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レトロな喫茶店で、アイスコーヒーを飲みながら『絵を見る技術』を学ぶ。

クールビズが浸透して、ノーネクタイが当たり前の世の中になりましたが、どうしてもスーツの上着を着なければいけないことがあります。
移動中は流石に着ないとしても、上着を持っているだけで、暑くてたまりません。

先日も上着を持ってJR横浜線に乗っていると、アイスコーヒーでも飲まないとやってられんわ、という気持ちになってきました。
そういえば、大口駅の近くに、ぴあMOOK『横濱の喫茶店』に掲載されていたお店があったなと思い、思わず途中下車をしました。

大口駅を降りて検索すると、意外と近いところにそのお店はありました。
駅から近いといっても、そこは住宅街です。駅ビルにあるようなチェーン店のカフェとは、イメージが全く違います。

横浜市神奈川区大口『鹿鳴館』

お店に入るとテーブルや椅子、食器棚や照明器具に至るまで、全てがレトロな雰囲気です。

描いていた通りのお店で一安心。
一番手前の席に落ち着き、アイスコーヒーを注文しました。
クッキーと一緒に持ってきていただたいたアイスコーヒーを一口飲んで、「やっぱり夏は暑い方がいいね」と、さっきまでとは全く違う思考になってしまっています。
一緒に出していただいたクッキーの甘さが、暑さで疲れた体へのご褒美です。

少し落ち着いたところで、鞄に入れていた秋田麻早子(著)『絵を見る技術』を読みながら、絵画のお勉強。
「なるほど、フォーカルポイントね」とか「リーディングラインかあ」など、今まで知らなかったことを学びながら時間を過ごしました。

気持ちのいい時間を過ごさせていただき、席を立ってお会計をしようとすると、オーナーさんが「そこにベラスケスの絵がありますよ」と教えてくれました。
全く気付かなかったのですが、なんと自分が座っていた真後ろにその絵はありました。
先代のオーナーさんが、絵画が好きで買ってきたものだということです。

ディエゴ・ベラスケス『ラス・メニーナス』

改めてその絵を見ます。
フォーカルポイントは分かるのですが、どうしても点でしか絵を見ることができません。
しかし、無意識のうちに視線を動かしていることに気づきます。
なるほど、これがリーディングラインかもしれない。

思わぬところで『絵を見る技術』を体感することができ、もっと本物の絵を見たい、美術館に行きたいという気持ちにさせられました。
そして、まだまだいろんな喫茶店を楽しみたくなりました。


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