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[11社アプリ徹底比較!]「もう一つの店舗」小売業アプリ、機能・使いやすさ徹底診断

リアル店舗には営業時間と商圏という物理的な限定条件がある。営業時間外は買物ができないし、遠距離の店舗を頻繁に使うのは不便である。これに対してECでは24時間、距離に関係なく買物ができる。小売業が運用している自社アプリには、EC機能をはじめ、来店を促すクーポン発行、処方せん送信、ポイント管理など豊富な機能が搭載され固定客づくりに効果を発揮している。今後は手元のスマホにインストールされたアプリが店舗の代わりを果たす時代が来ることが予想され、この「第2の店舗」ともいえるアプリの機能、使いやすさは小売業の成長へ大きな影響力を持っている。今回の特集ではドラッグストア(DgS)、小売業のアプリを編集部が実際に使って特徴や課題をまとめた。

アプリの基本利用プロセス

▲[図表1]アプリを店舗として使うこれからの店舗戦略

リアル店舗の利用は、まず店舗の認知(あそこに店がある)から始まり、入店→回遊→利用(お試し、相談、購入など)→決済→退店となる。アプリ利用では、①利用開始→②閲覧・回遊→③利用・購入→④継続利用の4つのプロセスに分けることができる。今回の調査ではこの4つのプロセスに沿って使い勝手をチェック。基本機能や画面構成についても解説する。

▲[図表2]アプリの利用プロセス別評価ポイント

プロセスごとに見る使いやすさの理想と課題

図表2で見たように、アプリ利用のプロセスは①利用開始→②閲覧・回遊→③利用・購入→④継続利用となる。ここでは各プロセスの重要ポイント(=理想)と実際の調査でわかった課題について紹介する。

「利用開始」の理想

会員登録のスムーズさ、簡単さは基本条件。店内、レジの前で登録にもたつくと、ユーザーのストレスにつながるため、スムーズにクーポンや会員バーコードの表示が行えるようにすべき。また、ダウンロード後に利用手順を説明するチュートリアル機能があるか、わかりやすいかもアプリの利用開始、継続利用に大きな影響がある。

ダウンロード後から使い始めまでのファーストコンタクトがその後、アプリと長く付き合ってもらえるかの分かれ道となる。店舗でいえば、店への入りやすさ、入り口付近の売場づくり、通路の印象、従業員の「いらっしゃいませ」の挨拶などに相当する。

重要ポイント

  • 会員登録の簡易な操作性

  • 会員登録をスキップして利用できるか

  • ダウンロード後、チュートリアル(利用手順説明)があるか

「利用開始」の課題

▲会員登録がスキップできず、未登録のままでは店舗検索以外の機能が使えない。
▲プラスティックの会員カード番号を登録しないとクーポンなどの
アプリサービスが受けられない。アプリからの会員登録ができない。
▲会員登録は3ステップで簡単だが、生年月日の登録が当月のカレンダーから
1ヵ月ずつさかのぼる方式で時間がかかる

閲覧・回遊の理想

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