【国際物理オリンピックメダリストと考える】偏微分方程式その1

偏微分方程式って聞いたことがありますか?
実はこれがこの世界を表すのに非常に有用な道具なのです。
今回は、それが一旦どんなもので、どう役に立つのか見ていこうと思います。


偏微分方程式とは

偏微分方程式とは、
「2つ以上の変数の未知関数と、その偏微分を含む方程式」
です。

どういうことかわからなくても、大丈夫です。これから丁寧に説明していきます。

多変数関数

関数というと、高校数学でよく登場するのは、$${f(x)}$$ではないでしょうか。

多変数関数は、文字通り、変数の数が多い関数です。
なので具体的な関数の値を求める際には、変数の数だけ代入することになります。

ピンと来ない方のために、具体例を挙げると、

$${f(x,y)=x^2 + y^2 - 1}$$ を考えます。

この関数に、2次元平面上の一点の座標を代入すると、その点が単位円の中か、外か、ということを判断することが出来ます。

実際に計算すると、$${(x,y) = (2, 1)}$$の時、

$${f(2, 1)= 4 + 1 - 1 = 4 > 0}$$となり、単位円の外です。

一方で、$${(x, y) = (0,0)}$$の時は、$${f(0,0) = -1<0}$$となり、単位円の内部にあるとわかります。

この関数$$f(x,y)$$では、2つの値を代入して値を求めました。2つの変数を持つ関数、つまり2変数関数、というものです。

さっき例に出した関数$$f(x,y)$$では、具体的な関数の形$${x^2 + y^2 - 1}$$がわかっていました(既知)でしたが、そうでない場合(未知)な場合もあります。

ここで一旦まとめると、

2つ以上の変数の未知関数とは、

「関数の形がわかっていない(未知の)、多くの変数を持つ関数(多変数関数)」

偏微分

ここでは、高校数学の微分、を思い出して欲しいです。
高校数学での微分と同じ要領で出来ます。

2変数関数f(x,y)のxについての偏微分は、

$$
\lim_{h \to \infty} \frac{f(x + h, y) - f(x, y)}{h}
$$

という形で表されます。

ここで注目したいのは、極限の中身が、$${y}$$は変化がないことです。

「xについての」偏微分といったからには、x以外は考えない、動かさない、という様子です。

つまり、偏微分とは、微分する変数としない変数のあるような、「偏った」微分というわけです。

例えば、先ほど扱った$${f(x,y) = x^2 + y^2 -1}$$は、

$${x}$$についての偏微分は、$${y}$$については考えない、定数だと思うことにするので、

$$
\frac{\partial f}{\partial x}= 2x
$$

となります。

一旦まとめると、

偏微分とは、

「複数の変数のうち、一部だけ(偏って)微分すること」

偏微分方程式とは(再)

ここまで来ると、偏微分方程式の最初の定義がしっかりと理解できると思います。

偏微分方程式とは、

「関数の形がわかっていない(未知の)、多くの変数を持つ関数(多変数関数)」で、「一部だけ(偏って)微分したもの」を含む方程式

ということになります。

数学的厳密さをいささか欠いている気がしますが、平たく言うとこんな感じで言い換えられました。

まとめ

今回は、偏微分方程式とは何か、について扱いました。

偏微分方程式とは、2つ以上の変数の未知関数と、その偏微分を含む方程式 でした。

次回以降は具体的な方程式について一緒に理解を深めて行きたいと思っております。乞うご期待下さい。

今後とも皆様の役に立つ記事を投稿して参る所存ですので、

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