6月25日(日)メディア日記

 ロシアの傭兵集団「ワグネル」の創設者のプリゴジンが23日夜、突然、ロシア軍への反乱を宣言した。これを受けて、プーチン大統領は24日緊急テレビ演説を行い、「裏切りである」と猛反発。プーチン演説は、日本時間24日午後4時頃、日本メディアも大騒ぎになった。しかし、翌25日未明になって一転、プリゴジンはモスクワ攻めを翻意し、ベラルーシに出国する情報が流れ、25日の朝のテレビニュースは一件落着の方向に収まった。タス通信は、プリゴジンに対する武装反乱を扇動した容疑での捜査は中止されると報じた。新聞の最終版は、「ワグネル、ロシアに反乱 南部で司令部占拠」、ロシアでワグネル反乱 軍と交戦、モスクワに北上か」などの大見出しが躍った。

英BBC放送は25日、「反乱は収拾したが、プリゴジンがベラルーシに入ったかどうかは消息不明だ」と報じ、その後、まる2日間、消息が途絶えた。プリゴジンの消息がわかったのは、日本時間の27日。自らSNSに投稿したが、居場所は明らかにしなかった。その後、反乱に関与したとして、プリゴジンに近いと言われたロシア軍のスロピキン副司令官が逮捕、プリゴジンが所有するプライベートジェット機が、ベラルーシからサンクトペテルブルクに着いたなど未確認情報が錯綜し、30日現在、情勢は混沌としている。

プリゴジンの武装叛乱のような派手な政変に目を奪われがちだが、この間も毎日、ウクライナでは民間人の犠牲者が出ている。戦争によって日々理不尽に命を奪われる人びとについて、メディアは、もっと地道に伝え続けることが、長引くこの戦争では一番大事なことではないか。


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