12月27日(水)メディア日記

 森友学園をめぐる公文書の改ざんを苦に自殺した財務省近畿財務局の職員だった赤木俊夫(当時54)の妻の雅子が、財務省元理財局長を相手取り、損害賠償を求めた裁判で、27日に雅子側が判決を不服として最高裁に上告した。1審の大阪地裁、2審の大阪高裁はともに「尋問を実施する必要はない」として、雅子側の求めを退けていた。
 赤木雅子の最高裁への上告を28日朝刊で報じたのは、東京新聞1紙だけ。文書改ざんで犠牲になった赤木俊夫、あれほど騒いだメディアは、依然と続く赤木雅子の孤独の闘いをまった無視している。
救いは、大阪のMBS毎日放送が27日の放送で、赤木雅子の心境を放送した。
「また夫と私は国にも財務省にも捨てられたけど、日本にも捨てられた気持ちがしました。それを承知の上で戦っています。個人責任を問われなくていい、これを根本的に変えるために、私は戦います。謝るべきだ、だけど法律、裁判所、法律の中では問えないと言われると私はどうしたらいいんでしょうか。これではねのけられてしまうとこれから夫と同じような立場の人が出てきた時にどこに助けを求めればいいんでしょうか。佐川さんに手紙を出しました。もし佐川さんが夫に手を合わせて謝ってくれて、改ざんについて教えてくれるんだったら、裁判を今すぐに辞めますとお伝えしたんですけど、お返事いただけませんでした。(夫が)仕事でうけた辛い思いを思うと、勝てないと思っていても続けるしか道はないと思っています」

 軍事転用可能な機械を不正に輸出したとして警視庁公安部に逮捕されその後、起訴を取り消された「大川原化工機」の社長らが国と都を訴えた裁判で、東京地裁は27日、国と都にあわせて1億6200万円あまりの賠償を命じる判決を言い渡した。
「NHKスペシャル」などでこの冤罪事件を深く追及してきたNHKは同日の「ニュース7」の第一項目で約7分、」「ニュースセンター9」の第一項目で9分の長尺をとった。
 新聞は28日紙面で、「公安と検察は違法」と大見出しをとった。とくに警察の伏魔殿「公安」に対する日ごろの疑問記事が噴出した。

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