イタチ族のウタカゼ

システム「ウタカゼ」
PL人数1~2人

プロローグ

君たちは訳あってイタチ族に育てられたコビット族だ。
幼いころからイタチ族の部族で育ててくれたのは乱暴者の「ダルブ」とイタチ族の中で隋逸の人格者として知られる「ライホ」
2人は拾った君たちに剣を教え、一人前に鍛えてくれた。
ある時、イタチ族の族長を決めることになり、育て親であるダルブとライホのどちらかにするという話になったが…

オープニング

ある日PLたちは互いに腕を競っていた。
PL同士で対抗判定【勇気】+戦い
もし、1人プレイの場合はGMが振ること。
勝者にはご褒美として「古の松明」が与えられる。

すると君たちの親のダルブとライホが現イタチ族長に呼び出される
族長「ワシはこの通りもう歳じゃ。そこで新しい族長をダルブかライホのどちらかにしようと思う」
「そしてこれはダルブとライホだけの問題ではない。育てられたお主たちも族長の教えを守る者と見本とならなければならない」
「そうでなければイタチ族の皆に対し示しがつかないからの」
「お主たちも技を磨き心身を鍛え、見本となる存在となれ。そして優れたものが次期族長としよう」
その言葉を聞き奮い立ったPLと二人のイタチ族。
彼らは次の族長を目指し切磋琢磨していくのであった。

次の選択肢がGMから提案できる。もしPLが別の案を提示して来たらソレを採用してもよいだろう。
採用された選択肢に準じたクエストを3つ採用しよう。
別々の道を進んでも同じ道を辿ってもよい。
1人プレイの場合は別ルートを通ったことにするとよいだろう(ただし、クエスト自体は失敗しているものとする)
選んだ選択肢によってターニングクエストが変わってくる

・いろんな族長の話を聞きに行く
「冒険」クエストを大目に採用しよう。
ターニングクエスト
長い冒険の果てにとうとう他種族の族長と対面することができた
他種族長「長い旅ご苦労じゃったな」
「ただその長旅も何も学んでいなければそれは単なる浪費にしかすぎぬ」
「数々の冒険で何を得たか話してみよ」
【愛情】+心話[難易度3]で判定
ただし道中のクエストで失敗した数だけ難易度が+1される
達成した場合
他種族長「なるほど、其方たちは良き旅をしたようじゃ」
「数々の困難、苦しみ、それを理解することが上に立つものの素質」
「其方たちは良き長となれるだろう」
上に立つものとしての素質を手に入れることができる。友情のレベルが1上昇。
失敗した場合
他種族長「残念じゃが、其方たちはこの旅のことを理解しているようには見えぬ」
「其方たちには上に立つものの素質が欠けてしまっている」
その言葉を聞き、PLの心に黒い何かが産まれるのを感じる…。

・自身の腕を磨く
「戦闘」クエストを大目に採用しよう。うち1つは回復クエストを入れること
ターニングクエスト
修行し心身鍛えた君の前に黒い影が立ちふさがる
影は「絶望の風」を使用しPLを切り刻もうとしてくる
【知恵】+狩り[難易度3]で判定
ただし道中のクエストで失敗した数だけ難易度が+1される
達成した場合
黒い影の攻撃を無事避けることができた。
しかし、黒い影はそのまま姿を消してしまう。
アレはいったい何だったのだろうか…
希望が1上昇。
失敗した場合
黒い影の攻撃により気絶してしまう。希望が1減少
PLを育てたイタチ族(ダルブかライホ)が助けてくれた。
「すまない、私がお前を拾わなければ……」気絶する間際そんな声が聞こえた
君の体に黒い何かが産まれてしまったような気がする。

・自分とは何かを見つめ直す
「調査」クエストを大目に採用しよう。
ターニングクエスト
自分のルーツを探っていると君たちと血の繋がった父親と出会うことができる。
「よかった…こんなに大きくなって…」
「小さいお前と生き別れてしまって…どうしても見つからなかった。ずッと探していたのに」
【知恵】+感覚[難易度3]で判定
ただし道中のクエストで失敗した数だけ難易度が+1される
達成した場合
君はコビット族である父親と対話することができた。
どうやら君は意図せず生き別れになってしまったようだ。
対話することで君は父親の愛情を知ることになるだろう、そして同時に育ての親の愛情も
以後判定で1回だけダイスを1個増やすことができる

失敗した場合
「長い間放っておいて今更…」そんな感情が君の中で渦巻きだす。
それは育ての親であるダルブ(ライホ)に対する想いもあったのかもしれない…。
相反する感情が君の中で黒い何かを大きく育てていく

クエスト:次期族長決定戦
とうとう族長を決定する日がやってきた。PLたちと同様、ダルブとライホもこの日のために腕を磨いてきたのだ。
ダルブとライホは闘技場でぶつかり合い、PLたちは観客席でそれぞれを応援することとなる

2人への応援
対抗判定【愛情】+心話
対抗判定で勝ったほうが次期族長となる
もし、それまでに「黒い何か」が心の中で成長していた場合は、自身の親を族長とするために出現し、PLの肉体を乗っ取る。
成長していなかった場合は「黒い何か」が単体で出現する

突如闘技場に出現した「黒い何か」は次期族長に手をかけ、空高く飛んで行った。
観客席の誰かが「あっちにはコビット族の集落がある方角だぞ!」と叫ぶ
アレを放置しておくと何が起こるかわからない。
PLたちは急いで「黒い何か」を追うのだった。

クエストを3つぐらい選択肢挟む。
もし「黒い何か」に乗っ取られていた場合は呪いを3つ(悪意は10とする)受けることになる
PLの行動指針で良いのがあれば採用してもよいだろう

エンディングクエスト

コビット族の村に辿り着くと黒く赤い目をした魚類のようなものが暴れている。
あれは鯨の姿をした悪意「バハムト」だ。
もしPLが乗っ取られている場合はPLの肉体からバハムトが出現していることがわかる。
鯨ではあるが、地表や空を海の様に泳いで攻撃してくる。


バハムト 悪意10
種別:悪意の精霊 大きさ200cm
凶暴6 <戦い>0 ダイスプール6
    <冒険>0 ダイスプール6
    <疾走>0 ダイスプール6
狡猾5 <狩り>0 ダイスプール5
    <感覚>0 ダイスプール5
    <学問>0 ダイスプール5
憎悪3 <歌 >0 ダイスプール3
    <説得>0 ダイスプール3
    <心話>0 ダイスプール3
攻撃方法 <戦い> 圧し潰し
     <狩り> 噛みつき
     <歌 > 恐ろしい鳴き声

戦闘中、希望が0になるとダルブ(ライホ)が手を貸してくれる
自身の命を燃やし力を与えてくれるのだ
以後、龍の目を新たに一つ加えることができる。
PLが乗っ取られる場合、呪い「絶望の風」を受ける。
これは成功しないか希望が0にならない限り解放されることはない。
絶望の風から解放されない限りそのPLはバハムトに攻撃できない。

エンディング

バハムトを退治したPLたち…。
偶然にも救ったコビットの集落には君たちの実の父親が住んでいた。
君たちはイタチ族の誇りとコビット族の勇気、二つを併せ持つ稀有なウタカゼとしてこれから物語を紡いでいくだろう。


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