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E3 2016 Sonyカンファレンスを振り返る

近年中止が続いているE3。かつては新作ゲームの発表と言えばE3のカンファレンスと言うのが定番でしたが、コロナウイルスの影響やThe Game Awardsの台頭、情報リークによる評判低下によって以前よりも注目度は落ちてしまっているようです。それを決定づけたのが2019年のソニーの撤退。PlayStationに関する新情報は独自のショーケースで発表する方針へと転換しました。今では多くのパブリッシャーが自社でライブ配信を行うことが出来るため、E3は2024年以降も開催が危ぶまれています。

今回は、そんなE3で行われたカンファレンスの中でも特に高い評価を持つ2016年のSony PlayStationの発表を紹介します。

オープニングは動画内30分程から開始。生演奏が始まり、ゴッドオブウォーの実機プレイが初披露されます。主人公のクレイトスが登場するシーンでは会場が歓声で包まれています。PlayStation 4では初の新作となるゴッドオブウォーは、今作から家族愛等の物語性を強め、ナレティブ主導のゲームに生まれ変わっています。

次に発表されたのがDays Gone。完全新作であり、ゾンビの出現によって混乱した世界をバイカーが生き残る世界観を紹介しています。Days Goneについては最後にゲームプレイ動画が用意され、ここでの紹介は一部にとどまっています。

人喰いの大鷲トリコが次に発表されました。PS2の傑作ICOやワンダと巨像を手掛けたJapan Studioが開発を担当しています。発売日も発表されました。

次に流れたのがHorizon Zero Dawnのプレイ映像。初出は2015年のE3でしたが、今回は戦闘や探索に比重を置いた動画が10分にも渡り放送されました。大自然と機械獣による美麗な世界観が観客の注目を集めます。

Detroit Become Humanのティザー映像が次に流れます。アンドロイドが人間と共生するデトロイトが舞台のアドベンチャーです。後に体験版にも採用されるコナーの最初のステージが編集されて再生されます。一見操作不可能なシネマティックトレーラーのようですが、実際のゲームプレイはまさにこの動画をそのまま体験できる造りとなっています。

次のホラーゲームの映像は一人称視点と廃屋の雰囲気から伝説のデモP.T.を感じさせますが、実際はバイオハザード7の発表でした。最後には発売日も発表されるサプライズまで用意されています。

ここでショーはPlayStation VRの紹介を挟みます。発売日と価格が発表され、50以上のゲームが2016年内に発売されると発表しました。

VR向けの発表が一段落すると、コールオブデューティの発表に移ります。宇宙を舞台とするInfinite Warfareのプレイ映像とともに、PS3時代の傑作Modern Warfareのリマスター版が一部エディションに付随することが発表されます。再生部分の盛り上がりを見ると、新作よりもリマスターに注目している人が多かったようです。

ライブサービスゲームとレゴ:スターウォーズの発表があった後には、小島秀夫監督が会場にサプライズ登場し、Death Strandingの発表を行います。発表当時は俳優のノーマン・リーダスが登場すること以外ゲームについて詳細な情報は明かされませんでした。

カンファレンスも終盤に差し掛かる中、スパイダーマンのゲームが発表されます。シネマティックの中に一部ゲームプレイ映像が差し込まれ、ニューヨークを飛び回る体験を期待させます。開発担当はラチェット&クランクシリーズの製作で名が知れるInsomniac。このスタジオはスパイダーマンの開発でスタジオの評判と実績を確固たるものにします。

最後にお披露目となったのがDays Goneの実機プレイ映像。前半のトレーラーの続きから始まり、ゾンビの大軍と納屋で対峙するシーンが7分間展開されます。そのゾンビの数は映画と遜色ない夥しさです。前世代機では表現不可能な処理能力とビジュアルを披露しています。

1時間強放送されたこのカンファレンスは、今でも多くのファンの思い出に残っています。特に注目したいのがゲームプレイシーンの多さ。ゲーム紹介ではプレイ映像を見せないシネマティックトレーラーが用いられることもあるのですが、この発表では半数以上の発表がゲームプレイを取り上げ、実機でどのように動くかも披露されました。発表で観たものが自分の手でプレイできるというのは、ファンの期待を高めるこの上ない手段でしょう。

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