1月1日(月)メディア日記

 NHKの新年最初の「午前7時ニュース」のトップ映像は富士山の初日の出、そして第一項目は「ガザで死者1万1822人、24時間で150人死亡」。
 新聞の元日朝刊は、読売新聞は、黒ベタ白抜き横見出し「移植見送り60件超」縦見出し「東大・京大・東北大 昨年 臓器提供集中で」。 産経新聞は1面トップ縦見出し「森元首相の関与有無 解明へ 東京地検」。 朝日新聞1面黒ベタ白抜き縦見出し「安倍派『中抜き』裏金8000万円か」。 毎日新聞、日経新聞、東京新聞の1面トップは企画もの。森喜朗時代から続いているといわれる安倍派の裏金問題、森の関与の有無をどこのメディアが報じるか注目されていたが、意外にも産経新聞が元日紙面に報じた。

 1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方で震度7の強い地震が発生した。震源地は石川県能登地方、震源の深さはごく浅く、マグニチュード(M)は阪神大震災を超える最大7.6。同地方には「大津波警報」が発令された。地震発生をうけ、正月特番などを放送していた在京キー局はすべて、緊急番組に切り替えた。
 テレビから緊急地震速報が流れ、次々に津波警報、大津波警報が発令され、NHKの女性アナウンサー(山内泉アナ)は声を荒らげて「今すぐ避難!」「逃げて!」など絶叫しながら何度も呼びかけた。普段、低音の山内アナの声は、人が変わったように冷静沈着を捨てて「異常な声」に聞こえた。視聴者に「特別なことが起きている」と感じさせたのだろう。その後、ネットでは山内アナの「絶叫」に対しては好意的な投稿が多かった。
 地震直後の被災地の映像はANNテレビ朝日系列がもっとも充実していた。とくに午後6時過ぎ発生した輪島市の大規模火災はANNの名古屋テレビのヘリが日没をおして空撮を強行。暗闇の中、真っ赤に広範囲に燃える場所は被害の大きさを予想した。場所は輪島市の朝市通りと知られる。テレビ朝日はスタジオに元気象庁長官の西出則武を常時出演させ、的確な解説をしていた。一方、NHKはANNに比べ、輪島の火災など気の毒になるほど被災地の現地映像は遅かった。
 石川県の志賀原子力発電所では、「外部から電気を受ける系統が1系統使えなくなっているが、安全上重要な機器の電源は確保されていて、使用済み燃料プールの冷却もできている」と発表した。志賀原発は活断層ばかりの能登半島沿いの原発の一つだが、壊滅状態に近い珠洲市は20年前、原発立地の計画があった。住民の反対があり計画は凍結されているが、もし、原発が建設されていたら大地震の直接的な大被害があったのは間違いない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?