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刑務所に入った話11〜拘置所雑居編I〜

作業が終わり、夕ご飯を食べ、余暇時間がやってきました。

雑居にきて初めての余暇時間です。

人見知り爆発中のわたしは、どうやってみんなの話に入ろうか悩んでいました。

元々部屋にいた3人はすでに仲が良いみたいで、
ひらめちゃんは人見知りとは正反対の方。

その時は、円になって話していたのですが、運良く円の中に入れてもらえてました。

そして話は刑務所の話へ。
わたしはその時、刑務所が複数の県にあり、
どこの刑務所に行くのかわからないということを全く知りませんでした。

その時ほっけさんが1枚の紙を取り出しました。
どうやら女子刑務所がどの県にあるのかということが書かれている紙のようでした。外にいる方から差し入れで入れてもらったと言ってました。

ちなみに、受刑者は人からものを借りてはいけません。どんな些細な小さな物であってもです。

あげたり、貸し借りがばれると懲罰の対象になります。(懲罰の話はまた後で詳しく書きます)

でも、みんな先生にバレないようにこっそりやります。

その時もひらめちゃんがすでに見せてもらっていました。

わたしは刑務所についての予備知識が全くなく、
一番近い場所はどこなのか、逆に遠い場所はどこなのか、、とすごく気になっていました。

なので、勇気を振り絞りほっけさんに、

わたしもその紙みたいです、、‼︎

と声をかけました。

ほっけさんは見た目がクールビューティーな方だったので今思い出してもこれはとても勇気を出したなと思います。

ほっけさんはいいよと言って紙を見せてくれました。感謝、感激。

女子刑務所は、栃木県・福島県・和歌山・札幌・加古川・笠松・岩国・美祢・麓の計9箇所でした。

思っていた以上にあるんだなあ、、このうちのどれかに行くのかあなんて他人事のように考えていました。

そしてそれをきっかけに話の輪に加われるようになりました。

ほっけさんは拘置所にすでに1年もいるらしく、
色々と教えてくださりました。

そしてひらめちゃんは歳がわたしの1個下だということでかなり意気投合しました。話すと他人思いのとても良い子でした。

21時になり、就寝時間となったため、その日は寝ました。

そして次の日、先生が来ていきなり、

ほっけさん以外の人は壁の方向いて座ってー。話さないでねー。ほっけさんは荷物まとめてー。

と言ってきました。
わたしは何がなんだかわからず、頭の中はてなマークだらけでとりあえず壁の方を向いておとなしく座っていました。

そしてほっけさんが荷物をまとめ終わり、
部屋から出て行ってしまいました。

先生もいなくなり、何だったのか聞いたところ、
ほっけさんは明日刑務所に移動するから、部屋を出て行ったと聞かされました。

聞いたところ、刑務所に移動する前の日には荷物の検査等があるため、違う部屋にうつされるとのこと。

結局ほっけさんとは1日だけの付き合いでした。

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