4月19日(水)メディア日記

 2020年米大統領選で選挙結果を不正に操作したとの報道で名誉を毀損されたとして、米投票集計機メーカー「ドミニオン」が、保守系FOXニュースに損害賠償を求めていた訴訟は18日、FOXが7億8750万ドル(約1千億円)を支払うことで和解が成立した。FOXは同日、ドミニオン社に関する報道で「報道に誤りがあった」とする声明を発表した。フェィクニュースと知りながらトランプ優位のニュースを拡散し続けたFOXニュース。なぜFOXは審理ではなく和解を選んだのかについて、朝日新聞は20日紙面で、「審理が本格的すれば、『メディア王』と呼ばれるFOXのルパート・マードック会長や著名キャスターらが出廷を求められるため『和解』を選択したのだろう」と解説した。
 
 「今月、霞が関で気になる人事があった。総務省の地上放送課長が1日付で、『大臣官房付き』となり、16日付で傘下の研究機関へ移った。重要な課長ポストなのに就任から1年未満。後任は置かず、当面は別の人が兼務するという。何より引っかかるのは、この元課長が高市早苗氏の総務相時代に秘書官を務めていた人物だからだ」
 これは、朝日新聞19日朝刊「多事奏論」に書いた田玉恵美(論説委員)の冒頭の一文。田玉恵美は安倍政権時代に「放送」を担当、総務省にも精通していた。田玉によると、総務省の行政文書が出ると、高市は文書にある打ち合わせ自体もなかったと「捏造」と開き直った。ところが元課長らは、総務省の聞き取りに「高市大臣に絶対ないという表現をしたかどうかの記憶はない」と答えた。高市と板挟みになったさ中に元課長は異動となった。
誰がみても元課長は高市早苗から責められて、異動への圧力があったと思っても不思議ではない。
 
 下記の広告は4月17日付の琉球新報に掲載されたもの。「忘れないでいよう。沖縄返還の密約のこと、それを暴いた新聞記者がいたことを」このキャッチコピーに同紙の思いが凝縮されている。本土メディアは西山太吉について、密約文書を取得した方法などめぐって評価はさまざまだが、琉球新報は未だに政府が認めない沖縄密約について、西山が突破口を開いたと評価している。沖縄の友人によると、沖縄の若者の間では、「沖縄密約」はすでに風化し始めているという。この広告は沖縄の若者に対する強烈なメッセージだ。1974年に沖縄密約の原点の書ともいうべき「密約~外務省機密漏洩事件~」(中央公論社)を書いた澤地久枝は、毎日新聞24日朝刊に書いた西山太吉追悼文の最後に(この本は)「見事な遺言である」と絶賛した。


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