すずめの戸締り ネタバレしかない感想

※映画を見た後、あるいは一生見る気はない人向けのものです

天気の子を作り直した映画

天気の子と構図は似てて、まるっきり逆にしているんですよね 
少年の恋心を描いて、女の子の犠牲を防ぐ、結果たくさん人が死ぬ話が天気の子で、すずめの戸締りは少女の恋心を描いて、若いイケメンの死を防ぐという話なんですよね

似たような展開があって、イケメンを一時的に(?)犠牲にしなくては首都直下型地震で何万人も死にますみたいな状況で、選択を迫られるヒロインのすずめはしっかりイケメンを犠牲にすることを選んでいて、それで全部おーしまいにしないんだ!というのが意外でしたね。新海誠は「男なら死ねい」という思想があるわけではないんですね!というのが意外でしたね。

新海誠がこっちじゃなくてよかった

天気の子では、犠牲になるのが女の子だったのであまりにもかわいそうだから東京沈没させますが、イケメン大学生(教員志望)みたいなのはパブリックエネミーなので未来永劫石にしますというのもそれはそれで良かったんですが、イケメンを石にするとフェミ団体が黙ってないのでそういう映画は作れません。

初恋の純粋さ

最初に部屋にイケメンを連れ込み、包帯を巻くという場面、めちゃくちゃいかがわしさ満載ですよね このままいくと大学生が法的に怪しい状態になってしまう そこでうまいこと椅子に変えるの、天才ですよねと イケメン大学生の旅についていく田舎の家出少女の話なんですが、なんかいい感じにヤバさ軽減してます。これは良いファンタジーの使い方だな~と 椅子に座るということが最高にセクシーな状況というのもアレですよね 確かに自分が椅子になったら、女の子に座られるのちょっと嬉しいかもしれないし、基本的に座られるのは拒否したくなりそうですね。女の子が命を賭して何かに立ち向かうみたいなときに、大切な人のためというのは絶対あるんですよね 漠然と正義とか理念に命を懸ける!みたいな女性存在しないですからね。だから色々なトラブルに巻き込まれていく上で、イケメンへの恋心を確固たるものとして描くのは必要なことだなと思います。そういう下地があれば物語のいろんな展開についてかなり納得感が増します。それまでぶっ飛ばしてたチャリを、イケメンとすれ違う時だけめちゃくちゃゆっくりにするとか。時間が止まったように演出しているんですがそうではなくて、すずめ自身が止めているんだというのが面白いところです。その証拠にイケメンの歩くスピードは一定で変わりません。

おばさんの恋

おばさんのことが大好きな田舎の独身男性には一切目もくれず、東京のチャラついた若い男にはその日のうちに涙を流してしまうおばさん これがこの映画で一番面白かったですね 芹沢やりよるな、と 40台のおばさんの婚活が難航している理由みたいなのもサラっと描いてくる新海誠 こええ




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