初夏 未完の蜘蛛の囲が絡まる手で撫でた草の匂いを思い出す

幸せについて考える時がある。ケーキを食べた時甘くておいしくてしあわせだなーって朧気に思った。そういうしあわせの元でわたしはギリギリの呼吸をしている。たとえば、毎日ケーキが出てきたら毎日しあわせなのかな。毎日しあわせだったらそのしあわせに飽き飽きして、きっと次はふしあわせを求めてしまうバカだから、時々がいちばんちょうどいいな。
ぱぱとわたしの左手の形がまったく一緒で、ふたりで大笑いした。中指の第一関節が少し右に曲がっていて、指が短くて、関節が太い。ぜんぜんかわいくないしイヤだけど、わたしのおばーちゃんもこの形だと言われると悪くないような気がしてくる。血の繋がりってキモくて、奇麗で最高。両親の嫌なとこばっか凝縮して受け継いじゃった私だけど。

わたしって、ずっと泣かない人だと思ってた。小学校の時、みんな泣いていた教育実習の先生とのお別れ会も、卒業式も泣かなかった。中学校の時、部活で県1位になった時も泣かなかった。泣けなかった。涙腺が枯渇してて、一生泣けないんだと思った。高校生になって、クソ鬱かましてから涙腺が馬鹿になっちゃって、空が奇麗で泣いて、花が咲いてて、枯れてて泣いて、授業中当てられて分からなくて泣いて、今日なんてファッションショー行って泣いちゃった。馬鹿だ。馬鹿涙腺だ。すぐ泣く涙脆い女認定されちゃうし精神の異常を咎められるし、いいことないけど、泣けない私よりいっぱい泣く私の方がずっと好き。最高に生きてるって感じ。毎日死にたいって思ってるのに変だけど、いちばん生きてる!って感じた時に死ぬことにするよ、
わたし、ずっと影が薄いって思って生きてきたんだけど、どうやら違ったらしい。小学生の時なんて目の前に私いるのに私の事探されたり、見つけてもらえなかったりしてたから、影薄いんだなー私ってざっくばらんに思ってた。だからこの前なかよしの教科担に、わたし影薄いよねーって言ったら、いやお前めちゃくちゃ濃いぞって言われてびっくりしちゃった。後輩にも言われたし。わたしって影濃かったみたい。うれしかったな!

朝が来ちゃった。やだやだ、やだよ、部活行きたくない。行っても無視されて悪口言われるだけだし。新しい眠剤効きすぎて死ぬほど眠いし。あーーー、死にたいよ、わたし今までどうやって呼吸してたんだっけ、おしえて

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