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7月5日(金)メディア日記

 大阪地裁の徳地淳裁判長がまた行政の決定を覆す判決を出した。朝日新聞5日朝刊社会面によると、北アフリカ出身の男性が同性愛で迫害されて難民申請したことに対して、国が認定しなかったことに対して、徳地淳裁判長は、国の不認定処分を取り消し「難民」と判断する判決を下した。徳地裁判長は「男性は家族から危害を受ける現実的な恐れがあり、国の保護も受けられない」として「難民」に当たるとした。
 大阪地裁の徳地淳裁判長は6月27日にも、「黒川東京地検検事長の定年延長」問題で関連文書を不開示とした国の決定を覆す判決を下している。また徳地裁判長は、アベノミスクの発注などの文書開示を求めた行政訴訟で、黒塗りの書面を開示せよとの判決を下している。行政権の横暴に対して、司法が「待った」をかける姿は、実に痛快!

 鹿児島県警の情報漏えい事件を巡り、鹿児島地検が5日、警察官による犯罪の捜査を行わないようにしたなどの犯人隠避容疑などで刑事告発された県警トップの野川明輝本部長を不起訴にした。報道によると、枕崎署員の盗撮事件の捜査を行わないようにしたとの告発は嫌疑不十分、霧島署員のストーカー事件や、県警本部公安課警察官の情報資料漏えい事件を隠蔽したなどとの告発は嫌疑なしとした。

 この事件について、雑誌「創」の編集長・篠田博之は朝日新聞5日朝刊に「大手メディアはもっと連携すべきだ」と批判的に次のように書いた。
 鹿児島県警の不祥事報道、大手メディアは大きく出遅れた。「内部文書を外部に漏らしたとして鹿児島県警の前生活安全部長が逮捕・起訴された事件は、かねて県警を批判する記事を発信してきたウェブメディア「ハンター」(福岡市)への家宅捜索が、端緒だった。前部長が文書を送った北海道のライターは、「ハンター」と情報を共有していた。報道機関への強制捜査は極めて異例で、取材源の秘匿と報道の自由を脅かし、公益通報の芽をも摘みかねない。まず、鹿児島県警の前生活安全部長の情報提供先が新聞社やテレビ局ではなかったことを、既存メディアは真剣に捉えるべきだ。今回、ウェブメディア「ハンター」がかなり前から鹿児島県警の問題を指摘していたにもかかわらず、どの社も後追い報道に及び腰だった。再審請求で弁護側に利用されないよう捜査書類の廃棄を促していたり、市民の個人情報を悪用して警察官がストーカー行為に及んでいたり……。その後明らかになった県警の不祥事は本来、地元の権力と距離を保てる全国紙こそが記者を何人も送り込み、徹底した調査報道で追及すべきものだった。

 日経新聞5日朝刊の1面トップは「東証時価総額、初の1000兆円 日経平均最高値4万913円」と大見出し。日経平均株価は史上最高値を3カ月ぶりに更新、グローバル企業が多い東証プライム市場の時価総額は初の1000兆円に達した。そんなに景気がいいのか、覚めた目で記事を読んだ。円安を追い風に収益率を高めている大企業の製造業と脱インフレによる金利上昇がプラスになる金融などがけん引役と同記事は解説した。

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