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入社一年目の教科書

社会人としていち早く成長し活躍するために必要なことはなんでしょうか?

そんな疑問に三つの原則と50の行動指針によって答えてくれるのがこの「入社一年目の教科書」です。

この記事は三つの原則と、学んだことを実践した際の気付きについて紹介します。

記事でとりあげる内容はごく一部ですので、興味を持った方はぜひ実際に読んでみてください!

学生から社会人へのゲームチェンジ

サッカーしかやってこなかった人が野球を始める時、いち早く活躍するためにまず抑えるポイントはなんでしょうか?

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それはおそらく野球のルール上達の方法ではないでしょうか。

「ボールを打って飛ばすと点が入る」といったルールを理解し、「ボールをバットで打つ技術は素振りで身につけられる」といった上達方法をおさえ、繰り返し実践することで成長し、活躍できるようになります。

社会人になるときも同じです。
「学生」から「社会人」という全く新しいゲームに飛び込むことになります。

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そして新しいゲームでいち早く成長し活躍するためには「ルール」と「上達法」を抑えることが大事です。

この記事で紹介する「入社一年目の教科書」では仕事のルール自身を成長させ活躍するためのポイント・心構えを、三つの原則と50の具体的な行動指針に落とし込んで紹介しています。

三つの原則について紹介するまえに、まずは「学生」から「社会人」へとゲームチェンジする上で大きく変わるルールを二つ紹介します。

ルールの変化① アウトプットに求められるもの

学生のアウトプットはテストに代表されるように、決まっている正解を一発勝負の場で一人で導くことがメインです。

一方社会人のアウトプットは正解が決まっておらず、一緒に働く人の力を総動員し何度もブラッシュアップを重ね質の高いアウトプットを出すことが求められます。

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言われてみれば当たり前のことですが、もしこのルールの違いを意識せず、学生の頃と同じプロセスでアウトプットしようとした場合どうなるでしょうか。

「正解」を自分一人で導こうとするあまり、先輩にフィードバックをもらってブラッシュアップすることができず、時間をかけたとしても荒削りなアウトプットしかでないでしょう。

最終的なアウトプットの質が評価される社会人のルールの中では、学生と同じルールで働いても価値を発揮し評価と信頼を獲得することができないのです。

ルールの変化② 成長の機会

アウトプットの他にもうひとつ学生と社会人で大きく変わることがあります。

それは成長機会についてのルールです。

学生は待っていても成長機会が与えられます

学力という評価軸で考えると、学校の宿題を受動的にこなすだけでも成長することができます。
学力を伸ばすための練習問題は待っていればクラス全員に平等に与えられるし、それをこなしさえすれば試験の成績を上げることができます。

一方社会人にとって成長機会は自ら生み出す・勝ち取るものです。

日々の業務を漫然とこなしていても、価値あるアウトプットを出せるようにはなる経験値は得られません。
業務の意味を考える、新しい発見がないか思考をめぐらす、より良くできる部分がないか創意工夫するといった主体的な態度で取り組んではじめて経験値を獲得することができます

加えて学生の練習問題と違い成長機会は平等には与えられません。「こいつに任せたい」という信頼を得てこそ新しいことに挑戦する機会を勝ち取ることができるのです。

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これも言われてみれば当たり前のことですが、このルールの変化を意識できなければどうなるでしょうか。

議事録など日々の業務に意味を見出せなければ経験値が得られず、なかなか成長できません。また信頼を積み上げる重要性を意識できなければ挑戦する機会はなかなか与えられないでしょう。結果、いつまでも成長できず機会もあたえられないことに「不平等だ」と愚痴をこぼすようになるかもしれません。

いつまでも学生のルールから抜け出せず、こういった見当違いな不満を持つ人は少なくないのではないでしょうか。

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「学生」から「社会人」へ。
ゲームが変わり今までのルールが通用しないことを意識する必要があります。

