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11月2日(土)メディア日記

 TBSの「報道特集」は2日の放送で、「今回の総選挙中にテレビがもっと報道すれば投票率も違った」と選挙報道とテレビの役割を検証した。「報道特集」ならではの見事な切り口の特集だった。同放送によると、公示日翌日のテレビ全体の選挙報道は、2005年の小泉政権の時はNHKと民放合わせて9時間16分7秒だったが、安倍政権になってから放送時間が減り始め、今回は4時間31分59秒と約半分に減った。この減少傾向につぃて、立教大の砂川浩慶教授は「政権からの圧力が報道の萎縮を招いた」と指摘。きっかけは2014年11月に安倍首相がTBS「NEWS23」に出演した際、街頭インタビューに偏りがあったとして、翌日に自民党副幹事長の萩生田光一が「出演者の発言回数と時間、ゲスト出演者の選定、街角インタビューなど細かい点について、公平中立などを注文した文書をテレビ各局に送付した。さらに高市早苗総務相はその後の予算委で、「放送法を順守しない放送局に対しては電波停止の可能性もありうる」と脅し、テレビ局は一層、報道萎縮の方向に向かった。
 こうした傾向について、前明石市長・弁護士の泉房穂は、「すっかりテレビの選挙報道は変わってしまった。出演しているコメンテーターも忖度した発言ばかり。メディアが選挙期間中にもっとしっかり報道していれば投票率はもっと上がったはずだ。選挙が始まったら逆に連日、政治特集を組んだらいい。どこに投票するかは各自の判断に任せればいい」。
 番組の後半では、立教大の学生の声も放送されたが、「投票の際は、テレビで判断したのではなくSNSや他のメデイアで参考にした」という考えが多かった。「テレビがこのまま放っておくと、選挙報道は何でもありのSNSやYouTubeに取って代わられる」という危惧が現実となりそうだ。

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