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'23/4 wk4 カントリーローテ観察 ”猛烈な欧州の追い上げ”

 国別ETFのチャートを元にどの国が強いか、カントリーローテーションを見ていきたいと思います。
今回は量が多いので、見やすいようにGoogleスライドを使っています。

※Googleスライドの見方

国別ETFチャート分析

※直近3か月のチャートを表示しています。

南北アメリカ

 2月高値でぐずついた動きを見せる国が多いです。

・メキシコ
 2月高値に差し掛かっています。
・コロンビア
 昨年6月以降の長期の下降トレンドを上抜けました。チャートとして
 強くはないものの、1,2か月の上昇の初動としては良い位置に差し掛かって
 いると感じます。

ヨーロッパ

 全体的に優等生です。金融ショック以降の出だしこそアメリカに遅れましたが、その後急激な追い上げを見せ、2月高値を更新した国が多数を占めています。

・南欧諸国(イタリア・スペイン・ポルトガル・ギリシャ)
 昨年10月~2月同様、安定した強さを見せています。
・スイス
 2月高値更新後も勢いが衰えていません。
アイルランド・デンマーク
 2月高値を更新しています。
・フランス
 
2月高値を更新後も勢いは衰えていません。

アジア

 全体的に弱いです。ドル高に振れた際の反動がすごく大きいため、アメリカの金利予想に振り回される流れになっています。
・インドネシア
 2月高値を更新しています。

中東・アフリカ

 産油国勢の3月以降の追い上げがすごいです。
・サウジアラビア
 1月高値を更新しています。
・ナイジェリア

 直近大きな出来高を伴って急上昇しました。

総括

 2月金融ショック後、初動は大型テックを中心にアメリカが先導しましたが、その後欧州が猛烈な追い上げを見せ、現在は欧州優勢となっています。
中東産油国勢の追い上げも目立ってきています。
また、ドル安が一服すると同時に、アジアと南アメリカの新興国も軟調になっています。
次の転換点は、欧州vs.米バトルに関しては来週のGAFA決算です。決算後にアメリカ株が再び優勢になるかどうかに注目です。
先進国(アメリカ)vs.新興・途上国(南アメリカ・アジア)に関しては、FOMCです。金利見通しを受けてドル安が進むかどうかに注目です。

個人的に惹かれる国

フランス
 メジャーな国では最も強いです。LVMHに代表される今トレンドの消費関連銘柄が多いことが強さの理由ではないかと考えています。

スイス
 流石安全通貨と言われるスイスフランの国といった印象です。いつまで続くか分かりませんが、景気後退が話題に上がっている間は強いと思います。

南欧諸国
 欧州でもトップクラスに強いグループです。メディアでの言及もほとんどないため、だましや振り落としも少ないのではと考えています。詳しい経済情勢はよく分かりません。

アイルランド
 今年の三月に、ブレグジット後の懸念事項であった北アイルランド問題が解決に向けて大きく前進しています。
アイルランドは税金が安く、元々アメリカ企業にとっての、EU市場向け経済特区のような役割を果たしてきました。北アイルランド問題の進展によってはかなり面白いポジションの国になる可能性があると思っています。

ナイジェリア
 長期で対ドルレートが下降トレンドであった通貨も下げ止まっています。純粋な経済成長の他、ウクライナ戦争以降のEUのエネルギーサプライチェーン再編に伴って、石油関連の需要もあるのではと考えています。

カタール
 チャートとしては下降トレンドを脱していませんが、夏にかけて持ち直し、夏以降上に上がっていく可能性も視野に入れています。
カタールはウクライナ戦争以降、EU諸国がこぞって天然ガスの輸入パートナーシップを結んだ国であるため、冬に向けて上昇するかもしれません。

気にしたい大手投資メディアの言及

 今年の1月に大手メディアの言及があったヨーロッパは、1、2月の間アメリカ指数をアンダーパフォームしました。
また、新興国(南アメリカやアジア諸国)も1,2月に話題に上がった後、軟調になったのは記憶に新しいです。
今まで話題に上がることのなかった国が急に取りざたされた後は、1・2か月程度パフォーマンスが低下する可能性は視野に入れておく必要があると思っています。


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