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戯曲ロイヤルランブル

日本時間2024年1月28日の午前に、WWEの四大大会の一つ、ロイヤルランブルが開催されます。
ロイヤルランブルはWWEの歴史的発明であり、他団体も名前を変えて模倣するほど人気の試合形式となっています。

そんなロイヤルランブルですが、楽しみ方は普段の試合とは全く異なります。今回は大会の概要と自分なりの楽しみ方をご紹介します。


概要

ロイヤルランブルとは、時間差で複数(基本は30名で、年によって20~50名の場合あり)名の選手が入場していき、トップロープを超えて相手を落とし合い、最後の一人まで残っていた選手の優勝となります。

優勝者はその年のレッスルマニアで最高王座に挑戦でき、メインイベントを張ることになります。
近年は女子部門でも試合が行われており、総勢60名がその日の優勝を競って争うこととなります。

ポイントは、入場曲が流れるまで誰が出てくるか分からない点。参戦表明しているレスラーの他にも、引退したレスラーの復帰や、有名タレントのゲスト出演、コメンテーターの参戦等、様々なサプライズが用意されています。

レスラーの順番も重要で、当然後に入場するほど有利となりますが、下馬評を覆して一番目で入場するレスラーの優勝も幾度となく発生しています。

通常の試合と異なり、相手からフォールを奪う必要が無いため、レスリングの技術は必要ありません。入場から退場までいかに見せ場を作れるかがロイヤルランブルの盛り上がりのカギを握っています。

持論:ロイヤルランブルとはオペラである

誤解を恐れずに言うと、WWEの試合は事前に結果が決まっています。当然ロイヤルランブルでも誰がどの順番で出てくるか、誰がどの段階で脱落するか等は緻密に計算されています。

その中で、誰をどの順番で出したら観客が一番盛り上がるか、誰と誰のライバル関係を演出するか、誰を優勝させてレッスルマニアのメインイベンターに仕立て上げるかは、裏方の年間で一番の腕の見せ所と言っても過言ではありません。

30人も参戦する訳ですから、残念ながら全ての入場が盛り上がるわけではありません。途中の中弛みや飽きを防ぐため、要所要所で盛り上がりを作る必要があります。
引退済みの有名レスラーが久しぶりに登場すれば観客は盛り上がりますし、昔ライバル関係にあったレスラー達を対面させれば次の展開への期待は再燃します。

誰が優勝するかバレバレの場合も白けてしまいます。2014年のロイヤルランブル戦はバティスタ選手の復帰をサプライズではなく事前の番組で行ったため、当日彼が優勝するだろうという空気が強すぎて、会場が純粋な気持ちで楽しむ雰囲気になりませんでした。当該の試合は下から観ることが出来ますが、動画でも分かる通り復帰した彼は不幸にもブーイングに晒されることになりました。

ロイヤルランブルをオペラに例える理由はもう一点、入場曲の魔力にあります。

知らない選手が知らない曲で登場しても当然ながら盛り上がりません。曲のイントロで誰が出てくるか一瞬で分かる知名度が必要です。
これは週間でプロレスを放送し、着実に知名度を高めているWWEだからこそ出来る芸当でもあります。
例え知らない選手でも、モニターの映像で誰が出てきたか分かるようになっているため、デビュー選手もわかりやすくなっています。

2016年にAJスタイルズがロイヤルランブルでデビューした際には、会場はWWE初登場とは感じさせないほどの盛り上がりを見せました。通常他団体出身の選手は下部組織NXTで経験を積むのが一般的ですが、インディーズでの輝かしい経歴からいきなりトップ戦線に乗り込んだスタイルズは、WWEファンにも相応に認知されていたようです。

最後に

ロイヤルランブルが終われば、WWEの年間総決算であるレッスルマニアへのストーリーが始動します。

そのレッスルマニアのメインイベントが男女一試合ずつ決まる重要な試合が通常と全く異なる、30人入り乱れるバトルロイヤルで決まるのはWWEがスポーツ・エンターテインメントを自負する所以でもあります。

この興行は今年で36年目を迎えます。Abemaでの配信が始まり日本での知名度も高まっていくと見られるWWE、アメプロのエンタメ性が凝縮されたこの大会はWWEを見始めるには最適の機会になると思います。

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