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お絵描きズブの素人が半年でふんわり上手くなる方法

 どうも。お絵描きしてますか? 僕は少し前にやっと真面目にお絵描きし始めました。
 そこで何となく半年やってみて、自分なりにこうすれば上手くなれるんじゃね? という実感というか掴みがあったので、順を追ってお話しできればと思います。よろしくね。

それプロ絵描きのYouTube解説動画でよくね?

ここ飛ばしてもらっても問題ないです
 まあ実際そうなんですけどね。特段何か結果のあるわけじゃない僕の解説より、プロの言葉の方がいいと思います。
 ただ僕の場合は素人がリアルタイムで試行錯誤やってきたことを紹介するので、リアル度というかより近しさは感じられるんじゃないかな。と思ってます。マジの素人が徐々にマシになっていく過程が見えるので、何となく皆さんとしても共感しやすいのではないかな、と。
 加えて「これはちょっと早かった。初期にやらなくてもいい練習だ」とかにも言及していきたいので、何卒。
 あと、「プロ案件取れるレベルの画力になる!」とかじゃ全然ないです。強いて言うなら「趣味でオリキャラとか描きたいけど絵描けないしなあ」みたいな人が、ふんわり何となく、自分で愛する用にお絵描きできるレベル感です。
 そもそも半年でプロ案件取れるレベルなら仕事辞めてマジで生活全て絵に費やすくらいしても届かないと思います。多分それでも無理。絶対無理…いや絶対は言い過ぎだけど多分無理でしょう

そもそも久保お前は上手いのか????

※ここも飛ばしてもらって大丈夫です
「上手い」と言う言葉を使うとなかなか判断が難しいです。
 正直自分の絵はまだそういった評価基準に乗る次元ではないなと思ってます。ポケモンで言うとまだそもそも一つ目のジムについてないし何なら他のトレーナーと戦ってすらないから強いのか弱いのかもわからない。みたいな。
 なので、上手くなると言うより過去の自分を見直した際相対的に上手くなっているし努力がちゃんと反映される練習法。くらいに捉えていただけると嬉しいです。
 そんじゃあ行ってみましょう。
 参考までに、2020年7月3日と2021年1月31日(※1)の二枚を見てもらったほうがいいかも知れません。このツイートは二枚とも同一のキャラですが、成長は見て取れると思います。

 
※1…正確には約7ヶ月なのですが、絵の練習をちゃんとしようと思って始めたのが2020年8月5日からなので、半年としております

具体的な練習方法

 絵の練習をするにあたって、僕は以下のような練習をしてきました。上から順にオススメな感じで
・イラストの模写
・教則本を買って練習
・他人のデータを拝見する
・写真を絵にする模写
・ひたすら色んな人が描く目を描きまくって自分なりに考える
・線(丸)をひたすら描きまくる
 以降、上からお話ししていきたいと思っています。

イラストの模写

多分これが一番効果的だったと思います。
 ただ皆さん、知り合いで絵が上手い人とかに絵の上達のコツを聞いて模写だと言われた時、「またか」と思ったことありませんか? まるで打ち合わせや事前に協定組んでいるかのように、皆さん「模写が一番」と言います。かくいう僕自身も「絵描きたちは何かセミナー的なやつで『模写と答えなさい』と講師から指導を受けているのか?」と思ったほどです。いや流石に盛りましたが、そのくらい「模写」がアンサーとして返ってくる確率は高いです。
「いやそうじゃないんだよな〜。そうかもしれないけどそれが聞きたいわけじゃねえんだよな〜」と思ったことありませんか? こんな記事書いてる僕もかつてはそんな感じでした。なので、僕なりの模写のやり方をふんわり書いていこうと思います。

 模写は概ねこんな感じ(下に画像あり)でやってました。模写して、思ったこととかをセルフでフィードバックしています。このフィードバックが個人的にはいいんじゃないかなと思います。次必ず克服できる保証はありませんが、描く時意識するべき部分等もしっかり書いていくといいんじゃないかなと思います。
 これは練習初日(20年8月5日)に模写した呪術廻戦1巻表紙です。

 多分これ一枚で2時間くらいはかけたかと思います。今見るとやっぱり拙いですね。今描けばもうちょっとうまく描けるんじゃないでしょうか。
 これが今のところ最新(21年2月1日)の模写です。UREC先生が描いた呪術廻戦釘崎野薔薇です。奇しくも呪術廻戦で揃っちゃいましたね。

