【第一種電気工事士】筆記試験 難問解説 平成30年(2018年) 第5問
1、はじめに
この記事では、過去に第一種電気工事士 筆記試験で出題された難問について解説していきます。第一種電気工事士の筆記試験では過去に出題された問題がそのまま引用されて出題されたり、数値をかえただけで同じような内容について問われることがほとんどです。過去に出題さた難問を繰り返し演習して解いていくことで、筆記試験の対策を効率的に進めていくことができます。
今回は、平成30年(2018年) 第一種電気工事士筆記試験 第5問について解説していきます。
問題
図のように、線間電圧V(V)の三相交流電源から、Y結線の抵抗負荷とΔ結線の抵抗負荷に電力を供給している電路がある。図中の抵抗Rが全てR(Ω)であるとき、図中の電路の線電流 I(A)を示す式は?
2、出題の意図
この問題は、Y結線とΔ結線の抵抗負荷における線電流の関係性から、三相電源の結線方式に関する基本的な計算方法について問われている問題です。特に、この問題のように具体的な数値があたえられなくて、文字式で回答を導き出す問題はため注意が必要です。
3、問題の解説
Y結線の線電流を求める
point !
Y結線の特徴
・線間電圧 = √3 × 相電圧
・線電流 = 相電流
よって、線電流は以下の図のとおりとなります。
<Y結線の線電流の計算方法>
① 相電圧 V'は線間電圧 Vの√3分の1なので、
V' = V / √3(V)
② 線電流 = 相電流なので、オームの法則より
∴Y結線の線電流 I = V / √3R(A)•••(a)
Δ結線の線電流を求める
point !
Δ結線の特徴
・線間電圧 = 相電圧
・線電流 = √3 × 相電流
よって、線電流は以下の図のとおりとなります。
<Δ結線の線電流の計算方法>
① 相電圧 = 線間電圧
② オームの法則より、相電流 I' = 相電圧V / R
③ 線電流 = √3 × 相電流なので、
∴Δ結線の線電流 I = √3V / R(A)•••(b)
以上から、Y結線とΔ結線を接続した電路の線電流 Iは、
I = (a) + (b)となり、
I = (V / √3R) + (√3V / R) =
→ 共通項のV / R を前に出して
V/ R × (1 / √3 + √3)
正解は、ハ. V / R × (1 / √3 + √3) となります。
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