医師国家試験向け:喘息COPDオーバーラップ<ACO>とは?喘息やCOPDと何が違うの?
医師国家試験の新出題項目というものがあるらしく、その中に喘息COPDオーバーラップ<ACO>が掲載されていたので本ブログでも取り上げさせていただきます。
喘息COPDオーバーラップ<ACO>とは?
喘息とCOPDの両疾患は、いずれも気道炎症が主病態ですが、治療が違います。
喘息はステロイド吸入(ICS)が基本
COPDはLAMA・LABAが基本
COPDの急性増悪は抗菌薬+気管支拡張薬+ステロイド内服(ABC) です
また、病態も異なります。
喘息:気道の慢性炎症と可逆性のある気道狭窄と過敏性、頻回の咳嗽と日内変動、好酸球性炎症が特徴
COPD:長期喫煙による末梢気道病変と気腫性病変が、様々な割合で起こる進行性の慢性炎症で好中球性炎症が特徴
……ですが!原因が違えば当然合併します。以前から難治性喘息の1つの寄与因子にCOPD合併が報告されており、高齢化によるCOPDの増加とともに合併例も増えてきたのです(COPD患者のACOの有病率は20~50%²)。
ACOの診断は?
診断基準は「喘息とCOPDのオーバーラップ診断と手引き」によると次のようになっています。大前提として気管支拡張薬吸入後1秒率<70%です。
ACOの治療は?
基本的には、ICS と LABA +/or LAMA です。しかし、最も重要なことは,
喘息の特徴があるならばLABA単独治療をしないこと
COPDと症候群的に診断されれば,ICS単独治療は行わないこと です。
参考
1)https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/104/6/104_1082/_pdf
2)Gibson PG, et al : The overlap syndrome of asthma and COPD : what are its features and how important is it? Thorax 64 : 728―735, 2009
3)喘息とCOPDのオーバーラップ診断と手引き
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