見出し画像

5月26日(日)メディア日記

 自民党の木原誠二幹事長代理が26日のフジテレビの「日曜報道ザ・プライム」に出演、6月から始まる1人当たり4万円の定額減税について「仮に物価の状況が改善せず、またデフレに戻る可能性があれば来年も考えなければいけない」と述べた。
 この番組は「サンデーモーニング」(TBS)の裏なので生ではほとんど観たことはないが、あらためてビデオで観た。この日のゲストは木原誠二。去年夏から週刊文春で、木原誠二夫人の元夫の変死事件について、木原はたびたび誌上に登場していたが、警察庁、警視庁の総がかりの隠蔽ツブシが功を奏したのか、最近の週刊誌はすっかり音沙汰なしだ。木原は岸田首相の信が厚く、いつのまにか自民党幹事長代理。週刊誌・テレビの取材をあれほど逃げ回っていたのに最近は臆することもなくメディアに堂々と登場している。同番組のキャスターはフジテレビ解説委員の松山俊行、レギュラーコメンテーターは橋下徹。松山は数年前に週刊文春で不倫を報じられたが、この件は時効なのか、彼も堂々と出演続行中。個人的には橋下徹は顔を見るのも声を聞くのも苦手。

 週刊現代の元編集長・元木昌彦が26日の「日刊ゲンダイ」のコラム「週刊誌からみたニッポンの後退」で「明けても暮れても『大谷翔平』で毎日バカ騒ぎ…日本メディアにファンも辟易」と書いた。
「この国のワイドショーやスポーツ紙は大谷翔平の追っかけ、チアリーダーに堕している。私が取っているスポニチを例にとれば、5月11日から21日(までの10日間で、大谷が1面を飾ったのが4回、パドレスのダルビッシュが2回、カブスの今永昇太が1回だった。日本のプロ野球界は「ないがしろにされている」となぜ怒らないのだろう。もっと酷いのはワイドショーである。中でも「モーニングショー」(テレビ朝日系)は大谷翔平専門チャンネル化している。 昨シーズン終了後の移籍問題に始まり、ドジャース入団、今季の活躍予想、結婚発表と、この国の人間たちの関心は大谷にしかないと決め付け、呆れるほど長時間垂れ流した。  
ついでにいわせてもらうと、自分の感想程度しかしゃべれない“ボキャ貧”コメンテーターたちを並べるのをやめたほうがいい。アンカーマンが務まる人材がいないための苦肉の策だとは思うが、政治・事件・芸能すべてに答えられる人間などいるわけはない。加えて、安倍晋三元首相にベッタリだった元時事通信記者やNHKの元記者を、裏金問題など政治問題の解説者として起用するべきではない。安倍の“悪政”を見て見ぬふりをし、甘い汁を吸った人間が自民党に石を投げる資格がないことは自明である。同じことが大谷の伴侶にもいえる。旧姓・田中真美子という女性はどのような人生を送ってきたのか、27年間の人生で大谷以外の男と恋をしたことはないのか。醜聞大好きの週刊文春や女性誌でさえ、そうしたことに触れる記事が出ないのはなぜなのか。大谷と結婚した女性もまた神になりたまいしか。 こうした無批判、無節操な日本のメディアの大谷取材が、当然ながらアメリカでひんしゅくを買っているようである。(後略)

 26日の「サンデーモーニング」(TBS)でコメンテーターの青木理がいわゆる「コタツ記事」を批判した。「コタツ記事」とは、足を使った取材をせずに、コタツに座っていても書けるような記事を意味する。最近ではテレビのワイドショー出演者の意見の一部を切り取りしてすぐネットに載せる。こうしたお手軽なコタツ記事は、時間や経費、労力をかけずに大量生産できるため、PVページビューを稼ぎたいメディアは多用しがちだ。とくにYahooなどネットユースはスポーツ紙から提供されたテレビの「コタツ記事」であふれている。スポーツ紙の中でコタツ記事が多いのは、「ディリースポーツ」。
 江川紹子は以前、「スポーツ紙のコタツ記事は、なんとかならないか。Xでのつぶやきを拾うくらいならまだいいが、それなりに時間をかけて書いた原稿をつまみ食いして刺激的な見出しでPVを稼ぎ、ほとんどドロボーじゃないか」と書いた。コタツ記事は、報道機関に求められる「検証」とか「裏どり」などは一切素通り、むしろ見出しを恣意的に変え、PVを稼ぎそうな記事を選別して掲載するだけになおさら悪質だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?