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ソラを見上げて #30.5 託された者達

(2025年5月某日…)


―仙台・XX墓苑―

(墓前で手を合わせている井上和と菅原咲月)


咲:ねぇ和。

和:ん?

咲:32枚目が決まった時のこと、覚えてる?

和:うん。

咲:私と和が事務所に呼ばれて、今野さんと美月さんがいて……

和:次のセンターは咲月と私だって言われたんだよね。


咲:うん。

和:びっくりしたね、あの時は。

咲:そうだね。今まで見てきた選抜発表の形と全然違うし……

和:息が止まるかと思った。

咲:私も。驚きと不安で頭が真っ白になってさ……


和:二人で一緒に泣いたね。

咲:でもね……今になって思うと、ああいう形で選ばれた事は何か他に意味があったんじゃないかって思うんだ。

和:うん。まさか美月さんから告げられるとは思わなかったもんね。両手で私達を抱きしめて『お願いね』って言ってくれて……

咲:美月さん、泣いてたね。


和:あの時……言葉以外の何かを美月さんから託された様な気がする。今の私にはそれが何かはまだ分からないけれど、『お願いね』って言ってもらったからにはそれに恥ずかしくない自分でいたい。

咲:そうだね。

和:そのためにもっと成長しないと。人としても、アイドルとしても。


咲:頑張ろうね、和。

和:うん。

咲:いつか……きっと、史緒里さんに褒めてもらえる様なアイドルになってみせます。だから見ててください、私達のこと。


-continuing to chapter3-




【and more…】

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