三つの原則

学生から社会人になるにあたり、二つの重要なルールの変化があることがわかりました。著者の岩瀬さんは、このルールを意識し成長を加速させる三つの行動原則を定義しています。この本では成長を加速させる行動指針が数多く紹介されていますが、まずはその根底にあるこの三つの原則を意識するだけで成長速度は変わってくるでしょう。

原則① 頼まれたことは必ずやり切る

行動原則のひとつ目は頼まれたことは必ずやり切ることです。

催促される前に、自主的に、頼まれたことは何があっても絶対にやり切る。これが周りの信頼を勝ち取り挑戦機会を最大化するための一番の近道です。

絶対やり切るという強い意志で仕事に臨み、実際にやり切る人だけが信頼を勝ち取ることができます。

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逆にいくら優秀な人でも、頼んだことをやってくれなければ信頼して仕事を任せることができません。頼んだ側が催促してからようやく動き出すという姿勢では、いいアウトプットを出したとしても信頼を勝ち取ることはできないのです。

原則② 50点でいいから早く出せ

前述の通り仕事は総力戦です。上司へのアウトプットは100点のものである必要はなく、50点でいいので早く出し、それを叩き台にブラッシュアップさせ、最終的なアウトプットの質を上げる意識が重要です。

詰まった時も自分でできる範囲のことをやったらすぐに相談に行くことで効果的に仕事を進めることができます。また早い段階でフィードバックをもらうことで、誤った方向に進んでいても軌道修正も効きます。

上司の時間を奪ってしまうと遠慮するのではなく、部下の力を引き出しより良い成果を出すことが上司の仕事だと考え、積極的に相談する姿勢が重要です。

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大学院での論文投稿に際して、僕自身この原則を取り入れて実践してみました。論文はテストと異なり正解がなく、国際学会への投稿は初めてで何もわからないところからのスタートだったため、この原則がとても効果的だと考えました。

実践してみた結果、アウトプットのクオリティーを上げるのにこの原則はとても効果的だと実感しました。

大学の頃に初めて国内学会に論文を投稿した際は、完成度の低いものを人にみられるのが怖く、教授に論文を見せフィードバックをもらったのは締め切りギリギリのタイミングでした。結局指摘された箇所を全て修正仕切る前に締め切りがきてしまい、最終的な論文は悔いの残るクオリティーとなってしまいました。

これに対し今回は早い段階からフィードバックを取り入れ、3段階のブラッシュアップを経て最終的に納得いくクオリティーに仕上げることができました。

当初は完成度の低いものを見せることに強い抵抗感がありましたが、この抵抗感を乗り越えフィードバックを積極的にもらうことで、クオリティーの高いアウトプットを出すことができると実感しました。

原則③ つまらない仕事はない

前述の通り、取り組む業務から得られる経験値は取り組む姿勢によって大きく変わります。「つまらない仕事はない」と常に主体的な態度で取り組むことで、あらゆることから経験値を得て爆速で成長することができます。

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研究室の共同研究プロジェクトの責任者を務める中で、この原則を取り入れて実践してみました。共同プロジェクトは見方によれば個人の研究を邪魔するタスクと捉えることもできてしまいます。

しかしタスクの意味を考え、プロジェクト責任者としてのタスクは将来チームを引っ張る立場で活躍するためにマネジメントの経験を積むチャンスと捉えることで、主体的に取り組むことができています。新しいことにも取り組み、試行錯誤する中で経験を積み着実に成長できている実感があります。

ただしひとつひとつのタスク全てに対して意味を見出したり工夫できているわけではないため、この原則を身につけるためには継続して意識し続ける必要があることもわかりました。

「入社一年目の教科書」まとめ

この記事では学生から社会人へとゲームチェンジする際に押さえておくべき二つのルールの変化と、成長を加速する三つの原則を紹介しました。

この本の中では三つの原則をベースに、より具体的な仕事のルールや成長に必要な心構えが詰まった行動指針が計50個紹介されています。

会議は予習・本番・復習が3対3対3」「質問はメモを見ながら」などなど実践的かつ効果的なものばかりなので、少しでも興味を持った方は是非実際に手に取って読んでみてください!


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