10 呼吸困難 喘鳴

常に緊張性気胸の可能性を考えます。呼吸困難、喘鳴をきたす疾患で一番致命的な疾患だからです。補足ですが、緊張性気胸とは、肺に穴が開き、その穴から胸腔内に空気が漏れ出ることで胸腔内圧が上がり、その圧力が原因で、循環器系が正常に機能しなくなってしまう疾患です。

また、聴診では、ストライダーとウィージングの区別の仕方も重要です。ストライダーは上気道の閉塞によるもので、同様にウィージングは下気道の閉塞によるものです。音はそれぞれ、ストライダーはゼーゼー、ウィージングはヒーヒーというように聞こえます。

CO2ナルコーシスという、呼吸器疾患などを罹患している患者さんに多いのですが、普段から体内に二酸化炭素が蓄積しているために、急に多量の酸素を投与すると呼吸抑制をきたす病態があります。ただし、救急分野においては、CO2ナルコーシスより、それを怖がって酸素を十分に投与しないことによる、低酸素血症の方が合併症を考慮すると高リスクなので、基本的には酸素は十分に投与することを心がけます。

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