12月26日(火)メディア日記

 講談社ウエブの「現代ビジネス」で、テレビ朝日の元法務部長の西脇亨輔が木原事件の遺族が25日に東京地検の検事と面会した様子を報じた。東大法学部出身の西脇亨輔は、自民党幹事長代理の木原誠二と東大の同期。西脇は現在、弁護士として独立しており、遺族が検事と面会した後、遺族と同席した弁護士から面会の模様を詳細に聞いた。遺族と検事との面会のやりとりはこの時点でどこのメデイアも報じていない。
 西脇の記事によると、年の瀬も押し迫った12月25日午後4時、木原誠二の妻X子の元夫の安田種雄の遺族が初めて担当検事と面会した。出席したのは、種雄の母親、長姉、次姉と、この件の刑事告訴を担当した勝部環震弁護士ら弁護士3人の計6人。遺族はこれまでにも思いを伝えようと検察官に面会を申し入れてきたが断られ続け、ようやくこの日実現したのだった。安田の遺族と東京地検の検事が面接したやりとりは、どこのメディアも報じていない。
 東京地検で始まった面会では、まず弁護士が挨拶し、続いて種雄の姉が捜査への疑問をまとめた書類を説明した。その間検察官はほぼ言葉を発さず、部屋は重苦しい空気に包まれていたという。それを破ったのは母の言葉だった。 「ずっと苦しい思いをしてきたんです。'18年の再捜査で希望を持ったのに、突然奈落の底に落とされた。今度こそぜひ捜査をしてください」  涙ながらの声が部屋に響き、空気が一変した。その時だった。検察官はこう明言した。 「これは、しっかりやらないといけない事件です」 遺族が長い間もがき続けてきて、ようやく聞くことができた言葉だった。
 遺族と検察官との面会は約40分に及んだ。 その中で弁護士は検察官に今後の捜査方針を質問した。「検察官はこの件を独自に捜査するのか、それとも警察に捜査させるのか」という問いに、検察官は「両方ありうる」と答え、独自捜査の可能性を示唆した。 また捜査スケジュールについての質問には、検察官はこう答えた。「じっくりやる事件だと思います。だから期間とかを申し上げるのは難しい」 検察官は繰り返し、「この事案は、しっかりやらないといけない」「じっくりやる」と話していたという。 そして面会の最後、種雄の母はおもむろに床に手を付き、頭を下げた。 「捜査をお願いします。検事さんしか希望はないんです」 頭を下げ続ける母に近づいた検察官は、こう声をかけたという。 「お顔をあげてください。しっかりやりますので」 面会を終え、勝部弁護士と遺族は宮脇亨輔にこう語った。 「検察官が独自捜査も含め時間をかけて捜査すると話したことに、ひとまず安堵しました。我々も自分たちにできることを引き続きやっていきます」。 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?