 こちらは1時間25分でした。かなりできることが増えているなといった印象です。脚を描き始めていますし、手や腕の奥行き感も掴めてますね(模写では)
 そしてこれが21年1月26日に描いたマキマさんです(元のイラストは同じくUREC先生)

 時間は1時間54分。ここ数ヶ月で最長です。改めて見ると、元のイラストに比べて顔がちょっと小さい気がしますね。
 この絵を境に、結構真面目に「影ってどこら辺に落ちるんだ?」と考える契機になりました。あとかなり手も頑張ってますね。初期に比べて。

 実際絵を描くにあたってのかっこいい影の落ち方というのは、やっぱり絵から学ぶのがいいんじゃないかなと僕は思ってます。地味に薄い影と濃い影も、この時初めて描いた記憶があります。
 こいうのを繰り返すと、ふとした瞬間に「なんかここに影ある気がする」という、超漠然とした感じですが何かかが自分の中にふわっと出てくる時があります。
 なのでよくメイキングとか口頭とかで「ここら辺に影を入れて〜」という解説も、経験的に何となくそこら辺というのがわかるからなんですね。他にも要因はありますが、それは後述。

 やっぱり自分の手で描いてみると、得るものは多いです。メイキング動画とかも大事ですが、描かないとわからないこともあるなと腑に落ちた瞬間でした。
※いきなり模写練習から始めると元の神イラストと自分の出来栄えを前に大悶絶するので、次に述べる練習でふんわりあることを身につけてから模写練習を重めにするといいと思います。

 以下、イラスト模写のいいところまとめ

・絵柄を自分なりに真似することで近づける
・影などを大まかに意識することができる
・好きな絵柄をキメラ化することができる(かもしれない)

教則本を買って練習

 というわけで、イラスト模写練習の前にこの練習ある程度した方がいいよ。という練習です。具体的には、アニメ私塾式キャラ作画上達ドリルがおすすめです。ひょっとしたら線画に関してはこの一冊でいいまであります。

 この本は1から絵を書き起こすのではなく、練習としてなぞる内容です。練習の過程で記録をとっているので数枚載せます。もし問題があったり出版社様からの要請があった際は、画像を削除する可能性があることをお含み置きください。

 こうしたハードルの低い練習+ページによってはかなりキャラを大枠で捉える練習もさせてもらえます。こんな具合に

 ここでも自分なりに思ったことや意識しなければならないことを描いています。こういった地味なことなんですが後日読み返したりパラパラ見た瞬間に多分自分の助けになるので、ぜひみなさんもお時間があればこうしたセルフフィードバックいかがでしょうか。
 で、こうやって何となく大枠を捉えることを意識できるようになりつつ、イラスト模写に望むと描きやすさが段違いです。

 なので順番としてはキャラ作画上達ドリルを事前にちょっと進めながら、後追いするような形でイラスト模写を始め、並行して練習。みたいな具合がおすすめです。こうすることで、線画と言いますか地力は間違い無くちゃんと着くと思います。

他人のデータを拝見する

 あるきっかけで知り合いの絵描きさんからクリップスタジオ内のデータをいただけました。そのデータを見ながら自分なりに噛み砕き、自身の絵に反映した感じです。
 これはすごい効果があって、ネットの解説はものによっては「このくらいは前提としてわかるよね」といった感じで省略される説明も、データとして目の前にあるので手に取るように判りました(絵に反映できているのは謎)

 なのでこれは基礎力や線を描く力とは違いますが、色とか塗り方とかに対しては絶大な伸びが期待できます。具体的には髪の影の入れるポイントやハイライトもデータを見ながら自分なりに考えることで、何となく掴めそうだなという意識は大いにありました。やっぱり何となく練習するのと意識して考えながら練習するのとでは、天と地ほどの違いがあると思った瞬間です。

 加えてどういったペンで描いたのかは流石にご本人に聞かないとわからない部分なので、「使ったことないこのブラシで塗ってみるか」といったアレンジ力も生まれます。
 模写もある程度してデジタルで描いてみるぞ! となったら是非知り合いの絵描きさんに見させてもらうようお願いするのも、手の一つだと思います。

 ご厚意でクリスタのデータをいただいたシカヤさんには、この場をお借りして厚くお礼申し上げます。本当にありがとうございます!

