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狭小商圏時代の店長・SVの職務は「完全作業」「欠品対策」「標準化」「固定客づくり」

少子高齢化、人口減少、オーバーストアによって小売業の1店当たりの商圏人口は「狭小商圏化」している。狭小商圏時代の店長は、「完全作業」「機会損失対策」「生産性向上」「固定客化との長期的な信頼関係づくり」「店頭起点の需要創造」などが重要な職務になる。不特定多数の「浮動客」相手の商売が主体だった時代の店舗運営部の職務(果たすべき任務)と、特定多数の「固定客」との長期的な信頼関係を築く時代の店舗運営部の職務は大きく異なる。この項では、狭小商圏時代の店長・SVの職務についてまとめてみよう。(月刊MD主幹 日野 眞克)


MDの企画部隊が商品部 MDの実行部隊が店舗運営部

小売業の活動の総称をMD(マーチャンダイジング)と呼ぶ。MDとは、直訳すると「商品化計画」と訳される。MD活動とは、メーカーが製造した製品(プロダクツ)の売り方を開発し、商品(マーチャンダイズ)に変える活動全般を指す。

小売業のMD活動で行う売り方の革新は、たとえば「つくる立場」「売る立場」から、「買う立場」「使う立場」に製品を再編集し、選びやすく買いやすい「商品分類(アソートメント)」を設計し、需要創造することである。商品分類の設計は、さまざまな業界の商品を品揃えできる小売業・卸売業だけが提案できるMD活動の根幹になる。

また、商品構成(棚割の状態)を設計することもMD活動である。すべての商品が1フェースで陳列されている状態は「売場」ではなくて「ショールーム」である。商品によって陳列量を変える商品構成も重要なMD技術である。

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