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Geto Boys - Mind Playing Tricks On Me: 1990年代にも見える精神薄弱

2021年に自分が一番再生した曲は、Geto BoysのMind Playing Tricks On Meでした。この年は何故か90年代のラップをよく聴いていたようです。今は他記事からも推察できる通りインディーズがお気に入り。人の好みは回帰しますから、寄り道しながらもこのジャンルにまた戻ってくることでしょう。

この曲はいわゆるサビの代わりに間奏が用いられ、4パートに分かれて3人が歌う構成です(1番と3番は同じ人が担当)。被害妄想に取り憑かれた人々の様子を複数の視点から描いています。ミュージックビデオではそれぞれの特性を色濃く反映し、問題の重要性を深めています。1991年発売のアルバムに収録された本曲ですが、今から約30年前にも現代の精神病に通じる被害が存在していたことが伺えます。メジャーアルバムを複数リリースしたラッパーグループのGeto Boysでさえ、このような思考を一片持っていたのは意外とも言えるでしょう。曲が進むにつれて悪化していく思考と現実への影響、精神病の脅威を上手く啓蒙してくれつつ、問題を重く思わせ過ぎないリズミカルな音楽も見事です。

90年代にはドクター・ドレ―やアイスキューブ等のギャングスタラップが流行していましたが、同時にクーリオのGangsta's paradiseのような社会的メッセージ性の強い楽曲も多くリリースされました。ラップの持つイメージ的には社会への反抗、悪行が連想されることも多いかもしれませんが、歌詞に注目してみるとその実社会問題への訴え、現状への嘆きを歌っていることも珍しくありません。歌詞の意味を知って曲への印象が大きく変わることも頻繁に起こるでしょう、歌詞の対訳サイトが多く存在するのも納得ですね。

この曲はゲーム: グランドセフトオート5のラジオ局West Coast Classicsにも収録されています。ゲームの売上規模から考えると、一度は聴いたことがある人も多いでしょう。ストレスが溜まってネガティブ思考になりつつある人は、ゲームでもして一旦全て忘れてしまうのもアリかもしれません。実際自分は良くそうしています。

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