写真を絵にする模写

 これもそれなりに効果があったと思います。やはり実際の人間を模写するので、「そうはならんやろ」みたいなポーズはないんですよね。超体柔らかい人とかの例外は除いて。
 そのため、破綻のないポーズ練習ができます。加えて、アニメ私塾式の例の練習で大枠をざっくり捉えることができるようになっていれば、結構早く絵に起こすことができます。
 なので、真似したかったり近づきたい絵柄があるのならその絵の模写を重点的にやりつつ、時折写真模写に手を伸ばす。みたいな感じが僕の中では理想です。

 ただ、どこまで模写で詳しく真似するのかは割と僕自身もよくわかっていません。個人的なアレですが僕はこれからデジタル中心で絵を描く予定なので、そこそこ正確に手の配置とかポーズを組めるようになれたらいいなと思う感じです。ここの温度感は各々で調整したほうがいいかもしれませんね。

ちなみに、初期(練習3日目)と21年2月1日の写真模写です。描き込んでいる情報量とかが段違いですね。ちなみに2枚目の模写は、お察しかもしれませんがアニメ私塾の例のドリルを完走済みです


 ただ、やっぱり二次元的な表現はできないなという実感はあります。
 しかし、間違いなく地力がつくので練習としては全然アリだと思います。
 イラスト模写練習の合間に手を伸ばすのもおすすめです。

ひたすら色んな人が描く目を描きまくって自分なりに考える

 これは役に立ったかどうかは不明です。ただ、個人的に楽しかったなという思い出はありますね。
 具体的に何をやったのかといえば、サブタイトルの通りです。ひたすら色んな人の目だけを模写して、形やカテゴリをひたすらまとめまくりました。
 全部お見せするのはキリがないので一部抜粋という形を取りますが、こんな感じで描いてました

 自分でもようやったなと呆れる次元ですが、記憶が正しければ全51人の目をまとめました。こうやってみると本当に人によって描き方が違うので、色んな人の絵を見てどんな具合の目なのかを改めて考える契機になったかと思います。
 ただ、これが画力に直結しているかはちょっと実証できなかったため、おすすめの順位としては数段劣る感じになりました。
 しかし、ここまでゴリゴリにやらずともちょっとした息抜きにやってみると面白いかもしれませんね。

線(丸)をひたすら描きまくる

 これは謎です。
 一応僕の中では野球でいう準備運動やグラウンド走って体温める的な位置付け兼線をスッと描く練習だったのですが、多分あまり意味はないと思います。マジで準備運動としてちょろっと描くくらいでいいかな、と。
 というのも、マジの直線描くシチュエーションは少ないですし描くなら定規ツールがあるのでそこまで直線描くことないんですよね(お絵描き歴が浅いのでそもそも僕が知らない可能性が大いにあり)。


 一応こんな感じ(↑)で結構描いてましたが、正直ここまでガッツリ描かずにお絵描き前にちょろちょろっとチラシの裏レベルで済ませていいと思います。
 ネット上でも「円を描いて絵が上手くなるのか」みたいな論争を見た気がしたのですが、さっき調べたら見つかりませんでした。もったいないことしたな…
 あくまで僕の所感ですが、これが画力向上につながるかと聞かれると首を斜めに傾ける感じになったので、順位的には最下位となりました。
 しかしウォームアップとしては文句なしだと思いますし、描きたいものが浮かばないけどとりあえず今日は5分線と円を描いておけば腕が錆びる速度は抑えられます。今日は線と円だけ〜と思って描いていたらなんか描きたいの浮かんだとなれば移行すればいいだけですし、手段として悪ではないと思います。

番外編:他人に見てもらう

 これは練習半年間の間では行わず、つい最近(2021年2月20日前後)の練習なのであくまで番外編としました。
 見てもらうと言ってもTwitterで投稿の他に、マンツーマンあるいは一対複数(一が自分)で絵を見てもらうコメントもらうことです。要は講評ですね。
「完成したイラスト、何か違う気がするような気がしないでもないけど自分では答えがわからない」なんていうのは絵じゃザラにあります。練習半年の僕ですら既に食傷気味なので、先輩方は尋常ではない数経験していると思います。
 そうした俗に言う違和感は、自分で気づくことは難しいと思います。描いているときはそれが正しいと思って描いているので、当然といえば当然ですね(数ヶ月後見返して…とかはまた別の話)。
 なので、自分以外の目に頼りましょう。気心知れた友人で絵を描いている人がいればベストです。
 ただ、正直耳が痛いです。講評受けている最中耳を塞いで「あーもうわかりましたわかりました! やめて!」と言いたくなる時も大いにあります。今までそのイラストはなんか変な気もするけど流していた部分が白日の元に晒されるので、一気に自分の未熟さが恥ずかしくなります。
 ただ、そこは練習始めて間もないんで仕方ないですし至らない部分が多いのは当然だと割り切りましょう。この絵では未熟だけど、次少しでも進歩できればいいんです。
「(今色々技術がたりてないのは)しょうがねえだろ赤ちゃんなんだから」くらいのメンタルで練習していきましょう。ただ、変な開き直りは厳禁です。
 そして講評してくださっている人は、ご好意とはいえご自身の時間を使って向き合ってくれています。しっかりと、敬意と感謝を持ってコメントを受けましょう。
 そんな中どうしても納得できない部分やわからない部分は、しっかり聞いちゃっていいと思います。勿論、逆ギレ風味の質問はNGです。

