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8月9日(金)メディア日記

 米軍による長崎への原爆投下から79年。長崎市の平和公園で9日、平和祈念式典が開かれた。ところが、米英など主要6カ国とEUの大使級が欠席した。長崎市がイスラエルを招待しなかったことへの抗議という。どの国や地域に声をかけるかは、基本的に式典の開催地が決めることだろうが、日本政府は問題の波及を恐れ「招待は長崎市が決めることだ」と最初から逃げていた。長崎市長はイスラエル除外について、「式典の混乱を防ぐため」と言ったが、イスラエルのガザの殺戮をむしろはっきり言うべきだった。
 鈴木史朗市長の「長崎平和宣言」は、力強かった。鈴木市長は冒頭、23歳で被爆し、原爆症と闘いながらも原爆の悲惨さを訴えた長崎の詩人・福田須磨子が綴った詩を読み上げた。
     ◇
 原爆を作る人々よ!
 しばし手を休め 眼(め)をとじ給(たま)え
 昭和二十年八月九日!
 あなた方が作った 原爆で
 幾万の尊い生命が奪われ
 家 財産が一瞬にして無に帰し
 平和な家庭が破壊しつくされたのだ
 残された者は
 無から起(た)ち上がらねばならぬ
 血みどろな生活への苦しい道と
 明日をも知れぬ“原子病”の不安と
 そして肉親を失った無限の悲しみが
 いついつまでも尾をひいて行く

 気象庁が「南海トラフ地震臨時情報」を発信したことで、東海道新幹線は今後一週間程度、静岡県内では徐行すると発表。また岸田首相は予定されていた中近東訪問を急きょ延期した。閉鎖する海水浴場の使用禁止やホテルなどのキャンセルが相次いだ。

 時事通信が8月2〜5日に実施した調査結果を発表した。岸田内閣の支持率は7月比3.9ポイント増の19.4%。3カ月ぶりに上昇に転じたが、昨年12月から9カ月連続で1割台にとどまった。不支持率は同4.8ポイント減の53.6%。政党支持率は、自民19.9%(前月比3.9ポイント増)、立民3.7%(同2.6ポイント減)、公明2.2%(同0.3ポイント減)、維新1.8%(同0.9ポイント減)の順。以下、共産党1.3%、国民民主党1.0%、れいわ新選組0.7%、参政党0.4%、社民党0.2%、教育無償化を実現する会0.1%と続いた。「支持政党なし」は65.5%。

 東京新聞9日朝刊で、「のど元は過ぎたのか、自民党の武見敬三厚生労働相と鈴木俊一財務相、松本剛明総務相の3閣僚が7月下旬から8月上旬にかけて、政治資金パーティーを相次いで開いた」と報じた。3氏の説明などによると、武見は東京都で7月29日、松本と鈴木はともに8月3日、それぞれの地元の兵庫県姫路市と盛岡市で開催。武見は会費2万円で数百人、鈴木は1万円で250~300人、松本は2万円で約70人が参加したという。武見は2日の記者会見で、「私の事務所の金庫は7月中旬で全く空になることになっていた。(パーティー収入がなければ)破産宣言をしなきゃならないぐらいの状況。背に腹が代えられない」と訴えた。一方、鈴木は8日の会見で、「そういう(開催を疑問視する)声はどこにあるのか。パーティーは違法でもなければ脱法でもない」と主張。松本氏は同日の会見で事実を明確に認めず、「政治資金規正法などの法令に基づいて報告したい」との答えを繰り返した。

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