90-120分です。

全部でるとどうなるの?はい、そんなつわものいるんです。当日参加するか追って録画映像を見てコメントする皆勤賞が、CHL-Z(第8期)にも3-4人いました!すごい!

合計25回(技術サポート、オリエン(Day 0)、Day 1-7とオフィスアワー、Day 1-6のSGD、Day 1, 3, 5のマイプロ相談会)です。9カ月で25回も全国の同じ志をもつ仲間と語り合う機会があるんです。これは合宿研修のときよりも密なのかも!って思います。

事前学習は、だいたい3-4時間分の課題感です。うまく分散して取り組めばなんとかできそうですよ。毎日10分やってました、ってかたもいました。事後学習は、個人にまったくゆだねられています。録画映像みたり、感想や気づき、悩みをSlackに言語化したり、と。事前・事後学習は、それぞれの気づきに応じた個別学習です。この部分に時間をかけられる人が、学びの深さを実感しやすい設計です。

"大人の学習なので、自分が問われまくる"

説明会に参加してくれた直近の修了生がこんなことを言っていました。うんうん、確かにたしかに。

事前・事後学習を質量ともに確保できなかった時、自分が思い描いた成果がでなかったな。今日明日成果がでる仕組みではないことも影響しているのかも。
自分にゆだねられているところがあって、回を重ねるにつれて事前・事後学習を濃くできなくなってきて、学びの質に連動していた実感があります。事後的なリフレクションも委ねられているので、互いにそれを共有して火をつけあえるとよかったな、と、いま思います。
行き帰りがないので、気持ちの切り替えが難しかったな。

お風呂入ってから参加する人もいましたね。オンラインだからこそ、こどもを寝かしてから参加できるひとも多かったですし、ときに子どもの姿がみえたりしたこともありました。

あまりにマッチョな内容すぎて途中からついていけなかったけど、明日明後日使えないし、いまの立場では使いこなせない内容だと思いましたが、将来必ず役にたつ、とうすうす感じています。
すぐに役立たないとはいえ、ケース教材の設定は自分の世界とそれぞれかすっていて、その議論をすることで自分の違う世界を知ることもできます。
Slackに追われて気持ちが追い詰められた時期がありました。書きたいけど言語化できない、書きたいときには議論が流れちゃったこともあって消化不良感が残りました。

振替受講で他流試合を楽しめる?!

こんな質問もありました。Aチーム、Bチームの違いは日程です。どちらの日程のほうが都合がいいか、で受講申し込み時に選択をしてくださいね。けど途中で都合が悪くなること、ありますよね。そしたら、本籍地とは違うチームの同じ日に振替受講をしてください。それでも日程が合わないなら録画をみて、後日チームメンバーとの議論をSlackでしたり、オフィスアワー(ホームルーム)でしてください。欠席者には希望があれば「補講」もしますよ!言ってくださいね。ちなみに、他チームの議論に入ってみたくて意図的に振替受講を利用した人もいます。これもおすすめ!

なお、CHL-Ⅸには、後半時おり、CHL-Z(第8期)修了生が「受講者」として振替受講をしてくる可能性があります。あまりに多忙になり参加がかなわなかった先輩が、越年で振替受講をできるように、今年からしてみたためです。CHL-Ⅸのかたも、できればCHL-Ⅹ(第10期)でそれができるように、とは考えていますが、現時点では未定です。

マイプロってどうやって改善していくの?

奇数日にgoogleドキュメントに書いて、それをお互いに赤入れをしていく作業を重ねていきます。常に進捗をしてその分を更新していく感じです。googleドキュメントの1ページ分って、だいたいしゃべると5分くらいの分量。そのくらいで伝えられるエッセンスに絞った内容だけ書いてもらっています。で、それを受講生同士とか講師が赤入れをしていく。あとは、奇数日のあとにマイプロ相談会をzoomで設定する予定です。

合宿研修をオンライン化してどうだったのよ?

プラマイそれぞれあります。課題感は上記の修了生のコメントがけっこう表現してくれていると思います。言語化を迫ったこと、学びの孤独感、ご飯・宿泊を伴う中でのより開放的な語りや深めの関係性の構築には課題が残った感じがします。けど、プラスも多かったですよ。まだ感染状態が落ち着かない見通しがあることもありますけど、プラスを活かすためオンラインで引き続き開講しようと思ったわけです。

録画があることは大きいですね。録画を見返してメタ的に自分や自分たちの議論を振り返る機会は学びの質を高めています。ケース教材への回答やマイプロをすべてgoogleドキュメントに書いて全員が閲覧コメントできることも、全参加者の知恵を可視化できていて豊かだな、と感じます。全員が正面をむいて議論しているため、受講生どうしで論点を洗い出し議論を深める協同学習もリアルな研修よりも進んだ印象を持っています。修了時にアンケートをとって、第7期以前の合宿研修修了生のアンケートと比較してみているのですが、さほど違いはないように見えます。そのことは別のnoteでご紹介しますね。

なにより、オンラインで場をつくる立場にみなさんなっていますよね。そのための慣れだったり、練習だったりが必要なんだと思います。関係性の貯金がなくてもオンラインで議論して協働していく時代ですから、その挑戦をCHLでできること、ツールへの使いこなしがよくなることも収穫でした。

CHL-Ⅸのこと、すこし興味をもっていただけましたか?詳細はここです~。なんだかお伝えしたいことがたくさんあるんだな、と自覚もしたので、ちょこちょこnoteを増やしていこうと思います。