これはちょっと早かったという練習

 練習というのは、適正レベルがあると思っています。「これをレベル5のピカチュウにさせるんじゃない」という感じの、効果的かもしれないけど正直あのタイミングでやらなくてもよかったな…という練習もご紹介しようと思います。
 ズバリ、手の練習です。
 友人の商業漫画家から教えてもらった本を買って手を描いてみようとなりました。手がかっこいいイラストや漫画、憧れちゃうよね。
 ただ僕の場合お絵描き練習を初めて4日目に手を描こうと一念発起しましたが、当然ものをシルエットや大枠で捉えるといった技術がまだまだ下の下(今が上とは言ってない)だったので、ただただ苦痛でした。
 テキスト本体はすごく丁寧で「これなら自分でも描ける!」と思うんですが、やはり慣れていないので完成した自分の手の絵でギャップに苦しみます。重ねて補足しますが、テキスト自体はわかりやすく素晴らしいです。ただレベル5のピカチュウや御三家ポケモンには荷が重かったです。
 
ちなみに肝心のテキストはこちら
 マジの良書ですが、自身のレベルアップを少し待ってから着手してもいいかなと思っています。正直お絵描き練習最初の挫折はこの手でした。上記のようにわかりやすさに報いることができない自分に腹が立つこともしばしばでした。
 ちなみにこれが練習した感じです。

 なんか向き変ですね。許してください。

結論

 なんかうだうだ書きましたが、個人的にはこんな感じの練習でいいんじゃないかなと思っています。以下、上から順にやっていく感じ

1: アニメ私塾式キャラ作画上達ドリルをやり込む
 →キャラや形のなんとなくの大枠を捉えるスキルツリーを解放させる
  →セルフ赤ペン先生や気づき、大事なことは逐一メモをするとなおよし

2:好きなイラストの模写
 →なぞるだけではなく目で見たものを紙や画面に落とし込む力を養う。これが強くなればファッション誌などのポーズも論理上描けるようになる
  →1と同じく、反省や気付きを赤ペンで記入。後々見返した時のおさらい用
   →未熟だけど頑張った部分や自分としては悪くないポイントは素直に褒める

3:イラスト模写と写真模写の両刀
 →絵的に映える絵を真似する傍ら、人体として無理のない絵が描けるよう練習
  →どんな絵を描きたいかで別れるため、写真模写はこの限りではない

4:都度伸ばしたい技術があれば別途教則本で練習
 →色の塗り方や手・各種服の皺など

5:描いた絵に対して知り合いからコメントを受ける
 →違和感の正体や改善点等を講評してもらう。謙虚に受け止めること

さいごに

 ながーーーーーーーーーーーーく書いてきましたが、こんな感じです。
 絵の練習って「描け」とか「模写しろ」の一言になっちゃいますしそれが当たり前になりがちな世界だなあと思っていたので、少しでもお絵描き練習に関してこれからお絵描きやってみようという皆さんのお役に立てたらこれに勝る喜びはありません。
 よく言われるし個人的に一番効果のあると思っている模写も、惰性や何となくでやれば効果は半減どころか二割ないんじゃないでしょうか。
 この記事を通して、少しでも皆さんが前向きにお絵描き練習できるようになればと思っています。
 ちなみに模写にしろカラーイラストにしろ何にしろですが、技術足らなくても描き切ることが一番大事です。そこから反省していきましょう。
 
 頑張っていきまっしょい。僕も頑張ります。

サポートしてくださったあかつきには、僕のご飯が少しグレードアップします。あと画材や絵の本に使いたいです