7月1日(土)メディア日記

今から64年前の1959年(昭和34年)6月30日、沖縄県石川市(現うるま市石川)の宮森小学校とその周辺の民家に米軍のジェット戦闘機が墜落炎上した。その被害は、死者17名(うち児童11名)負傷者210名(うち児童156名)、住宅、小学校校舎など全半焼する大惨事となった。沖縄が本土復帰する前の事故だった。当時としては、航空機史上まれな事故として内外に報道されたが、時間が経ち、本土ではあまり知られていない。

64年目の6月30日、宮森小学校で慰霊祭が開かれ、被災者や遺族ら約100人が参列し、犠牲者の冥福を祈った。また沖縄テレビは事故が起きた時間に合わせ、同局が4年前、事故60年を記念して、ローカル制作したドキュメンタリー番組「60年目の宮森」を放送した。番組はYouTubeでも流され、本土ではじめて事故の惨状を知る人が多かったはず。いつまでサイトがアップされているかわからないが、ぜひ観てほしい番組だ。 検索は「沖縄テレビ2019年6月放送「60年目の宮森~宮森小ジェット機墜落事故~」
 
公安事件で警視庁公安部の現職警部補が6月30日の裁判で、「捏造をした」と前代未聞の証言をした。この訴訟は、軍事転用が可能な機器を無許可で輸出したとして逮捕、起訴され、その後に起訴が取り消された「大川原化工機」の社長らが、国と東京都に5億7千万円の損害賠償を求めたもので、捜査を担当した警視庁警察官4人に対する尋問が6月30日、東京地裁であった。捜査を担当した警視庁公安部外事1課の男性警部補の証人尋問があり、原告側代理人に「事件はでっち上げと思うか」と聞かれると「捏造ですね」と明確に述べた。別の1人も「見立てに合わない証拠を捜査幹部が軽視した」と証言した。ガードが固いことで知られる警視庁公安部、この現職警部補の爆弾証言を各紙はどう報じたのか、1日朝刊の扱いは分かれた。

扱いが一番大きいのは朝日で第1社会面トップ4段、リード付きで「公安捜査員『捏造』証言」という主見出しでこれまでの経緯も付けて詳しく報道。次いで読売は第2社会面トップ3段「『事件は捏造』警官証言」との見出し。産経は第1社会面肩に3段「不正輸出事件は『捏造』」。毎日は第1社会面左下に2段「『捏造』警察官が証言」。日経は第1社会面下部にベタ「起訴取り消しの事件は『捏造』 警部補、訴訟で証言」。どうしたのか、東京新聞は見当たらなかった。
NHKは2日の19時ニュースではじめてこのニュース取り上げた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?