カザフスタン航空会社 エア・アスタナ ロンドンとカザフスタンで1/29(月)IPO
来る1/29(月)、ロンドン証券取引所、カザフスタン証券取引所、アスタナ証券取引所にエア・アスタナがIPOします。
エア・アスタナはカザフスタンのナショナルフラッグキャリアです。ロンドンに上場するカザフスタンの銘柄と言えば、金融系が主で、シクリカルな事業会社は原子力のカザトムプロム(KAP)位でした。
当noteでは、次なる成長エリアとして中央アジアに注目していますが、カザフスタンはその中でも最大の経済大国かつ、投資環境も整備されたリーダー的存在です。
今回のIPOを基に、もっとロンドンやナスダックにカザフスタン銘柄をIPOしてほしいです。特に、ロシアボイコットに関係してくるシクリカルなものが増えてほしいです。
エア・アスタナについて
中央アジアを中心に、コーカサス、欧州、アジア、中東への路線を就航しています。
カザフスタン国内線およびカ国際線における市場シェアはそれぞれ69%および40%となっています。また、最大隣国であるロシアからの競合他社が存在しないことも当社の業績に良い影響を与えているとのことです。
傘下には、LCCのフライアリスタンを所有しています。
また、カザフスタンの航空旅客数は近年急成長しており、魅力的なマーケットを持っています。
決算資料を確認
直近の決算資料より、売上高、利益率ともに順調に拡大しています。
EPSもバッチリです。
COVID-19の影響からの復帰
2023年9月エア・アスタナ・グループは2019年旅客数の156%を達成しました。収益は132%となりました。
2022年の総旅客数は1300万人に達し、パンデミック前の2019年の1090万人を上回っています。COVID後(2020年以降)は、世界平均を上回る速度で回復し、年平均成長率60.6%を達成しています。
長距離路線を視野に入れないポイント・ツー・ポイントの成長戦略
カザフスタンの総航空旅客数は、2022年の約750万人から2027年には1210万人に増加すると予想されています。年平均成長率は13%です。
中央アジア・コーカサスと、中国、インド、中東、ヨーロッパなどの大規模な航空市場との間をつなぐハブとしての役割を強化すると発表しています。(=新規路線)
フライアリスタン(LCC)については、中国西部および中部、インド、湾岸諸国、パキスタン、東ヨーロッパにおけるネットワーク拡大の機会を伺っています。(=新規路線)
ポイント・ツー・ポイントの小旅行という流行の旅行トレンドを重視するとのことです。半径数時間以内の「ブルーオーシャン」路線に重点を置くと言い切っています。
総括
カザフスタンは、ユーラシア大陸における、東アジア、南アジア、ヨーロッパ、中東の中間点に位置しています。
エア・アスタナは、長距離路線ではなくこれら地域のハブとしての利用に重きを置くことを明言しています。
これは地政学的な利点を活かしたとても面白い戦略だと思っています。
LCCのフライアリスタンも、数時間以内の小旅行をブルーオーシャンと位置づけています。
カザフスタン国内の旅行客としての視点から見ても、この距離には、中国西部、インド、中東、東ヨーロッパ、トルコ等とてもバリエーションに富んだ旅行先が存在します。
ガンガン新規路線を就航させると言っていることから見て、需要の伸びしろは大きいのだと思います。
投資判断としては、グロースファクターとして、どれだけ新規路線を就航させるかどうかを見ていくことになるでしょう。
その上で、ちゃんと四半期の売上と利用旅客数がついてくるかだと思います。
参考資料
エア・アスタナIPO資料:
https://airastana.com/global/en-us/IPO-Materials
エア・アスタナIPOのニュース:
カザフスタンの航空輸送旅客数:
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