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Abaqusチュートリアル(接触・発熱解析)

Abaqusの操作に慣れるために、UmedyにあるAbaqusチュートリアルをやりました。

1.解析内容

1.1 解析概要

箱と板を接触をさせた状態で、荷重かけつつ、板を移動させたときの箱の発熱と板の動きををシミュレーションします。(陽解法と呼ばれる解析手法です)
寸法:下図参照

・寸法:箱10mm立方体、板30mm x 50mm x7.5mm
・箱物性値
ヤング率20000MPa、ポアソン比0.29
熱伝導率:0.235W/K/mm、比熱:490J/kg/K、密度8000kg/m3
・板物性値
ヤング率20000MPa,ポアソン比0.33
熱伝導率:0.45W/K/mm、比熱:910J/kg/K、密度2800kg/m3
・荷重:箱上面にZ方向0~-50N/mm2(0.1秒間に時間比例にて負荷)
・速度:400mm/s
・摩擦係数:0.3
・初期温度:298K
・解析時間:0.1秒間
・箱下面と板上面の結合設定:ペナルティー法、有限すべり

使用ソフト:ABAQUS STUDENT EDITION


1.2 解析結果

1.2.1 開始時

計算結果を見ていきます。
コンター図は変形図です。メッシュが粗い(要素の数が大きい)のはAbaqusStudent版の制限で接点が最大1000までのためです。
NT11で要素全体の温度を確認します。

温度分布
応力分布

1.2.2 0.005秒後

温度(NT11)を見ると、箱と板の接触部とその周囲が温度上昇しているとともに、箱が-X方向に移動しています。
この時の時間は、StepTimeに示されており5.004x10^-3(約0.005秒)です

温度分布

応力も同様に箱に荷重がかかっていることから、箱とその周辺に応力がかかっているのが見えます。

応力


1.2.3 0.02秒後

温度(NT11)を見ると、箱と板の接触部とその周囲が温度上昇しているとともに、箱が-X方向に移動しています。
この時の時間は、StepTimeに示されており2.004x10^-2(約0.02秒)です

温度分布

応力も同様に箱に荷重がかかっていることから、箱とその周辺に応力がかかっているのが見えます。

応力

1.2.4 0.03秒後

温度分布
応力

1.2.5 0.04秒後

0.03秒ごと比較して箱の移動量は小さくなっています。
箱に付加される荷重により箱と板との摩擦力が大きくなり箱が-x方向への動きが抑制されています。

温度分布
応力

1.2.6 終了時(1秒後)

0.04秒ごと比較して箱の移動量は小さくなっています。
箱に付加される荷重により箱と板との摩擦力が大きくなり箱が-x方向への動きが抑制されています。

温度
応力

2.解析設定上のメモ

2.1 メッシュの設定

1)メッシュの設定
陽解法の場合、Explitを選ぶ。

2)陽解法の設定
今回の事例の場合、Dynamic,Temp-disp,Explicitを選ぶ。
インクリメント設定はいじらなかったが後日見ていく。

2.2 接触設定

1)接触設定をした2面のサーフェスを作る
サーフェスから接触させる面を作る。
surf-bottomは箱底の面、surf-topは板の上面をつくる

2)2面の接触状態を設定
相互作用と相互作用特性を設定します。

相互作用特性は、接触の条件は、接触面に対して推定(接線方向)なので、「接触接線方向の挙動」と接触面は発熱するので、発熱を選択します。

相互作用は、ペナルティ接触法、有限すべりを選択します。

2.3 板の移動設定

規定場から設定を行います。タイプは速度を選び、領域は板全体、X方向への移動速度なので、400mm/sを入れます。
注意点は初期条件(initial)の段階で設定します。

2.4 温度の設定

この解析では板と箱の温度を293℃にしており、規定場から設定を行います。温度を293と入力します。注意点は初期条件(initial)の段階で設定します。

2.5 荷重の設定(荷重の関数設定)

荷重を設定します。
荷重を選択して、大きさと時間変化曲線を入れます。
今回の解析では、面圧を0sから0.1sの間に0から50N/mm^2に設定をおこないます。
時間変化は、入力荷重を1としたときの荷重比を入力します。
時間は、解析時間である0.1を入力します。


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