見出し画像

~強気相場転換のお知らせ~ 23年8月スタート 今回の弱気相場の振り返り

 8月上旬から始まった調整相場は、約2か月続いた後10月上旬を底値に反転へと転じました。
この調整相場がどのように進行し、上昇へと切り替わってきたのかを改めてレビューしていきたいと思います。

下に今回の調整相場のS&P500のチャートを掲載します。

'23 Q3調整相場の全体像

 前半戦は8月~9月中旬まで、金利高止まり懸念をテーマとしてマーケットは動いてきました。
 8月初旬から下旬まで下落した後、PCEと雇用統計、CPIを睨む形で一旦リバウンドしています。
この前半部分は過去の投稿に詳細を記載していますので、そちらをご覧ください。

 それでは、以降の後半部分の値動きについて、日を追ってみていきましょう。

9/20(水):
 FOMCが開催されます。
開催後の記者会見にて、パウエル議長はソフトランディングに自信を示しました。経済予想サマリーの内容も、先行きのGDPを大幅上方修正する強い内容でした。ドットチャートの金利予想も上方シフトしています。
金利高止まり懸念が再燃、この日を境にしばらく落ち着いていた株価も急降下を開始することになります。

9/22(金):
 連邦議会閉鎖問題が勃発します。
米国債が売られ、金利が上昇します。昨年の高値を超え、5%目前というところまで上昇していきます。
これを受けて、S&P500は直近8月中旬の安値を割り込む形となりました。
 この時、Fear & Greed Indexは昨年3月以来初めてExtreme Fearをつけ、市場の恐怖感は最高潮に達します。

9/28(木):
 議会閉鎖タイムリミットの10/1(日)を目前に控え、バイザファクトの形で株価は一旦の反発を試みます。

10/2(月):
 前日に連邦議会のつなぎ予算(11/17まで)が成立。議会閉鎖問題は話題の中心ではなくなりました。
 同時に、この日はISM製造業景況指数の公表日でもありました。
数値は予想47.7に対し、結果49.0。景気が強いこと、つまりインフレ継続を感じさせるネガティブな内容でしたが、株価は上昇する結果となりました。
この日、ネガティブニュースはネガティブニュースとして機能しなくなりました。
売りは尽きたのです。

10/3(火):
 S&P500は大きく下落し、直近9/26の安値を一時割り込みます。
ところが、S&P500は長期で重要とされている200日移動平均線にタッチすると、すぐに反発。
上昇を開始する前に、売り圧がないことを試しに行ったのだと思います。
 この日を境に相場のセンチメントは徐々に好転していきます。
この時の相場の所感については、過去の投稿に詳しく記載していますのでそちらをご覧ください。

10/6(金):
 この日は雇用統計が発表となりました。
平均時給(前月比)は予想0.3%に対し、0.2%。失業率は予想3.7%に対し、3.8%
と若干ポジティブ、賃金インフレの減速傾向が見られました。
 しかしながら、非農業部門雇用者数は予想16.6万人に対して、結果33.6万人。大きなネガティブサプライズとなり、発表直後の株価は急降下します。    
しかし、マーケットが開くとすぐに急反発。元の株価を超えていき、センチメントがすでに強気に傾いていることが明確になりました。
ネガティブニュースがネガティブニュースとして機能しなくなったことがはっきりと分かった瞬間でした。

10/6以降:
 雇用統計の発表後、FRB高官のハト派発言が相次ぎました。
11月FOMCへ向けて、金利引き上げ停止期待とQ3決算を織り込む形で相場は動いています。

■総括

 8月初旬から9月末までの2ヶ月にわたり、マーケットはインフレ・金利高止まりをテーマに動いてきました。
 9月下旬の最終局面では、インフレとは関係のない政治ショー(議会閉鎖問題)により金利が上昇することで、セリングクライマックスを演出し、下落局面は終了となりました。
 10月に入り売り枯れが確認できると、センチメントは好転。雇用統計とFRB高官の相次ぐハト派発言が上昇相場を後押しする形となっています。

 次回は、23Q4おすすめのETFを紹介したいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?